地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

広瀬川原炎熱の陣 (下) デキ108ひとり祭り

2007-08-16 15:53:00 | 貨物列車 (民鉄)


 8月に入って梅雨が明けて以来とにかく暑い日が続く関東地方ではありますが、昨日はとりわけ猛烈な蒸し暑さだった……と思うのは私だけでしょうか。夜に帰宅しても部屋の中は33度ありましたので、昼間の直射日光の下は果たして何度あったのかを考えるだけでも空恐ろしい気がします (滝汗)。
 それでも、神奈川県はまだましな方でしょうか。やはり暑さと言えば……熊谷や館林といった、鉄道趣味的にも濃いぃあたりは関東でもダントツの連日38度超! しかも昨日は館林で40.2度なんて……狂ってます (@o@)。
 そんな中、秩父1000系の中間車・デハ1100形は未だにクーラーがありませんので、乗れば現在の日本で最強のサウナ車体験が出来ること請け合いでしょう! (^^;) 実際、オレンジに塗られた1000系を求めて広瀬川原へ向かったときも、熊谷=ひろせ野鳥の森間 (初乗りの160円区間) でデハ1100に乗っただけで汗がドッと出てきました。両端の冷房車に乗れば良さそうなものですが、窓を開けてMT46サウンドをビンビンに感じる魅力は何者にも代え難いものがあります (^^;)。



 こうして訪れた広瀬川原では、単になかなか動く気配がないオレンジ1000系をじっと待つだけでしたら、退屈さと地獄の暑さで気分も萎え萎え、体力ヘロヘロになってしまったでしょう。しかし幸いにして、秩父のEL陣の中でも個人的に一番の当たりであるデキ108がダブルパン上げ状態で入換をしていましたので、自ずと気分が奮い立たずにはいられません! (*^^*) デキ100形の中でも、今はなき松尾鉱山から秩父に移ってきた107と108は、より角ばったボディと正面窓上のヒサシが如何にもEF15のEDバージョンと言わんばかりの雰囲気を漂わせており、いつ目にしても「うーん……武骨ながらも美しい」と感激! しかも、ふだん秩父鉄道のELが貨物列車を牽引する際にはどちらかのパンタを下げていますが、今回は余り見られないダブルパン上げですから……!!
 この入換、パンを上げているのはデキ108のみで、次位のデキ303は無動状態ですが、その後検査上がりのヲキ1両と連結され、武川方面からやって来た重連単機回送と入れ替わりで発車して行きました。どうやら午後2時台に、EL運用の中心である武川と広瀬川原のあいだで機関車の差し替え回送が設定されているようで、それにうまくめぐり会ったという次第。武川=羽生間ではパレオエクスプレスの回送や甲種回送でもない限りELの出番はほぼありませんので、こうして動いているシーンは意外と貴重だと思います (^^)。
 というわけで、釣掛の重低音を響かせながら動き回るデキ108の雄姿を眺めながら、「余剰気味の秩父EL陣にあって、車齢が古いデキ107・108はいつなくなってもおかしくないにせよ、いつまでも走って欲しい……」と念じたのでした。


広瀬川原・機関車の宴 (番外) 貨物全面運休

2007-05-27 13:25:00 | 貨物列車 (民鉄)


 広瀬川原のイベント会場も11時を過ぎるといよいよモーレツな人口密度となりましたので、こりゃかなわんと退散 (^^;)。せっかくなので他の沿線スポットでまったりと撮影を楽しもうと思いまして、1000系に乗って移動しました。
 当初の目的地は、かねてから訪れてみようと思いながらも機会がなかった武州原谷。ここに生息する赤いスイッチャーを撮るのが最大の目的です。
 一応、今回訪れる前にチェックしたネット情報によると、どうやら三ヶ尻のセメント工場がメンテナンス期間に入って鉱石列車が全面運休しているとのこと。ホントかよ……と思いつつ、寄居、長瀞、皆野……と揺られていますと、いつもなら30分〜1時間間隔でやって来るはずの鉱石列車と本当にすれ違わないという初めての経験を味わってしまいました (汗)。それでも、せめて扇町からの石炭列車ぐらいは来るだろうから、武州原谷のスイッチャーも表に出ているのでは?と期待してみたのですが、黒谷から坂を登って武州原谷を通過するときに目にしたのは、スイッチャーも検修庫の中……。完全に期待がハズれてしまいました (-o-)。



