インジュの裁判に突然乗り込んで来たのは、亡くなったはずのファヨン。
彼女が生きているかともしれないとシンガポールに行き、ソンアがファヨンの替わりをしていた事を知り奈落の底に落とされたインジュにとっては青天の霹靂だし、それはソンアも同じ事だ。
ファヨンの証言でインジュの危機一髪は回避されるも、ソンアは益々詰まった状況に陥るが、これで彼女が終わるわけがない。
小さくカットした清めの豆腐を食べて出所したインジュは、ファヨンからこれまでの事、更にシンガポールで彼女が自分の事を守ってくれていた事を知るのだ。
母が亡くなってすぐにソンアからシンガポールへの出張を命ぜられたファヨンは、そこでぷっつりと糸が切れた事で別の人生を歩むようになり、ソンアは父の悪行を見逃す事が出来なかった母が、娘の自分よりも正しさを証明することを選んだ事で少しずつ心が壊れていく。
ソンアは壊れた自分が父の後継者に成れなかった事から夫との関係もいびつなものになり、更に全てのタガが外れた彼女は、将軍を信奉する校長も殺害し、自分を邪魔するファヨンもインジュも殺害しようとするのだ。
愛しているという言葉を残しながらも、「自分の道を進む」と言い残し去っていた娘の事を思い出せば、思いとどまるチャンスもあったかもしれないのに、彼女には、母からも娘からも捨てられたという思いが残っているだけだったらしい。踏みとどまるチャンスはあったかもしれないのに、踏みとどまる勇気もやり直す思いもなかったんだろう・・・
結局、持っている物が少なかったオ姉妹は、辛くても自分たちの道を生きる術を見つけ、中途半端に手にする物があったソンアはそれゆえ、自分の歩く道を間違えてしまったのか。
******
姉二人がソンアと対決する中、若さ故の決断だとは思うが、ヒョリンとイネは二人で未来を切り開いていこうと旅立ってくれてよかった。この二人が身近で現実を見て、壊れてしまわなかったのが不幸中の幸いだ。
******
このドラマに暗い影を落としていたベトナム戦争と将軍の存在。私としては昏睡状態の将軍から一言の弁解も聴けなかったのは、なんとなく消化不良な感じだが、ドラマとしては、彼が何も言わずに眠り続けている事にも何か意味がある事なんだろう。