光海君から綾陽宮へという歴史の流れの中で結末がどんな風に描かれるのか。
伯父に王として担ぎ出される運命を背負って制約のある中、なんとか自分の生きる道を探そうとしてきたデヨプ、王のたった一人の娘として何不自由なく生きて来たはずだったのに、権力争いの波に飲み込まれ、寡婦になり、自分で人生を切り開く選択肢等なかったファイン翁主。
そして、その二人のそばで、一旦は否定された自分の生きる道を自らの力で切り開いていこうとしたバウ。
そんな3人の切ない運命が、歴史の事実と併せて語られる最終章・・・
行き場の無くなったバウ達は、幽閉されているバウの伯母を頼って西宮に逃げこもうとするものの、ファイン翁主は逃げ遅れ、更には父に見捨てられて結局デヨプの父の元に送られる事になり、デヨプはファイン翁主を助ける事、更には母のそばにいる事を願うも、その前には権力に固執する伯父が立ちはだかる。
こんな風に究極の状況になると、デヨプもファイン翁主にも残された選択肢は殆どない事に胸が痛む。もちろん、二人に比べたら自分で道を切り開くしかないバウも厳しい選択を迫られる事に替わりはないが、それでも二人に比べたら自由度があるという風に思えてしまう。
更にデヨプとファイン翁主は自分の事よりも残された人の事を考えて、更に自分を権力へ近づく為の駒としか思わなかった肉親へ一筋の赦しを見せて、少ない選択肢の中から自分の進む道を選ぼうとするのだ。
更にデヨプの父そして王に仕えた者も、それぞれ自分の矜持を見せて職務を全う。
勇気を出して自分の進む道を選んだ者の生きざまは色々。権力を手にした綾陽宮も、この先辛い人生が待っているはず・・・権力を握っても、その先に幸せがあるとは限らないというのを改めて実感する。
最後の最後は、ポッサムというタイトルにピッタリなエンディングだ。ポッサムに始まり、ポッサムで終わる。