 というわけで、改めて羽生行に乗って、今度は武川へ! 武川駅は秩父におけるELの運用上の拠点となっており、いつも検修庫の周辺で2〜3両のELが憩っていたり、ヲキ編成が良い雰囲気で運転停車していたり……という理想郷ですが、この日の往路の車窓からは、さすがに鉱石列車が全面運休しているからか、やたらとELが大量に停車しているスゴい光景が……。
 そこで、羽生方面へ戻って「ぱれっと」さんと合流する前に、少々武川で途中下車のうえ (いやー秩父路遊々フリー切符は使い出があります ^^)、デキ大集合の様子を激写してみました。いやはや……大量のELが等間隔で寝ている光景を眼にすると、やはりある種異様な存在感がありますね (^^;)。その数ざっと9両!! 
 うーむ、このうち4両ほどをイベント会場に回送し、毎年7月の定番になりつつあるパン上げ4重連を再現してくれれば面白いのに……と妄想 (^^;;)。
 なお、これらのカットを撮影しているあいだに、急に空が暗くなり雷鳴が……ついには雨が降り始めてしまいました。そこで「ヤバい!」と言いつつ速攻で撮影し、ダッシュで武川駅に戻ったところ……午後3時過ぎ、バケツをひっくり返したような土砂降りに! その後乗った1000系は、持田駅でドアを開いたところ猛烈な雨が車内に吹き込み、あっという間に水浸しになってしまいました (爆)。 

富士山麓の赤い新風

2005-11-08 23:57:00 | 貨物列車 (民鉄)


 11/5は関東鉄道を訪れたのに対し、11/3は東海道線沿線 (神奈川西部~静岡東部) の中小私鉄をウロウロして来たのですが、そのうち岳南鉄道の訪問では念願かなって、赤系の新塗装を身にまとったED403の麗姿を目にすることが出来ました (^o^)。岳南の大口荷主である製紙工場がスポンサーとなったこの新塗装、今年の春に登場して以来「最近の中小私鉄の新塗装の中では秀逸な部類に入るのでは?」と注目していたのですが、今年の6月に訪れた際には岳南富士岡のクラの中で昼寝をしていました (T_T)。今回も、当初は「祝日だから貨物は全面運休でも仕方がないな」と思い、もっぱら元京王3000系の撮影に専念するつもりだったのですが、いざ比奈に来てみると……いつ動くかは見当がつかないものの、お目当てのED403がパンタグラフを上げて停車中でした! しかもワムを2車だけ従えているという何ともローカル貨物ムード満点な姿で! いやはや、これは大変な儲けものシーンでした (^^)。



 また、JRから岳南へと貨車が引き継がれる吉原駅のヤードでは、最近更新を受けて赤系の新塗装を身にまとったばかりの愛知機関区所属DE10 1748が入換に従事していました。国鉄時代からの標準塗装と比較すると非常に大胆なイメージチェンジですが、なかなか引き締まったシャープな雰囲気の新塗装ではないかと思いまして、初めて目撃した私は思わず連写してしまいました (^^;)。まだまだこの更新色のDE10は圧倒的少数派でしょうから、そういつも吉原駅に姿を現すとは限らないと思いますが、岳南のED403の存在と合わせて、製紙工場を取り巻く鉄道にちょっとした新風をもたらしている雰囲気が感じられます (^^)。これからも手を携えてワムを継走し、地道ながらも確実に車扱貨物の世界を支え、撮り鉄の目を楽しませて欲しいものです。
 それにしても気になったのは、吉原に向かう車中「新貨物ターミナル建設反対」という幟が目立ったことです。もしや、ここに富士山麓の製紙工場から集まる荷を集約するようなことになれば、ひょっとしたら岳南鉄道は商売あがったりではないか……ということが頭をかすめたのですが、杞憂に終わることを願っております (^^;;;;;)。

秩父も変化目前 (2) 鉱石&貨物列車

2005-10-11 16:08:00 | 貨物列車 (民鉄)


