パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

パレートの法則

2020年01月27日 09時22分19秒 | 住民投票・市庁舎・リコール・市政

パレートの法則という経験則がある
いろんな場合に応用できるようだが、ビジネスにおいては
「売上の8割は全顧客の2割が生み出している」として用いられる
飛行機利用者、クラシック音楽の客などを想像すると
これは「そんなものだろうな!」と自分でも思う

新城市では新東名高速道路を利用した新城・長久手の直行バスを
市のお金を使って走らせている
これは今のところ3年と少しの間の実証実験という形で行われていて
今年の3月がその実証実験の終りとなる

年間目標利用者は45,000人としているが
現実は29年度 13,061人 30年度13,113人
となっており目標に遠く及ばない
一便あたりバスの利用者は7人前後で、市民の間では
「空気を運んでいる」と評判が悪い
この高速バス事業の費用は
29年度36,881,999円  30年度36,459,051円
となっており、一般財源と基金から充当している

この結果を踏まえてバスの運行を続けるべきか、やめるべきかを
検討すべき時になってきている
利用者にはもちろん継続してほしいとの声がある
ところが、この事業のコストパフォーマンスの悪さに即廃止すべき
この費用は、福祉や教育に使うべきだとの声もある

実証実験期間と言いながら市側は十分な検証をしていなかったことは
現場の人間が認めている(PDCAチェックもその他の検証も)
そこで昨年末、急遽利用者アンケート(調査)を行った
そこには、新城にバスで来た方がどのくらいお金を使うか
と言った項目もあるとのことだ

そこで冒頭のパレートの法則に話に戻るが
このバスの利用者は(ヘビーユーザーは)どういった人たちなのだろうか
と想像してみる(実際に聞いてみた)
2005年に作手、新城、鳳来の自治体が合併して現在の新城市となっているが
バスの利用者は、かつてのどの地区の方々の利用が多いかをまずは想像してみる

作手はバスの停留所まで来るのが大変だし、発着時間が限定されているバスの利用は
現実的でないと思われる
バスの利用者がヘビーユーザーで名古屋まで通勤・通学をしている人と仮定するならば
鳳来地区の方々は名古屋までの時間がかかりすぎて、そもそも通勤・通学を考えないのではないか
もし名古屋で働く、学ぶとするならば名古屋で家を借りる方が現実的と判断するのではないか
となると、現実には新城地区の人間がバスを利用しているのではないか、、と想像した

以前、新城から名古屋に通勤・通学をしている人が300人以上いると行政から聞いたことがあった
その時は通勤・通学の人たちはこの3つの地区のどこが多いかは調べていないとのことだったが
最近の調査では、やはり旧新城地区の人の利用が多いとのこと

ところがこの新城地区の方が名古屋に行く場合には、高速バスと競合するライバルの存在がある
それはJRで、旧新城地区の駅からでは、日帰りの名古屋往復は
普通の日は1680円、土日祝が2000円となっている
これは安くて本数も多くて使い勝手が良いのでよく利用する
一方高速バスは片道1000円 往復2000円 本数は3往復で朝昼夕方で
利用はある程度限定されてしまう
ただし、一旦バスの乗ると乗換なしに藤が丘・長久手まで行けるので
これは確かに便利と感じることはある

でも再びパレートの法則に戻って、このバスの利用者、収益の柱となる
ヘビーユーザーがそもそもそれほど多く存在したのか、、という疑問にぶち当たる
通勤通学している人が300人以上(400人未満)しかいない
しかも、この数字の人達には代替え交通機関(競争相手)が存在するのでは
最初からこの事業の採算的な面の勝ち目は無かったのではないか、、というのが
厳しいと言うより常識的な見方ではないだろうか

民間がやらないから行政が行う
そのようなことは現実には存在する
同じ交通でも市内を走るSバスがそうだ
このSバスも現実には赤字の垂れ流しに近い形になっている
でも年寄りが多く過疎が進む代替え交通機関がない地区には必要不可欠となっている
税金の使い方としては、これは仕方ない、、と思えてしまうが
この高速バスは「そこまで費用を使って継続する価値があるか?」については
どうしても自分自身を納得させることができない

物事は、特に行政は走り始めたら何が何でも(屁理屈を付けても)事業を継続する
継続してるうちに、そこでの問題は忘れ去られて継続が当たり前のようになっていく
だから肝心なのは一番最初の決定に関わることとなるのだが
市職員も議決をした議員さんも現実的なパレートの法則を少しは考えてみたのだろうか

 

コメント
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