暗闇に白く浮き上がる小田原城は、当主の指示の元で暗躍する昔の忍びの姿を連想させ、昼間穏やかな中で観光地として人が集まる小田原城は、現代で忍びが活動するにはかなり制約があるであろう事を連想させる。
ドラマの中、要所要所で映し出される小田原城の存在が、忍びと現代を結ぶキーワードのように感じられる。
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権力の駒となり細々と忍びとして存在する俵家と、使えるべき当主を持たず自らの意志で行動する道を選んだ風魔一族。自然の中に存在する太陽と月を俵家と風魔一族に見立てて対比させ、その存在意義に目を向けさせる。スパイVSスパイとは一線を画した対立構図だ。
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風魔一族の長とカルト集団のリーダーという二面性を巧みに使い分ける山田孝之も凄いが、昼の姿と忍びの姿の使い分けに苦悩する賀来賢人演じる忍びの言動、行動の数々は、スタイリッシュなアクションとともに言葉少なに描かれる。戦いの手法はどれもクラシカルなもののはずなのに、その動きの一つ一つが吟味されていることも分かる。
最近は、チキンを食べたり、洗濯をする賀来賢人の姿しか思い浮かばなかったのだが、その姿が世を忍ぶ仮の姿だった事が良く分かった。
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Netflixで8話分、一遍に観る事が出来る為、3日程で全部見終わる。