地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

関西ぶらり鉄2019春 (2) 奈良線103系

2019-03-26 15:34:00 | 国鉄型車両


 播但線と加古川線のN40化編成を除けば、ついに現役編成の残りは僅か3編成となってしまった103系……。昭和の終焉から約30年を経たいま、この余りにも偉大な昭和の電車が、改元を待たずしてここまで減ってしまったのは当然と見るべきか、それとも「良くぞ残った!奇跡!神!」と見るかは、人の主観によりけりというものでしょう。もちろん私は後者に属するものですが、最早奈良線での残りが2編成で、しかも当然のように予備に近い存在となった以上、遠来の客がすぐに捕まえるのはもう諦めた方が良いと悟らざるを得ないのもまた確かです。というわけで、先日の京都出張ついで鉄では、この日までは日中ならば確実に105系が来る桜井線でちょこっと撮ることにしまして、京都から奈良までは205系で始めて乗り通すのを楽しめば良いや、と割り切っていました。



 ところが何と!普通奈良行きの発車までは十分時間があると余裕ブッこいて、地上の奈良線頭端式ホームに向かいますと、目の前には城陽行きの103系がちょうどドアを閉めて発車する光景が展開していました。ポカーン……やられた。こういうことって稀にあるから油断してはイカンのだ……。
 とは言え冷静になって考えてもみれば、城陽での折り返しには十分な時間が取られており、みやこ路快速で城陽に着けば反対側には発車待ちの103系が停車中で、宇治で追い抜いた普通奈良行きが城陽に到着するのを待って発車することから、その間の3~4版ほどが103系撮影会となるではありませんか。全く以て、単線サマサマというやつですな……。
というわけで、狙い通りに城陽にて、逆光ながらも一瞬の個人撮影会を楽しみ、心の中で「103系最高~~!グロベン田の字窓最高~~!」と叫んだのでした。
 果たして今後、このような機会はあとどのくらいあるのでしょうか……?
 ちなみに、奈良線の複線化工事は、用地を確保出来たところから始まっていました。

関西ぶらり鉄2019春 (1) おおさか東線201

2019-03-18 00:35:00 | 国鉄型車両


 かねてから進められてきた大阪・城東貨物線の旅客共用化は、去る16日のダイヤ改正によるおおさか東線の新大阪全通によって完成をみたことになります。そして、ちょうどたまたま16日は関西出張の翌日となりましたので、朝から昼間にかけては殺到するヲタを避けて別の所を巡り歩き、最後に新幹線で相州の自宅に戻る前に、おおさか東線の放出~新大阪間を初体験してみることにしました。
 まずは河内永和にて近鉄から乗り換えてみると、車内は適度に立ち客もいるような感じで、おおさか環状線が便利な外郭路線として定着してきたという印象を得たのですが、その混み具合は3分停車した放出からも変わることはなく、さっそく阪急淡路や新大阪へと出ようとする人々に積極的に利用されておりました。途中、高架から眺める大阪北東の街並みは、何とも昭和な夕暮れの風景を醸し出しており、赤川鉄橋を渡る際の暮色は、それはそれはもう一幅の絵のよう……。



 というわけで、環状線内の大混雑する乗換駅を避けつつ、大阪から放射状に伸びる各線を結ぶルートとして、利用価値は極めて高いと思われるおおさか東線。現在のところ、部分開業時のダイヤを踏襲して (?) 普通電車が朝夕も含めて15分間隔という、何ともケチ臭い体制で運行されていますが、例えば昔は超ガラガラ、または運転間隔が超散漫だった環状路線の都営大江戸線や武蔵野線が今や大混雑・本数増加という出世ぶりですから、おおさか東線も絶対に輸送力が不足するようになることでしょう。201系の6連がもっと頻繁に行き交うことによって、おおさか東線が国鉄型電車の時代を締めくくる最後のパラダイスの一つとなることを念願してやみません。
 いっぽう、新大阪ではちょうど直通快速が発車する直前のシーンを眺めましたが (概ね普通は2番線、直通快速は1番線から発車するという印象です)、普通の方が全然混んでおり、直通快速は空席もあり……という、何やら勿体ない現象 (?) が発生していました。まぁ、新大阪から久宝寺以遠まで行く客は限られ、大阪駅から大和路快速に乗る方が本数も多くて便利ということなのかも知れません。

夕暮れ色の中を爆走する武蔵野線205系

2019-02-26 00:00:00 | 国鉄型車両


 これまで事業者限定鉄コレは民鉄モノばかりで、国鉄・JRは距離を置いているようなところがありましたが、それがついに打ち破られ、本日からJREの駅ナカコンビニNew Days において、JRE管内の電車先頭車コレクションがブラインド方式で発売されるとのことです。しかし正直……本当に「うっ、マジ?これ欲しい」と思えるのは、長野のスカ色クモユニと新潟の湘南色クモヤだけで、他は全て先頭クハ1両ということでは編成にならないのではないかと……。完全に、先頭車を飾って楽しむだけのコレクション・トイと割り切るしかないのでしょう。しかしそれにしても、山手線田の字205系クハや701系の盛岡色クハが、このように中途半端なかたちでリリースされてしまいますと、山手線にしても盛岡にしても、編成で鉄コレ化してくれ!と思っている多くのヲタは、少なくともさらに数年待たされることになることを考えるにつけ、やっぱり最初から編成で出して頂きたいものですが……。先頭車をお子様にバラまいて将来の鉄模ヲタを増やしたいという目論見なのでしょうが、果たして当たるのか? (そんなお子様にとってはそれこそ「クモユニ?クモヤ?何それ?」でしょうし)。



