地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

復活への道を歩む阿里山森林鉄路

2013-01-08 00:00:00 | 台湾の鉄道


 たまに生じた休みを使って東南アジアばかりノコノコ出掛けてしまうと、鉄分と美食と人情味で思い切りリフレッシュ出来る究極の地である台湾が縁遠くなってしまうというジレンマがありますが、まぁ台湾は数ヶ月先ながら出張する可能性が極めて高いですので (^O^)、少なくとも約5年御無沙汰という台湾分の枯渇ぶりに今年はピリオドを打つことが出来る……と今からワクワクしております。しかしその出張は台北オンリーですので、嗚呼……中南部をのんびりと歩きたい!台鉄のローカル線や旧山線、糖鉄や阿里山鉄路などを時間を気にせず巡りたい!という願望はなかなか叶いそうにはありません (滝汗)。



 それでも、否それだからこそ、阿里山森林鉄路のリハビリが進行し、昨年末には平地区間 (嘉義~竹崎) で営業運転が再開されたというニュースは嬉しいですね♪ これまで何度か台湾を一周しても、阿里山林鉄は時間の関係で省略し、何のかの言って8年前 (滝汗) にこんな感じで嘉義北門駅の模様を記録したのみで、その後民間への経営移譲→杜撰な経営と度重なる風水害による全面運休……という不幸な展開の中で「しまった……何故あのとき乗っておかなかったのか。もし今後永遠に運休→山頂の観光路線以外廃止という事態になったらどうするのか?!」と激しく後悔しておりました。しかし今や、行政院農業部 (日本の農林水産省に相当) 林務局の直営に戻って以来経営の立て直しが図られ、ついにこうして復活の烽火が上がったことで、「よっしゃ!是非乗って撮りたいではないか!」というファイトが湧こうというものです (笑)。もっとも、かつての営業運転時と比べたとき、究極の違いとして……大陸観光客の激増というイヤなハードルがあることは否めませんが (だからこそ早く乗っておくべきだったのだ!と -_-)。
 なお、林務局嘉義林区管理処の公式HPによりますと、竹崎までの運転は当面休日のみで、平日は嘉義~北門間の超!短距離で慣らし運転するのみ。まぁ遊園地のアトラクションのようなものということで……(^^;)。奮起胡までは既にリハビリが完成しており、2013年内の再開を期しているとのこと。肝心の阿里山全通はまだ開通時期の見込みは立たないとか。以下、時刻を簡単に記しておきますが、竹崎までの休日運転は客の出足に応じて加班・加車してくれると嬉しいなぁ……と。
【休日ダイヤ】

311・312次 
嘉義0900→北門0906/0910→竹崎0940/1030→北門1100/1104→嘉義1110
315・316次
嘉義1400→北門1406/1410→竹崎1440/1530→北門1600/1604→嘉義1610

※313・314次が加班スジとして既に用意されている?

【平日ダイヤ】

311・312次
嘉義0900→北門0906 北門1030→嘉義1036
315・316次
嘉義1400→北門1406 北門1530→嘉義1536

【運賃】 
嘉義~竹崎 片道40元。往復70元。
嘉義~北門 片道15元。
基本的に冷気平快車【中興号!!!!】で運転♪♪♪
登場から何のかの言って約半世紀になるバス窓DCも冷房改造込みの徹底レストアを施されたとは、何とも嬉しい話ではありませんか!!!!

(画像は阿里山号快車でスミマセン ^^;)

台湾鉄路局の新振子電車、プユマ号と命名!

2012-07-30 00:00:00 | 台湾の鉄道


 不断に進取の精神を以て美麗なる島国・台湾の発展に貢献している台湾鉄路局は、現在花蓮と台東の間で電化と大幅な軌道改良を推進しており、完成のあかつきには新型振子式電車で台北~台東間を約3時間半で結ぶという夢のような話が実現することになります。その新型車両には、現在の最新型であるTEMU1000系に花蓮近郊の奇勝にちなんだ「タロコ (太魯閣) 号」という愛称が付与されているのと同じく、台東地区を目指す列車としてふさわしい愛称が募集されていましたが、先日台鉄から「プユマ (普悠瑪) 号」を正式名称とする旨が発表されました!!
 この「プユマ」とは、オーストロネシア系原住民 (要はフィリピン・マレーシア・インドネシアと文化的に近い人々のこと。原住民という言葉は台湾では差別用語ではなく尊厳ある用語ですのでそのまま当ブログでも使います) のひとつであり、台東近郊に住むプユマ族にちなんでいます。台東の美しすぎる緑の山河、そしてプユマ族やアミ族といった原住民が織りなしてきた質朴な文化……。とくに個人的には、プユマ族出身の歌手・サミンガ(紀暁君)が歌い上げた、故郷への愛に満ちたアルバム『太陽 風 草原的声音』の余りにも格調高い美しさに驚嘆したのを思い出します (早いもので10年以上前のアルバムですが、決してその魅力は色褪せませんので、台東好きな方には超おすすめ)。というわけで、台湾では誰もが即座に思い浮かべるこれらの美しいイメージを身に纏い、新型振子電車は来年の春節以降華やかに走り始めることでしょう!



