大学でジュニに近づこうとするヨンジュンの青年らしい若々しさや大学生らしいエピソードの数々に捻じれたタイムスリップドラマということを一瞬忘れてしまいそうになるが、タイムスリップドラマには数々の困難が付き物だ。
このまま幸せが続くかと思ったら、ジュニを追いかけてニューヨークに旅立とうとしたヨンジュン(実はシホン)の前に現れたのは2002年のバスの事故で脚に怪我を負ったシホン。
このドラマの凄い所は、通常のタイムスリップドラマの概念を全く無視した展開に果敢に切り込んでいく所だ。タイムスリップ物では普通同じ人物と出会ってしまったり、過去や未来に行って予定外の行動を起こしたりして事実を変えてしまう事をタブーとしているはずなのに、ここでは、違う時空を生きていたはずのシホン二人が、同じ顔で同じ時間帯に一緒の場所にいるだけでなく、これからの人生を語り合う事までをやってのける。
更に、飛行機に乗ったら事故で亡くなるという事を踏まえて「違う飛行機に乗って、ジュニと幸せになれ」という別のシホンに、「飛行機事故で亡くなるからこそ、1998年にやって来たジュニと出会う事が出来たんだ」と言い、運命に翻弄されるのではなく、自分で運命をつかみ取ろうとする意志を見せて飛行機に乗り込むのだ。どこが始まりでどこが終わりかなんだか全然分からない展開だが、杖を使って歩くシホンに、ジュニの元に行くチャンスを与える別のシホン・・・・
ここまででも、もう誰が誰だか分からない状況になっているのに、ここにミンジュを殺した犯人が登場してくるのだ。ジュニとミンジュの違いをはっきりと区別できるその犯人は、おとなしく従順なミンジュを自分の物にしようとして彼女を襲ったらしいのだが、その彼もタイムスリップしている事で更に話は複雑になる。
その彼が2023年に杖を使って歩くシホンを殺害。ジュニは全ての始まりと思われるミンジュ殺害を止めるべく1998年に向かおうとするのだが、それにも何かタイムスリップの謎がある様子。
もう誰が1998年の人物なのか、誰が本当のジュニでシホンなのか・・・・