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韓国ドラマは好きでも史劇(時代劇)にあまり縁がなかったのだが、このドラマは17話という事が最初から分かっているので、気軽に見始め、その話の面白さにすっかり魅了され、若い二人、王になるべくして生まれたと覚悟するイ・サンや、女官として王になるであろうイ・サンに仕える事を自分の意志で決心するドクイムはの真っすぐさが非常にまぶしいなと思っていたのドラマの前半。
ただ、イ・サンの祖父である王の体調が悪くなっていくのと同時に、宮廷内は急に権力争いの駆け引きが更にあからさまになってくる。それと同時にイ・サンに仕える宮女として彼を守ろうとするドクイムと彼女を後宮にしようとするイ・サンの思いがすれ違ったりしていくのだ。彼の後宮になって彼を支えようとする事はイコール権力の争いに身を投じるという事。権力争いの中で時に冷酷な判断を下す彼の姿を見て、その場に身を置く事を避けようとするドクイムと、彼女を自らのそばに置くことで彼女を守ろうとするイ・サン。権力争いの渦中に入って彼女の身が危なくなる位なら、後宮にしない方がいいのだが、自分が守ると選択したイ・サン。そして最後の最後に後宮になることを承諾するドクイム。
宮女になるとちやほやされるけれども、その実そうでもないと、自分の人生を自ら選ぶ自由がないことを話していたドクイム達。ドラマの前半は、そんな自由が制限される生活の中でも若々しく過ごす彼女たちの快活さや、若いイ・サンの様子を楽しく見ていたが、王の座に就く事が現実的になって来た後半は権力争いと疑心暗鬼になる場面も多く、一挙に切ないモードに切り替わる。前半は爽やかなツンデレを感じさせてイ・サンを演じていたジュノは、後半では苦悩するなかで自分を律する王としてのツンデレを感じさせる。私は彼の事を勝手にツンデレ演技の第一人者だと思っているので、心の中で小さくその演技を応援しつつ、切ない後半に少し涙する・・・