地域のガイドブックを、読んだ本と呼んでもいいのか、ちょっと悩んだが、生まれてからずっと多摩地域に住んでいる私にとっては、「自分の住んできた所、自分の住んでいる所、そしてこれからも住んでいく所」を確認する事が出来る本だ。
殆どの場所が見たり聞いたり行ったりした事がある所ばかりだ。
小さいあまりに危ないからと中に入る事の出来なかった日原鍾乳洞や、何度もマラソン大会で周りを走った多摩湖。西武遊園地に連れていってもらいたかったのに、いつも連れていかれたのは、取水塔が見える村山貯水池だった。私にとっては旅行ガイドブックというより、記憶を辿るガイドブックだ。
「遠足で行ったな」「両親と出かけたな」という場所には、久しぶりに足を運んでみたいと思い、「友達が住んでいた場所だったな」と思い出して、あの友達はどうしているだろうなと懐かしくなる。足を運んだ事がない場所でも土地勘はそれなりにある。今度ちょっと行ってみようかなとも思う。
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23区以外は東京ではないと思っている人もそれなりに沢山おり、実際にそんな雰囲気を感じる事も多いので、自分の住んでいる近所の話をする時は、「(私の住んでいる)多摩地区では・・・」と枕詞を付けて話すようにしていた。誰に何を忖度しているのか分からないが、「23区じゃないのに、東京って言っている」と思われるのもなんとなく嫌なので、一応そんな風に話すようにしていた。
ただ、先日「いつも多摩地区と言っているけれど、それって一体どこの事を指しているの?自分で勝手に名前をつけて呼んでいるの?」と言われてしまった。
ややショックを受けつつ「23区でない東京の事を多摩地区(多摩地域)と呼ぶ」と説明してみたものの、「名前があるんだ・・」と興味がなさそうな答えが返って来た。どうやら23区以外は固有名称も付けさせて貰えないらしかった。
そんな出来事があった後だったので、このガイドブックを本屋で見かけた時は非常に嬉しかった。
私が初めて購入した@地球の歩き方だ。