連日40度前後という酷暑の時季を迎えたミャンマーは、インフラ建設・改良面において日本と中国が激しく角逐する草刈り場となり、日本の援助で整備された線路の上を中国の援助で造られた客レが行き交い、はたまた中国系企業が落札したヤンゴン中央新駅に日本の電気式DCが出入りするという近未来図がはっきりとして来ました。そこで少なくとも間違いないのは、駅と線路が良好に整備されれば列車のスピードも上がって効率的な運用が可能となり、無い無い尽くしだった軍政時代の遺物であるLRBEの出る幕もなくなって行くということでしょうか……。とりわけ、従来LRBEの整備を担当していたパズンダウンの工場は、ヤンゴン中央駅再開発に伴ってRBE整備工場に鞍替えすることが、いつもお世話になっております斎藤様の雑誌記事から明らかでしたが、その歴史的な刻がついに到来したようです……。
そこで、またまた斎藤さんから掲載をご許可頂いたのがこれらの画像。LRBEの最後の整備車両となったLRBE57の麗姿です……。最早この後に検査入場するLRBEは存在せず、各地で主力から外れて予備車となりつつあるLRBEは、今後検査切れとともに解体されて行くことでしょう。既に、工場内で朽ちつつあった数両のLRBEが解体されており、その残骸が散乱した状態となっており、「あと数日早く訪れていれば解体現場を見学できたのに、残念……」とのことでした。
そして今回頂いた最新ご遠征画像の何が凄いかと申しますと……斎藤さんのリクエストで外に引っ張り出されてきたLRBE57を牽引しているのは、やはり検査入場中のマダウ線RBE2504 (名鉄キハ24)! 皆様ご承知の通り、斎藤さんはミャンマーに転じた軽快気動車を初めて (?) 本格的に追っかけられて、本邦に時々刻々最新の状況を紹介されてきた第一人者でいらっしゃるわけですが、その斎藤さんの目の前で展開されたのは、ミャンマーにおける日本中古軽快気動車の嚆矢となった名鉄キハ24が、RBEの増加のため最後の検査対象車両となったLRBE57をエスコートしているという、ある意味で最も歴史的でマニアックな瞬間だったという……。しかも、互いの連結器が全く異なる中、アダプタの類を使うわけでは全くなく、LRBE2504のスカート部分に鎖をグルグルに巻き付けて「編成」にしているという……(^^;;)。
ともあれ、今後はミャンマー国鉄も、何事もシステマティックになり行くことで、このようなルーズ過ぎる光景も姿をけして行くことでしょう。何てことはないボロ車両どうしの連結かも知れませんが、様々な意味を漂わせたカットであると言えそうです……。
庫内入換とはいえ、日本の鉄道会社でこれをやったら間違いなく担当者クビですわな・・・(^^;