ずっと疑問だった
あの賢い土方歳三は、何故沈没寸前の幕府から逃げ出さなかったのか?
近藤や井上、藤堂が亡くなって、今更一人だけ逃げるわけにはいかないとか
よく言われる最後の武士とかの扱いでの解釈では
自分の心にはしっくり来ないし、なんだか違っている様な気がしていた
最後の歌
「たとひ身は蝦夷の島根に朽ちるとも魂は東の君やまもらん」
これも自分的には本人の作ではない様な気がしてならない
(別人の作の可能性もあるらしい)
かれが準じたのは幕府とか武士道ではなく
自分の生き様そのもののような気がする
彼は何をもって美しいとか喜びを感じたか?
それは効率的な秩序だったシステム、
感情と言う不確かなものに基づかない組織運営
それらが機能として働いた時彼は喜びを感じたのではないか?
新撰組の時、彼は全ては合理的精神で何とかなると思っていた
しかし、それだけでは物事は進んでいかなかった
そして、戊辰戦争時には本来の俳句を嗜むキャラクターに戻り
合理的精神をベースに感情の伴った一人の男として
生きていったような気がする
だから逃げなかったのは、自分の運命を受け入れ
その中でできる事をしようとしたに過ぎなかった
それだけの事のような気がする
自分も彼の生き様に照らし合わせてみる
沈没しそうな組織の中で、自分もできるだけ最善の努力はしたつもり
しかし、五稜郭で彼が戦死した様に
自分も環境を変える決心をした
自分は心の中で、今まではずっと土方歳三を追っかけていたような気がする
彼の気持ちを考えてみたりして
自分は一度五稜郭まで行ってみようと思う
そこに行って始めて土方歳三を卒業できる気がする
なぜなら彼はそこで人生を終えてしまったが
自分は少なくとも生きている限り
それからの世界と闘う事ができる
それがどんな世界であれ、彼が経験できなかった
その後の世界を自分は体験できる
それはそれで凄い事だと思う
願わくば、明石家さんまが言う様に
「生きてるだけで丸儲け!」
と感じられたら良いのだけれど!