11月20日に公開された「ヒドゥンフェイス 」に関連したインタビュー記事。
自分が演じた指揮者役ソンジンを「初めてシナリオを読んだ際には会いたくもない奴だと思ったが、演じているうちに段々と気持ちが分かるようになった」と、男女の偶然の出会いから始まる(メロドラマ)のようなストーリーが、ラストで衝撃的な終わり方をする事に没入する事が出来たと語り、この映画で重要なポイントになるベットシーンは、監督が細かく演技をつけた事を語っている。
ラストの衝撃的な終わり方を更に印象的にするあのシーンを「雰囲気だけ語って、あとは演じる俳優にお任せ」という演出をせずに、監督と助監督が丁寧に演出をつけたという話は、とても納得できるくだりだった。ああいうシーンこそ、緻密な演出があってこそ観客が観るに値するものが出来上がるのだろう。あのシーンがただ単純に欲望の赴くままという内容のものではないことが最後の衝撃的な展開に繋がっていくのだから、監督の細かい演技プランがあってしかるべきだろう。ちょっとでも演者の個人的ななにかを感じさせるものがあったら、観ている方も恥ずかしくて見ていられないのだから。
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『初めてシナリオを読んだ際には会いたくもない奴だと思った』と語っているスンホンの言葉に妙に納得する。私も初めて見た時には、共感出来る登場人物が誰もいないことに非常に戸惑ったりしたのだが、2回目の際には、共感などと言う言葉は忘れて、そのストーリーそのものを楽しむ事に集中した事で1度目よりも逆に面白く見る事が出来た。やはりこの映画は誰かに共感を感じて見続けるタイプのストーリーではないのだ。