以前、香港のコンサートを見に行った際には、その歌手のファンクラブに加入している人のつてでチケットを手配して貰ったり、又ある時はチケット購入代行サービスを利用したりしたのだが、今回はURBIXという香港のオンラインチケットサービスを利用してチケットを購入した。サイトは中国語だが、漢字なので何とか意味は分かるし、翻訳したい部分を選択して右クリックすればあっと今に日本語にしてくれる。本当に便利な時代だ。そんな風に予約したチケットは街角に設置してあるチケット発券機から予約時に使用したクレジットカードをつかって発券するシステムだ。
「機械の使い方が分からず、発券できずにクレジットカードが機械に吸い込まれて出てこなかったらどうしよう・・・」などと要らぬ心配をしたのだが、コンサート会場にある発券機には『問題がある場合はカウンターまで』という注意書きが貼ってあったので、機械に触る事なく窓口にいる担当の人に発券手続きをしてもらった。
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ネットで予約せずとも、当日、席がある場合は、その窓口でも購入できるようになっているようなのだが、私が行った日は窓口に「満席」の張り紙。
しかし、私も前に窓口の人と話し込んでいた70代後半と思われる男性の人は、「どうしてもチケットを購入したい」と熱心に窓口の人に頼み込んでいるようだった。(言葉は分からずとも、男性の熱意は非常に伝わって来た)男性は10分程粘った末に諦めていたのだが、チケットを狙っているのは鑑賞したい人ばかりではない。
私が窓口でチケットを貰ったのをどこかで見ていたらしいダフ屋の人が音もなく私の後ろに立ち、私が手にしたチケットの席番を確認しようと私の手元をのぞき込むではないか・・・
どうやらいい席なら、高値で買い取るということらしく「チケットを見せて!」とグイグイ近づいて来る。コンサートを見たい一念でここまでやって来たのだ。チケットは渡せない。更に広東語も分からないので交渉の余地はないのだが、私は黙っていれば地元の人も香港人と思う外見の持ち主だ。単純に無視しているだけと思われたようで、ダフ屋もなかなかひかないのだ。そうこうしているうちに別のダフ屋も登場・・・・チケットを欲しい人は見たい人だけではないのだ。
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K-POP等は、それぞれの歌手のチームカラーのペンライトを振ったりするのが主流のようだが、私の知る限り、香港ではそのような統一したルールはないと思う。以前はとてつもない電源を持ち込み、自作のちょっとしたネオンサイン的な応援プラカードを掲げている人もいたが、殆どの人は会場前で売っているペンライト等をその場で購入して応援したりしていた。当然、色の統一性などはない。
今は皆携帯で動画を撮影している人が多数だ。ペンライトの明かりより録画中の携帯のライトの方が多いのではと思う位だ。会場前でペンライトを売っている人も少なくなった。私はそんな数少ない人からペンライトを60香港ドルで購入し、それを振りながらコンサートを鑑賞。
翌日もそのペンライトを持参してコンサートを鑑賞したのだが、前日私が60ドルで購入したペンライトを80ドルで売ろうとしている場に居合わせてしまった。
「八十」(バーシー)と言いながら、昨日私が買ったものとそっくり同じものを、20ドルも上乗せして売ろうとしている。驚いて見ていると、その売り子の人も私に気づき、「おお 60・・・シックスティー」とバツが悪そうな顔をしている。私がずっとその場から動かなかった為、結局60ドルで売るしかなかったようだ。