1938年ドイツのミュンヘンで行われた@ミュンヘン会談の裏で密かに行われようとしていた署名の阻止。
ヒットラーの要求を呑む事で更に大きな衝突を避けようとする事は無意味だとするドイツの若い役人ポールは、手に入れた秘密文書をイギリス留学時代の友人でありイギリス首相チェンバレンの秘書に託そうとする。
「生きる時代は選べないが、どうやって生きるかは選べる」と、「ドイツ人の尊厳を取り戻す」と声高に叫ぶヒットラーが勢力を持つドイツで、それを阻止しようとする若い役人。悩みながらも彼の思いを知り、自分のキャリアを捨てても首相に進言しようとする秘書。
宥和政策は失敗し、その後ドイツがどんな道を歩んだのか知っているが故に、彼らの思いがなんとも切なく伝わってくる。大きな流れは若い彼らの力では動かしようもないのだ。
緊迫するウクライナ情勢が毎日のように報道される今、きっとこの問題でも同じような駆け引きが行われているのだろうと思う。
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チェンバレン首相の秘書を演じるのは、1917 命をかけた伝令の主役だったジョージ・マッケイ。場所と時間は違っても同じように危機を救おうと走る姿は一緒だ。
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『ミュンヘン: 戦火燃ゆる前に』予告編 - Netflix