 そんなプユマ号につきましては、既に台鉄の公式HPにて実車イメージも眼にすることが出来ますが、基本的に現在のTEMU1000のシャープな改良版であることが見て取れる一方……あれれ?どこかで見たことがあるような……。そこでひとしきり考えた挙げ句……そうだ!これはJREの新幹線用検測車・East-iのイメージに似せたに違いない!!と判断した次第です (滝汗 ^^;;;)。マジかよ!と思った方は是非台鉄HPにアクセスの上、両者を見比べてみて下さいませ (笑)。まぁタロコが台湾高鉄の真似ならプユマはJRE新幹線の真似ということなのでしょうが (^^;;)、少なくとも、非常に大胆なTRAロゴをはじめとして結構カッコ良いことは間違いありません。どこぞのミ○ーカとかいう輩がデザインした某島の兄弟特急車よりも個人的には一兆倍マシです (爆)。
 ……とまぁこんな感じで新特急車の登場にワクワクしたところで、画像は全然関係ないのでは?と訝る向きが余りにも多いのではないかと存じますが (^^;;)、いえいえ大いに関係あるのです……。台北~台東間が3時間となってしまえば、現在最速のDC自強号でも相当遅く感じられることになるでしょうし、況んや7時間ほど要する客車急行・キョ光号に至っては……果たして電化完成後東部幹線で生き残ることが出来るのかどうか心配になります。とりあえず、自強号 (タロコ・プユマ号を含む) が停まらない地方の小駅を丹念に結ぶという使命が、かつての高級列車からすっかり落ちぶれてしまったキョ光号にはあるはずで、確か台鉄では老朽化したE200型電気機関車の世代交代も進めるそうですから、花東線高速化ののちも何のかの言ってEL牽引によってキョ光号もスピードアップされて当分残るのかも知れません。それでも、花蓮~台東間では超ガラガラなキョ光号の長大編成に乗り、池上などの途中駅で買った駅弁をのんびりと頬張りながら、鈍足DLが紡ぎ出す絶妙なジョイント音に酔いしれつつのんびりと究極の大自然を楽しむ……という至福のひとときは間もなく過去のものとなることでしょう。既に線路の付け替えや架線柱の設置が進んでいる段階でもある程度魅力は損なわれているのかも知れません……。
 そこで気が付いてみれば、最近は長い休みがとれればインドネシアばかりで、約4年半も台湾は御無沙汰になってしまったという……。どうりで個人的に精神衛生が悪化しているわけですな (滝汗)。嗚呼、花東~南廻~屏東線で乗り鉄したい……。

のど自慢in台湾記念・台鉄万歳

2011-10-30 00:00:00 | 台湾の鉄道


 昨晩放送されたNHKの「のど自慢in台湾」、いや~何の違和感もなくいつもの「のど自慢」テイストが展開されており良かったですね……(^^)。個人的には、全体的にレベルが高めであることもあってか、やけに辛口評価気味ではないかと思われ……とくに最後に出場した小姐が歌った「曼珠沙華」が何故合格ではないのかと激しい疑問が(汗)。ともあれ、これだけ分厚く日本語ソングの歌い手がひしめく以上、今後は高雄・台南・台中といった大都会でも開催されるべきと愚考する次第です。もう日本47都道府県+台湾のローテーションで良かろう……と (爆)。



