私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

キュレーターの殺人

2022-10-12 21:25:49 | たまに読んだ本

イギリスのカンブリアを舞台にしたワシントン・ポーシリーズの第3弾。

クリスマスに切断された人間の指が発見されるという事件が起きる。

捜査を進めるうちに、見えない誰かにコントロールされている事件らしい事がが分かってくるのだが、誰がなんのためにそんな事をコントロールしようとしているのか全貌はなかなか見えない。
しかし、少しのきっかけとブラッドショーの情報検証等からゴールと思われる物が見えてくるのだが、それが最後のゴールでなかった事に大きな衝撃を受ける展開が待ち受けているのだ。

使われるテクニックはテクノロジーを駆使し、人間の心理をコントロールしようとする大がかりなものだが、根底に流れるのは犯人の自己中心的な思いと尽きる事のない執念深さだ。その思いに恐れおののく。しかしただ恐ろしいだけではない。その事件を追いかけるポーやブラッドショーの人間関係の成熟度合が加わってストーリーに彩りを与えている。

パートナーのブラッドショーとは、二人のちょっとした会話からも、更に強固になり唯一無二の絆になっている事が感じられるし、二人の上司であるフリンがパートナーとの間に新しい命を授かった事に関しても、二人で彼女をサポートしようとするチーム愛が感じられる。
人間関係の変遷や、会話のやり取りから感じられる温かみがシリーズ物を読み続ける醍醐味だろう。

ブラッドショーとフリンを守るために、二人への友情を大事に思うポーの取る究極の行動と決断に、彼の覚悟の大きさが伝わってくる。

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前作を読んだ際、「カンブリア」という場所と「ブラッドショーのキャラクター」に頼りすぎでは・・・と失礼な感想を書いてしまったのだが、今回の謎解きはかなりパワフルな物だった。そして改めてカンブリアが大事な作品の一部分だという事を改めて実感・・・

 

 



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