本を読むのが速い方ではない
だが図書館から借りてきたこの二冊は一気に読んでしまった
一冊目は再読となる「原発ホワイトアウト」
そしてもう一冊は続編の「東京ブラックアウト」
どちらも現役の官僚さんが覆面作家の形で出したもので発刊当時は
そのあまりにも生々しい内部告発のような内容に省内で犯人探しが行われたとか
これらの本を手にしたのは現在の関西電力の時代劇を思わせるような金銭授受の
ニュースが世間を騒がせているからで、テレビ画面を見ていて
「何かこのうような話があったぞ」と思いだして図書館まで出かけたのだった
フィクションの形をとっているが、登場人物は名前が少し変えてあるだけなので
誰のことかすぐに分かる
そしてその内容は内側の人間しか知りえないお金に関するシステムや官僚文学のテクニック
洗脳、邪魔者を潰す方法、官僚さんの心に潜む野心、そしてこの手におえきれない怪物にたいして
誰も責任をとらない姿が、恐怖感を感じさせるような筆致で表現されている
原発推進のためのお金のことや、避難方法が確立された上での安全宣言とすべきなところを
曖昧なままで対策は充分としたり、事故が起きてしまったら許容値を勝手に(解釈して)引き上げたり
つまりは現在行われていることが、特に二冊目の「東京ブラックアウト」には書かれている
どちらかといえば一冊目のほうが読み物としては読みやすい
これらがすべて真実とは言えないだろうが、このようなことがあるかもしれない
と心の中にとどめおくのは必要なことと思われる
原発も怖いけど、一番怖いのは「人」なのかもしれない、、と思ったりする