 そんな台湾、個人的には漢語(といっても国語=北京語オンリーですが……^^;) で何の問題もなく旅行出来てしまうこと、そして台鉄自体が実に親しみやすい雰囲気であることもあって、全く外国という気がしない……と申しますか、北海道や九州に行くのと全く同じノリで臨んでしまうのでありますが、それが逆に災い (?) して、気がついてみれば北海道や九州が個人的に御無沙汰であるのと全く同じく、台湾も3年半御無沙汰……(滝汗)。たまに長めな休みをとれれば外国へ……ということで、特に最近は3年連続でインドネシアに力を注いでしまったからでもありますが、台湾で鉄活動と小吃巡りをしないまま月日が流れて行くとは何という精神衛生上の悪さ……(^^;)。うーん、「のど自慢」の画面を眺めるにつけ、久しぶりにキョ光客車にのんびりと揺られて台湾を一周したいですね……。とくに、スカスカな花東線の車内で池上弁当を賞味すれば、如何なる滋養強壮薬も及ばないほど身も心もリフレッシュ出来るはずなのですが (笑)。その前に足を完璧に治さねば (汗)。

台湾・花東線ナローのSL、堂々復活へ!

2010-05-24 09:26:00 | 台湾の鉄道


 日本統治時代につくられたあれこれのインフラや建造物がここ10数年来「台湾近代史の生き証人」として脚光を浴び、さまざまなかたちで活用されて人気を博しているのが台湾という国。たとえ経済的には完全に大陸の周辺として取り込まれそうな状況であるといっても、だからこそ社会・文化面で台湾らしさを保とうという発想も強く、その最先鋒として保存鉄道ブームが吹き荒れているようです。とくに、来年は中華民国100周年ということで、たとえ辛亥革命が台湾と無関係であったとしても、ちゃっかりとその記念を兼ねて台湾の鉄道遺産を盛り上げようという雰囲気がありありなのもまた台湾らしいと言えましょう。
 その中でも最大の目玉は、新線の開通によって廃止されて久しかった西部幹線・山線旧線区間の復活! 三義~勝興~泰安間を完全な観光鉄道として再整備し、途中の風光絶佳な場所には新たに魚籐坪駅を設置するなどして、まずは6月以降8月までは週末2往復運転を実施。来年以後本格的に営業するとのことです。この区間は私も乗ったことがありますが、保津峡とやや趣が異なるものの素晴らしい風景が展開し、いずれは嵯峨野観光鉄道との姉妹提携もひょっとするとあり得るのでは……とすら思えるところです。



 しかしここに来て、もう一つの強烈な保存鉄道計画が判明! 先日、台湾の鉄道総合サイト『台湾鉄道網』を見ていたところ、な何と何と!東部幹線の要衝・花蓮駅前にて保存されていたかつての花東線用ナローを徹底的にレストアし、花蓮駅西口に約1kmほどのナロー線路を敷設のうえ、SL・LDK59号 (1枚目の画像) を時速5kmで保存運転するとのこと! 牽引される客車はもちろん花東線のDC・PCということで、個人的には如何にも戦前の日本製DCらしい表情の車両 (2枚目の画像) や、必殺・ナロー寝台車の活用を期待したいところです (*^^*)。
 今回アップした画像は2005年に撮影したものですが、せっかく保存車両が立派な鉄道公園内に置かれているというのに、スペースが狭いところに大量に並べられ、かつ周囲の植え込みもあって、余り「引き」を取れずキレイに撮影出来なかったのが未だに悔やまれます。その後最近では、そもそもこれらの車両の多くが姿を消してしまったとのことで、「一体どうしたことか……まさか塩害でボロボロに?!」と心配していたのですが、実は復活に備えた長期レストアのためだったようで、いや~良かった良かった……。これであとは、新しい保存鉄道スペースが十分な広さを擁し、形式写真や走行写真を撮りやすいかどうかですが、果たしてどうなることやら (^^;
 台湾の保存・観光鉄道といえば、ここにきて更なる朗報も……。民間委託が杜撰な経営へと裏目に出て、しかも昨年の大水害で不通となっていた阿里山森林鉄道が、まず御来光見物客や森林遊覧客の乗車を安定的に見込める阿里山~祝山・神木間で6月19日に営業を再開するようです。嗚呼……台湾に前回出かけたのも早いもので2年2ヶ月前となり、体内台湾分も著しく低下しているだけに、なるべく長い時間を確保してこれらのスポットを訪ね歩きたいものですが……4~5日を超える休みをとれないのがうらめしや……。