 秩父と言えば国鉄型ですが、それと同じくらい秩父名物なのが、青いオリジナルELに牽引された鉱石列車と貨物列車だと言えましょう。鉱石列車は影森駅からにさらに引込線をたどったところにある三輪鉱山から石灰石を三ヶ尻のセメント工場に運び、秩父名物の鉱石車「ヲキ」「ヲキフ」を延々20両近く連ねており、如何にも重々しい雰囲気を漂わせながらゆっくりと秩父路を走っております。こんな小柄なED級の機関車で大丈夫なのか……という気もしますが、基本的に積車時は常に下り坂なので問題ないようです。むしろ、空車を影森から三輪鉱山まで持って行くときの方が、相当の急勾配のため辛そうです (しばしば撒き砂の煙が朦々と立っていますし ^^;)。いっぽう貨物列車は大野原駅の北側にある武州原谷貨物駅に出入りするセメントタキ・ホキの類を牽引して毎日数往復しているようですが、セメント列車がこれだけの頻度で運転されている路線は他に、秩父と同じく太平洋セメントが関わる三岐鉄道と、三岐からの直通列車が走る関西線ぐらいになってしまいましたので、今や非常に貴重なのではないかと思います (^^)。
 これら鉱石・貨物列車を牽引する秩父オリジナルELには、デキ100・200・300・500形といった形式がありますが、個人的に一番お気に入りなのは、製造年代が古く「私鉄版ミニEF15」という風情が漂うデキ100型ですね……。特に↑の画像はデキ100の中でも、岩手の松尾鉱山 (石油精製過程での脱硫技術の進展により昭和40年代に突如閉山となった,世界有数の硫黄鉱山) から引き取られてきたグループに属する車両で、角張った車体・ヒサシつきの正面窓・古典的な雰囲気の台車はまさにストレートにEF15を思い出させるものがあります (^^)。
 しかしそれにしても……昔と比べて鉱石・貨物列車が本当に減ってしまったなぁ……というのは否めない気持ちです。バブル崩壊・建築不況によるセメント需要の激減が大きく響いているからですが、「昔は鉱石列車だけでも30分間隔ぐらいで走っていたよなぁ……」「昔は影森~武州原谷間の区間運転の鉱石列車を古典電機・デキ1形が牽引して、あの今では草ボウボウの高架線を通って武州原谷の工場に入っていたよなぁ……ベルトコンベアに取って代わられてしまったのか……」「セメントタキ・ホキ以外にも膨大な数の有蓋車がつながっていたのに、車扱廃止の流れは非情だなぁ……」という思いが次から次へと頭をよぎります。
 特にこの日は、恐らく生産調整のため、鉱石列車が1往復運休してしまうという事態にも遭遇しました (T_T)。また、今後長期的に見ても、セメント需要の一層の低下や国内産石灰石・セメントのコスト高、さらには鉱石車・貨車の老朽化に伴い、ジリ貧の一途をたどっている……?という話もあるとかないとか……。
 しかしやはり、鉱石・貨物列車のない秩父なんて考えられませんので (^^;) これからも訪れるごとにその雄姿、その私鉄貨物王国らしさを見せてくれることを期待したいと思っています。

富士の裾野を行く (4) 魅惑の超古典電機・ED50

2005-08-15 01:00:00 | 貨物列車 (民鉄)


 いつの間にか2ヶ月前の話になってしまいましたが (爆)、岳南鉄道を訪問した際の話題はまだまだ続きます (^^;)。そこで今日ご紹介するのは、奇跡的に今日でも第一線で活躍する超古典電機・ED50です! この電気機関車、今はなき上田交通真田・傍陽線用として作られて以来、名鉄・岳南と渡り歩いて何と車齢は77年……! 他の私鉄に辛うじて残る超古典クラスの電機が、既にどれも工事用としてたまに動く程度であるのと比べますと、如何に幸運な車両かということがしみじみと感じられます……。
 ただ、基本的に岳南の主力電機は2両のED40でして、日常的にはED40のうち1両が吉原~比奈間の本線運用に入り、もう1両が比奈・岳南原田での入換を担当しますので、ED50が動くのはED40のうち1両が検査などで車庫に入っているときが中心になります。そういうわけで、ED50が稼働している姿を見るのは一見難しいのですが、個人的には意外としばしば活躍中のシーンを拝めています (^^)。この機関車はもちろんED40ほどのパワーはないのでしょうが,
恐らく機械周りの構造が簡単でいじりやすく、しかもそれなりに力強いからこそ重宝されているのかも知れません。