本来なら現場で観て聴いているはずだったびわ湖ホールの「神々の黄昏」
コロナウィルスの対策のために無観客で上演し、無料でインターネット配信
することになった(ライブ配信)
昨日は野暮用があって最後は観られなかったが、今日はパソコンに向かって
気合を入れて観た(聴いた)
終わった後、思わず画面に向かって拍手してしまった
日本語訳は画面に出てこなかったが、その分音楽とか背景とか動作に
集中できて退屈することなどなかった
(大枠のあらすじは知っているのもあるが)
それにしても舞台がとてもきれいだったこと
自分の好きな青(しかし明るい青ではなく深い青)を主体とした舞台で
一幕のノルンの登場は満天の星を背景にしてとても幻想的
ジークフリートがラインの旅をする時はライン河を想像させる波が登場する
幻想的なシーンはジークフリートの葬送行進曲の野辺の送りの場面
アップルコンピュータの壁絵に使われるような情感に満ちた小さな丘を
多くの人間のシルエットが棺を担いで左から右へ動いていく
水面には月が反射している
その野辺の送りを一人遠く見つめている人間がいる
それは多分、ジークフリートの弱点の背中をさしたハーゲン
最近のオペラは読み替え、新規解釈が多くて、それはおせっかいで
少しばかりうんざりしているが、この「神々の黄昏」はオーソドックスな
真正面からの真剣勝負
そしてその照明、プロジェクション・マッピング(?)のきれいなこと
本当にこういうのが観たかった、聴きたかったと今でも悔しく思う
この演出でもう一度、どこでも良いから(東京でも名古屋でも)やってくれないかな
そしてこの演出のシリーズでパルジファルもやってほしい
いつもは音楽が気になるが、今回は舞台が気になって仕方なかった
こんなのは初めてだ(本当に幻想的で美しかった)
ホント、何度も繰り返すが、生で観たかった、、、