パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

苦手な演奏(音色?)

2020年01月04日 18時29分45秒 | 音楽

音楽で感じたことを人に伝えるのは難しい
料理の味を伝えるのと同じで、いくら想像力を刺する表現でも
現実には食べてみないことにはわからない
以下のことが果たして他人に伝わるか(自分の中ではとても重要なことだが)

2日に購入した中古レコードを早速聴いてみた
まずはアシュケナージの弾くモーツァルトのピアノ・ソナタ17番とロンドイ短調
音が出るやいなや、「やっぱりな、、」という思うが頭に浮かんだ
アシュケナージはこういう音だ、鋼鉄の弦を叩いているようなよく響く音
ロシアのピアニズムの音と勝手に思っている音で、どちらかと言えば好みではない
A面を聴いたあとB目のK310のソナタを聴くのは気が乗らず止めてしまった
予想できたことで仕方ない

ピアノ絡みで次にバックハウスのベートーヴェンの11.12.15番のピアノ・ソナタを聴いた
「やっぱり、この音の方が好き」
音が聴こえるやいなや実感したのはこのことだった
余裕綽々でバリバリ弾いている感じ、妙な感情移入はないが肝心なところはきっちり把握してるような印象で
粒だった音は和音でもひつつひとつの音が聴こえるかのよう
これはAB面聴くこととなった
この中で「田園」と名付けられた15番のピアノ・ソナタの第2楽章は印象的な音楽で
ちょっとシューベルトを想像させるようなところがある
この曲は今まではグルダを聴いていたが、聴き比べるとものすごく印象が違うのに驚いた
今回のバックハウスは真面目一本で背筋を伸ばして聴くことを要求するようで
構造的なところに気を配っているようなイメージ
一方今まで聴いてきたグルダの方はウィーンの街の音楽のイメージ
音楽表現はいろいろあるものだ、、と実感
バックハウスもいいけどこの曲はグルダのほうが好きかも

その後で聴いたのがベーム指揮ウィーンフィルのヴァーグナーの管弦楽曲
最初にマイスタージンガーの第一幕の前奏曲を聴いた
オーケストラがベルリン・フィルではなくてウィーンフィルなので少々輝かしい音の演奏と
予想していたが、針が降りるやいなや想像したものよりも数段輝かしい音が耳に入った
「やっぱりベームとは相性が良くない」
予想通りとは言え少しがっかり
自分には金管の音がバランス的に表に出過ぎの印象

それにしても、不思議だ
明らかに苦手な演奏家は存在する
指揮ではベーム、アーノンクール、ピアノではアシュケナージ、マレイ・ペライア
の演奏はどこか居心地が悪くなってしまう

依然として何故そうなのかはわからないが
そういう事実があるということは、益々身にしみて感じるのだった

コメント
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