テイラー・スウィフトが13歳の頃の日記を手にしながら「良い人と思われる為に頑張って来た」という話から始まるNetflixによる彼女のドキュメンタリー映画。
私はカントリー歌手だった彼女がいつの間にかカントリーという枠を飛び越えて行った事、シンプルだけれども、一度聴いたら耳に残るメロディが多い彼女の歌は、私でも口ずさめるので有難い位の印象しかもっていなかった。
前半はそんなキャッチーなメロディの数々(ME!の印象的なメロディ等・・・)がどんな風に生まれたのか、それをアルバムのプロデューサーがどんな風に称賛しているのかが見られたりして楽しかったのだが、後半は一転、彼女が自らの思いを様々に表そうとしている姿が多くみられる。
常に新しく、常に前作よりもクオリティの高い作品を作る事が望まれ、その壁を破る為にたゆまぬ努力を重ね成功を収めたしても、女性歌手が年齢を重ねれば表舞台から立ち去る運命にある事はまだ現実である事。証人もあり証拠もあるセクハラ裁判でも厳しい追及が女性に向けられる事。弱い立場の者を守るべき法案が通らず、正しい権利が認められない場面が多々ある事。
それらの事を一つずつ自分の言葉で語り、彼女をサポートするチームメンバーがコンサートの動員数が減る事を危惧する中でも、自分の信じる正しい事をするべきだと、政治的発言をする事を決意する姿。
私は彼女が政治的立場を表明した事で選挙登録人数が増えたという事を簡単にニュースで見聞きしただけだったので、その裏での葛藤の数々とその真剣さに正直驚いた。「アメリカはキチンと歌手も自分の信念を口にするんですね~」などと言うコメンテーターの軽めのコメント等簡単に信じてはいけないのだ。
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映画は2020年に配信が開始されたものだが、先日東京ドームで行われたThe Eras Tour終了後プライベートジェットで向かったスーパーボウルの場でも、「何か政治的は発言をするのでは?」とニュースになっていた。彼女への関心と共に彼女の歩みも現在進行形である事が判る。