台湾鉄路温故知新 (14) 「スネ夫」の時代

2008-09-18 22:40:04 | 台湾の鉄道


 恐ろしく動きが遅い台風13号は、八重山地方や台湾に散々被害をもたらしながら、これから本州を縦断するそうで……とくに台風に長時間巻き込まれた台湾では各地でまれに見る大洪水が発生し、大きな被害が出ている模様です。驚きなのは……西部縦貫線のうち山線の単線区間(三義=后里間)を廃する代わりに約10年前に開通した新線区間のうち、大甲渓を渡る豪華複線高架橋が大洪水の洗礼を受けて土台露出という惨状となってしまったこと……。このまま何も手を加えずに営業を続けるとすれば倒壊しかねないということで、新幹線の開業後も依然として(とくに新幹線が通らない都市間を結ぶ手段として)大きな存在感を持っている西部幹線にとって危機一髪のようです (-_-;)。また、7月の台風被害で運休が続いている阿里山森林鉄道も、今回の台風でさらに大ダメージを受けて運行再開が遠のいたとのこと……。同じ風水害や地震に見舞われる島国として、台湾の状況は日本にとっても無視できないでしょう。一刻も早い修復を祈るばかりです。
 さて、そんな台湾における中距離都市間輸送の要は、これまで台鉄の各種優等列車や国道客運(高速バス)が担ってきたわけですが、新幹線開通で長距離需要を失った台鉄は、最近ますます中距離輸送にテコ入れを図っており、とくにその重点を「台鉄捷運化」に置いています。要するに、「汽車型」の運行体系をとってきたこれまでの台鉄を、これからはまさに「JR台湾」さながらに (爆)、都市型通勤電車主体の頻繁運転輸送へとシフトさせようというもの。そこで、「汽車型」輸送を象徴する客車列車・キョ光&復興をどんどん減らし、代わりにセミクロスシートのEMU700形を大量導入……。↑の車両がまさにそのEMU700形です……。



 このEMU700形は、タロコ号=TEMU1000と同じく日本の技術によっており、まず日本車輌が1~2編成を試作・輸出したのち、日本車輌と台湾の鉄道車両メーカー・唐栄鉄工が中心となって設立した新メーカー「台湾車輛」にて続々と量産されています。そして、キョ光号や復興号の本数を減らす代わりに新設された、復興号&区間車運賃の快速列車「区間快車」を中心に、台湾の全電化区間を股にかけて走り回っています。最近の大量生産技術を台湾に持ち込んだということで、台湾版「走るんです」と呼ばれることもあるようですが、個人的には日車の技術ということで、台湾版「小田急3000」ではないか、と勝手に解釈しております (^^;)。
 EMU700は、台湾人から見てこの顔がスネ夫に似ているとかで、台湾ではさっそく各方面で「スネ夫(阿福)号」と愛称されており、しかも乗ればそこそこ快適、早くも台鉄利用者のあいだにすっかり融け込んでいるようです。それでも個人的に、この正面のデザインだけはどうしても馴染めないんだよなぁ……と (-_-;;)。
 そこで、これまではほとんどどうでも良い存在に過ぎなかった韓国製VVVF通勤電車・EMU500・600形の存在が、撮り鉄の際に限って俄然赤丸急上昇! (苦笑) まぁ、乗れば別に大した感動などあろうはずもないのですが、デザインセンスが基本的に「昔の台鉄」の延長である点がステキです。とくに、中央に貫通扉が付いた青いマスクを眺めていますと……今はなき支線区用旧型DC(戦前の日本が残した旧型DCの車体載せ替え版)の雰囲気を思い出します……(^^;;;;)。
 ここでふと妄想を思いつきました。今回は結局乗ったり撮ったりしなかった現行のローカル支線用DC・DR1000形を青一色+白帯にラッピングすれば、ただでさえローカル線の旅が超人気となっている台湾において、さらに熱い注目が集まるのではないかと思います (笑)。そして出来れば、この電車も真っ青にラッピングして欲しいです……って無理でしょうかね~(^^;;
 
 以上をもちまして、約半年にわたってお送りしてきました08年春の台湾一周撮り鉄シリーズは完結です。お楽しみ頂きましてありがとうございました。
 そして……あーまた早く台湾に行きたい……。結局台湾から帰ってきてこのかた、長い休みが全く取れず、集集線のSLも撮りに行けず……。鉄も美食も最高な台湾にしばらく行けないとなりますと、ホントにストレスがたまります (汗)。