 それはさておき、こうしてJREが事業者限定鉄コレ化してしまうほど、205系はJRE管内において過去の車両となりつつあり、最後の牙城のひとつである武蔵野線においても結構209系が増えたな……という印象を抱いております。とはいえ、まだそれなりに205系が来るのも事実です。そんな折も折、先日ちょっとした野暮用で浦和近辺を訪れましたので、折角の機会だということで帰りは武蔵野線~府中本町~南武線経由で帰ることにしまして、サクッと一発連写したのち、VVVF+交流モーターといえどもブッ壊れそうな走行音で首都圏の外郭を飛ばしまくる205系を大いに満喫しました。今回鉄コレ化されたのは元山手車ではなくメルヘン顔ではありますが、こんな感じで撮って間もなく鉄コレのニュースも知ったものですので、これも何かの運命か、と思っております。もっとも、編成として揃えるのであれば、KATOからいずれメルヘン顔も出ることでしょうし、果たしてどちらが先にリリースするのでしょうか?
 一方の実車ですが、ジャカルタでは急行電車の廃止以来、最高速度は概ね80~90km/h台と思われ (70~80km/h台でダラダラ流すことが多い)、100km/hを超えることはまずない (もし超えるとしても滅多にお目にかかれない)……という印象です。今なら当たり前のように楽しめる凄絶な走りも、今後もっと209系に置き換えられれば遭遇の確率は下がりますし、完全にジャカルタに輸出された後は過去のものになるでしょう。ヲタが大して集まっていない今こそ、武蔵野線205系を楽しむ最後の旬なのです。
 

京都駅の神秘・新元号下でも走る?103系

2019-01-24 23:37:00 | 国鉄型車両


 平成が残り100日を切り、平成の約30年間を振り返る云々といった企画が至るところで流行っているようですが、昭和の終わりを控えて昭和の60年以上を振り返るといった発想は失礼千万・不敬の極みで深く憚られ、あり得なかったことを考えれば(まぁ当時、私は大学受験でそんなことを考える余裕はなかったのですが。苦笑)、御代の変わり目が崩御ではなく譲位というかたちで本当に良かったなぁ……と思うものです。
 とはいえ、鉄道という観点から平成を振り返るとすれば……残念ながら全体としては決して楽しい時代ではなかったでしょう。もともとあるコスト削減の課題に加えて景気の悪さで、鉄道車両はどんどん安普請になりましたし、何と言っても昭和の良き列車やサービスが消え、良き車両が消え……。要するに、国鉄が消え、国鉄型車両が消え、鉄道への憧憬の大きな部分を成していた重厚長大への思慕が崩れていった、という時代であったかと思います。個人的偏見ですが。



 とりわけ、あれほど膨大な量の車両が走っていた103系が、30年少々の間に激減の一途をたどり、ついには105系化された車両を含めてJRWでごく僅かになりつつあるというのは、まさに平成30年間の時間の流れを痛感させるものがあります。したがって、とにかく減ったという現象だけを汲み上げてみれば、やっぱり平成という時代は哀しいの一言に尽きます。とはいえ、来たる5月1日に元号が改まったとき、播但・加古川はさておくとしても、果たして奈良・和田岬の103系や105系の4扉車が生き残っているのだろうか……と思うにつけ、何だかんだで「103系が走っていた時代=平成って良い時代だな」「冷静に考えてもみれば、新元号のもとでは103系は既にほぼ消滅し、あるいは消滅の危機ということではないか」ということが脳裏をよぎるのでありました。
 というわけで、昨年末に出張ついでで撮影した奈良線の103系@京都です。果たして来たる3月の改正で、奈良線における221系の運用が拡充され、ごく僅かに残る103系が弾き出されたりするのかどうか?と思うにつけ、出張ついでの僅かな時間における巡り合いに恵まれて本当に幸せなひとときでした。

謹賀新年 希望の光・103系

2019-01-01 00:00:00 | 国鉄型車両


 あけましておめでとうございます。世の中は今年改元、鉄道界は今年も激動、個人的にも仕事がますます目が回る……ということで、来年の今頃果たしてどのような心境でいるのかも見当がつきませんが、まずは健康であってこそ仕事もヲタ活動もこなせるというものでしょう。皆様の今年の鉄ヲタ活動がますます盛んなものであることを祈りつつ……今年も何卒宜しくお願い申し上げます。



 そんな新年に予想される一大転機は、平成が終わるのとほぼ軌を一にして、The昭和とも呼ぶべき103系が加古川・播但を除いて完全に消えることですが (和田岬はどうなるでしょうか?)、今は奈良線で僅かに残る編成に、京都出張の都度遭遇できることを期待したいところです。そう……103系のブタ鼻から放たれる光こそ、時代遅れの昭和野郎にとって希望の光なのであり、103系が放つ音こそ神の声なのですから!