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予算決算委員会予備日(新城市議会)

2020年03月17日 18時06分39秒 | 市政、市議会に関することなど

新城市の話題で昨日の続き

いつもなら一日で終了する新城市議会の予算決算委員会
市議会のHPよれば議会スケジュールは念のため予備日を設けている
ところが今回は予備日の時間の追加どころか、もしかしたら
時間が足りなくなるのではないか、、と思わせるだけの質疑が行われた

今日(3月17日)の出来事は、後に議会の広報誌で結果だけは報告されるかもしれないが
それ以外にとても重要な出来事があったので、多少なりとも新城市政に
関心のあるものの責任として、一次資料、あるいは備忘録としてアップする

予算決算委員会の一番の大きな役割は、予算決算委員会に付託された
第18号議案の令和2年度の一般会計予算の議決だ
この予算の中には以前から取り上げているように新東名高速道路を使った
名古屋新城直行バス「山の湊号」の予算が含まれている

予算決算委員のシステムは、令和2年度の予算は一括して賛成か反対かの判断が要求される
例えば予算案の中に賛成できないものが一つ入っていて、他は賛成できるとしても
常に求められるのはトータルな判断で全体についてイエスかノーかだけだ
しかし、それでは市民間にいろんな意見があるのもかかわらず
単純に丁半を決めるのはあまりにも強引過ぎる、、というので
議会にはこうした時のために議会運営上のいろんなテクニック(手段)がある

その一つが修正案という方法がある(議員でもないし、議会運営の知識もないので間違っているかもしれないが)
普通は修正案というものは、予算案が否決された場合、行政が急遽作成するものらしい(?)が
今回は議決前に議員(山口議員)が作成した修正案を動議(議員提案?)として提出された
その内容は、大雑把に言えば税金の使い方として市民間に疑問の声が大きい高速バス「山の湊号」
についての項目は外した状態で予算を出すべきで、外された金額については一時的に基金に収める
といった方法をとって、全体予算を考えたらどうか、、というもの(あってるか自信はないが)

手元にはなにもないので想像するしか無いが、この修正案はかなり面倒くさいものだったようだ
まずは予算計上の書式があって、それに沿って書かれていなくてはならない
修正箇所が一箇所あると、それに連動してその他の部分もいろいろ変わってくる
その一つ一つに目を配らなければならないし、説明の用語も変えなくてはならない
その結果、一部を修正するだけで数ページに渡る書類を提出しなければならないことになる

議員が提出した修正案については、申請者が作成した資料を議員全員に配布されたのち
申請者の趣旨説明や彼に対する質疑が行われた
予算決算委員会は市の各部署の部長クラスの方々が出席して、質疑に答えるようになっているが
この時、市の要職の方々は役割が終わったにもかかわらず、席を離れることなく
議員さん同士の話(議論)を聞く羽目になった

山口議員の修正案は、市民間にも関心の大きなこの件については、
慎重な討論がされるべきであるのに、その基本となる情報が行政からは真面目に答えられていない
しかも、判断の可否を決める要素のマーケティング会社からの報告は
議決(19日)が終了した後の25日になっているなど、議会軽視の傾向が見られるので
ここは一旦じっくりと熟慮のための時間をとったほうが良いというもの

壇上に立つ山口議員に、彼と向かい合って座る議員が質疑をしている姿は、
まるで一般質問で議員が行政の方々に質問しているかのような光景で少し奇妙な気がした

質疑は修正案に賛成のニュアンスで、山田議員、丸山議員、浅尾議員が思いの丈を述べた
その内容は圧倒的な不採算性について、次に市民は具体的に行動を起こしていることについて
その他にも行政は継続希望ならばもっと早い時点で報告をすべきだったし、議会の質問に対しても
真摯に答えるべきだった、、などなど

一方、否定的なニュアンスでは「経営的な考えを入れて」予算組をするというのは
全部が全部黒字でなければならない、、ということではなくて、大きな企業は
赤字部門もあっても経営的に考える、、ということもありうるのではないか、、
といった意見もあった

他には修正案に用いられている用語が「高速バス運賃」ではなく
「高速バス事業」のほうが良いのではないか、、との指摘があった

もうひとり質疑した議員がいたが、内容がよくわからなかった

質疑が終わると、次は討論になった
議員同士が議員の出した案について議決をするこの光景を見ていて
急に頭に浮かんだことがあった
それはただただ議員たちの討論を聞いているだけの羽目になった
市の幹部職員たちは、これをどの様に感じているだろうか、、、ということ

正直なところ高速バスについては、市の職員は議員から徹底的に追求されている
それに追い打ちをかけるような修正案の提案
普通に考えると仲間意識のある職員さんたちは、議論の内容のいかんを問わず
自分たち(の仲間)を追求した議員を好ましく思わない可能性がある
しかし、行政は自分の部門はしっかり詳しいいが、他の部門はまるっきりわからない
ということがあるので、今回の様に大ごとになったことで初めて今起きていることが
理解できたということもありうる

今回の修正案で実は一番大きな影響は、実はこのことではなかったではないか
議員が面相臭い書類を作り、裏付けとなるデータと共に筋道が通った討論を続けている
そして各人が責任感をもった姿勢を見せつけている
仮に議員の進歩があると言うなら、今回は進歩が歴然と現れた出来事と思える
この様子を見て、市の幹部職員はこれからは少しは覚悟して議員と対峙しないとマズイ
と思ったのではないか(希望的意見)

質疑が終わって修正案に対する賛成・反対の討論が行われた
この質疑・討論になにも参加しない議員は数人いたが、彼らは何を考えているか
外からは何もわからなかった

修正案に対する議決が行われた
賛成は山口、浅尾、澤田、山田、滝川、丸山議員の6名
結局は賛成少数で否決されることとなった

議決は個々が純粋に合理的な理由で判断するとは限らない
むしろ人間的な、不合理な感情の入り混じったものが大きな意味をもつ
実は修正案に反対した人のうち何人かには共通していることがある
その共通点とは、、、現在進行している裁判に関すること
現在、議員の数名が(実質的に)被告となって訴えられている

この賛成反対の結果が、裁判と関係しているかいないかは
現実にはわからない
ただ訴えられている方々はみんな反対をしている、、
という事実は歴然と存在する

議員の存在理由である議決権
市民から依頼(付託された)行為は、その判断理由を自分の説得力のある言葉で
説明できて、初めて信用されるようになると思う

今回の結果は、予想していたとおりになったので驚きはなかったが
でも本当にそれでいいのだろうか、、と思ったりする
特に何も言わなかった人たちは、、、

コメント
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