パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

テンプル騎士団(最後は金融機関となっていった)

2020年01月15日 15時17分21秒 | 

ヨーロッパ人と他の地域の人間と大きく違うのは 「テンプル騎士団」と「マグダラのマリア」の認識(知識量)かもしれない
それらはヨーロッパ人には当たり前の出来事や事実で 日本人にとっては新選組とか持統天皇が当てはまりそう(?)
テンプル騎士団は「フーコーの振り子」とか「レンヌ・ル・シャトーの謎」「ダ・ヴィンチ・コード」 などの本に出てきて
名前だけは頭に入っていたが、どのような団体なのかはわからずにいた
ただなんとなく、胡散臭そうな団体のイメージがあった

昨年末書店で目にしたのがこの「テンプル騎士団」

とりあえずじっくり基本から!と読み始めた
だが、この本はとても難しかった
難しい本というのは文体とか内容が慣れていない場合にそう感じるが
事実の羅列が多い場合にも難しいと感じてしまう
この本ではテンプル騎士団のメンバーの名前がいくつでも出てくる
何代目の総長とか十字軍として出かけた時の敵の名前だとか
正直言って手に負えないほどだった

そこで、名前はほとんど飛ばして読んだ
それでも大きな歴史と肝心なところはなんとなく理解できた

テンプル騎士団は十字軍の守りとして有志がつくった団体に過ぎなかったが
時を経るにつけ、土地を与えられ税金の免除を受け、主要道路に支部を置くようになり
各地で遠征に必要なものを調達できたり、街道の安全警備をしたり、お金を扱うようになり
ほとんど銀行のような役割を持つようになり、王朝にすらお金の工面を依頼されるようななった

この流れは、人間社会では当然そうなるだろうな、、と容易に想像できる
最終的に「金融」を扱うようになるのはメディチ家もロスチャイルド家も
似たようなもので、このどこにでも動きやすいお金はレーニンが「帝国主義論」で
決済の役割に過ぎなかった銀行が、現実には大きな力を持つようになるとする言い分を
思い起こさせる

13日の金曜日が不吉な日とされるのは、キリストが磔にされた日だけでなく
テンプル騎士団のメンバーが一斉に逮捕され、悲惨な結末を迎えることになったことも
その理由にあるらしい

ただこのテンプル騎士団は最終的には金融を扱っていたので膨大なお金があったはず
というのが、世間の評判にもあった(豊臣・武田の埋蔵金みたいな話)
この本では紹介されなかったが、昔BBCの放送された「レンヌ・ル・シャトーの謎」における
ソニエール神父の突然の浪費の原資はここにあるとの説も検討された

この本にはあまりにも膨大な人名と出来事が紹介され
ほとんど覚えきれなかったが、とにかく実感したことは
人間の組織は最後には金融に行き着くという事実

農協の収入源は金融であったり、楽天もソフトバンクも金融に力を入れたり
江戸時代の越後屋(三越)は三井銀行の傘下になったり、、、
その意味では貨幣が世界を仕切るようになる「欲望の資本主義」(NHKの番組)の
ひとつの現実を実感する

ところで、「ダ・ヴィンチ・コード」の元になった「レンヌ・ル・シャトーの謎」には
テンプル騎士団だけでなく、マグダラのマリアもそれなりに扱われていたと記憶している
ということで、現在は「マグダラのマリア」を読書中

※レンヌ・ル・シャトーの謎はこちらにアップされています→レンヌ・ル・シャトーの宝

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする