パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

映画「CATS」を見に行った

2020年01月25日 15時49分08秒 | 見てきた、聴いてきた(展示会・映画と音楽)

映画館の入り口でこのようなカードが手渡された

シニア料金を使わなくてもファーストショーだから安くなっていた
「CATS」はミュージカルを見るきっかけになった作品だ
正確にはアンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲した音楽を聴きに行くきっかけとなった
と表現するほうが良いかもしれない
(このあとオペラ座の怪人、ジーザス・クライスト・スーパースター、エヴィータ、スターライトエクスプレスを体験した)
30年以上も前、偶然チケットが手に入りそれほど期待せずに入ったが
帰る頃にはその音楽に、声の迫力に圧倒されていた
今覚えているのは、一部の終わりで歌われた「メモリー」にとても心揺さぶられて
つい「メモリー」の楽譜を購入してしまったことだ
そして、蝶々夫人のある晴れた日に!に似てるな、、と思ったりした

他に覚えているのはコートを羽織ったグリザベラが出てきた時
(このときは志村幸美さんが演じていた)照明のせいかそれとも
彼女のオーラの為せるわざなのか、その存在感が普通の人と違う
と感じたものだった
だから一匹だけ選ばれて天井に昇るのがグリザベラになったのは
なんの違和感も感じなかった

劇団四季の「CATS」はこのあと数年後もう一度見た
その時は猫の動きの柔らかさを演じていたのが印象に残っている
でも自分の興味はやはり音楽で、その間にCDを購入して音楽を聴き込んだ
このミュージカルのお気に入りの音楽は「メモリー」は当然のこと
太ったおばさん猫の歌う「ジュニエニドッツ」(のんびりと活発な対比が効果的)
おおらかな旋律が人格者を思わせる「オールドデュトロノミー」(コーラスとの掛け合いが良い)
それとグリザベラが娼婦と歌われるシーンでのピアノを主体とした伴奏で
実のところ、ストーリーはほとんど覚えていない

もっとも、このミュージカルはもともとストーリーは無いに等しいかもしれない
コンセプトアルバムと言うよりヒット曲集のアルバムのようで
それぞれの猫が特別な運命を得るためにパフォーマンスを披露する
だから変に物語を追わずに済んで音楽だけに集中できる

ところが今回の映画は物語になっていた
雌の猫(ヴィクトリア)が袋詰にされて捨て去られたが、近くの猫が
袋を解いて彼女は自由になる
そこで彼女は「天上まで行ける特別な猫」を選ぶ大会のようなものの目撃者となる
彼女はいろんな猫に出会い、いろんな経験をする

そこでこの映画に対する不満を覚えてしまった
映画がヴィクトリアの一種成長の物語風に、あまりにもわかりやすい筋書きとなっていたこと
悪漢のマキャヴィティを勧善懲悪ぽく、みんなでやっつけたこと
それらは、舞台はこんな話だったかな、、、と違和感を覚えた

この台本はエリオットの詩が元になっているらしい
だから、ところどころ歌の中にチクリと刺さる部分もあった
だったら余計なことをしないで、このミュージカルを見てどう考えるかは
見た人に任せるほうが良いのではないのか
あまりにも親切に説明しすぎるのは、、どうもな、、
想像する楽しみは残しておいてほしいな、、
そんな不満が湧いてきた

この映画はイギリス・アメリカでは批判も結構あるようだ
どの部分がそれに当たるかはわからないが、
自分はあまりにもわかりやすくしてしまったことが気に入らなかったな

でも「メモリー」はホントいい曲だ

コメント
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