地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

富士の裾野を行く (3) 岳南貨物の主力ED40

2005-07-08 20:53:00 | 貨物列車 (民鉄)


 だいぶ間が開いてしまいましたが、富士・吉原界隈レポートの続きです (^^;)。
 岳南鉄道と言えば、かつてに比べれば輸送量が大きく減ってしまったものの、依然として活発な貨物輸送を行っていることで知られており、私鉄貨物ファンにとっては欠くことの出来ないお楽しみスポットと言えましょう。 その最大の荷主は比奈にある大昭和製紙吉永工場で、ここから首都圏や関西をはじめとした各地に紙を輸送するために毎日数往復の貨物列車が吉原~比奈間に設定されています。この貨物列車の先頭に立って活躍しているのがED40型です。この、小粒ながらも精悍な雰囲気の機関車、もともとは松本電鉄でダム建設資材を運ぶために新造されたものですが、ダム建設が終わるとすぐに御用済みとなり岳南へと移ってきたという、ちょっと薄幸な運命の持ち主です。しかしいつの間にか、岳南での日々の方がはるかに長くなって今日に至っています。
 そして今年に入ってからは、大荷主の吉永工場をスポンサーとして、鉄道貨物復権をアピールするべく、ED401が朱色とクリーム色の新塗装に変更になりました。この新塗装、個人的にはなかなか上出来だな~と思われるものですが、その反面、茶色くシブい旧塗装を撮っておくのも今のうち……というわけで、今回の岳南訪問の最大の目的は過渡期のED40を記録しておくというものでした。
 しかし、新塗装のED401は岳南富士岡で「がくちゃんかぐや富士」こと8000形に邪魔された状態で昼寝中でしたので (爆)、今回はこのED402を大いに撮影した次第です。
 比奈駅では非常に頻繁に入換が行われますが、構内踏切に遮断機がありませんので、必ず駅員さんにひとこと声をかけて、細心の注意を払って撮影することが重要です。そして、もし天気が明るい曇りであれば、フラットな光の下で形式写真撮り放題! (^o^) う~ん美しい……。JRでは、茶色い機関車が通過するともなればそれこそ「鉄」が群集して大変な騒ぎになるので、私はまず近づきたくないのですが、地方私鉄に行けばこういう美しい機関車をたった一人で独占できるのですからなおさらです (^^;
 比奈でたっぷり撮影した後は、岳南原田に移動して、この日最終の吉原行き貨物を撮影しました。ワム80000を期待していたのですが、この列車は完全にコキオンリーで些か拍子抜け (爆)。それでも、背景の製紙工場との組み合わせが、如何にも工場地帯らしい活気を感じさせて、お気に入りのカットです (^^)。

秩父鉄道散歩 (3) オールドタイマー健在・デキ100型

2004-12-25 12:50:00 | 貨物列車 (民鉄)


 さて、ごくたまにやって来るレアな緑色の電気機関車も良いですが、秩父の電機のうち個人的に一番の楽しみと言えばこちら、昭和20年代に造られて以来現役のデキ100です。特にこのデキ108は、もとはと言えばかつて天然硫黄採掘で栄華を誇った岩手県・松尾鉱山のスターでしたが、昭和40年代に入って石油精製の過程で採れる硫黄が大量に流通するようになった結果突如失職、同型機が活躍する秩父に引き取られて来たという流転の人生 (?) をたどっております。そんなことも思い出しながら「国鉄EF15のミニバージョン」そのものな老体を眺めていると、しみじみとしたものが感じられます (^^;)。ちなみに、前面窓にヒサシがついているのも、この松尾鉱山出身のデキ107・108だけだったと記憶しています。

秩父鉄道散歩 (2) 冬季アルバイト中?のデキ201

2004-12-19 17:48:00 | 貨物列車 (民鉄)


 なかなか画像をレタッチするヒマもなく、アップの間隔が開いてしまってすみません (^^;)。
 秩父鉄道の第2弾として……やっぱ名物の鉱石列車をご紹介しなければ!
 私鉄貨物はすっかり珍しくなってしまった昨今ですが、秩父はさすがセメント産業で生きている路線というだけあって、バブル崩壊以前ほどではありませんが、今でも貨物列車が平均45分間隔くらい (?) でやって来ます。その中でもやはり圧巻なのが、石灰石を運ぶ20両編成の鉱石列車で、「ヲキ」「ヲキフ」という独特の形式名を持つ黒い車体がゆっくりと目の前を通過して行くごとに「あ~秩父って良いな~」という気分になります。
 そしてこの日の珍事は、1両だけ深緑に塗られて普段SL「パレオエクスプレス」の後補機をつとめているデキ201が鉱石列車の先頭に立っていたことです! SL列車を運転しないシーズンは完全に一般機関車の運用に組み込んで有効利用しようということなのでしょう。