地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

相鉄7000系中間車@相模大塚撮影会

2019-11-20 12:00:00 | 大手民鉄 (相鉄)


 相鉄とJRの直通運転開始まで、ついにあと10日となりました。ただでさえ相互直通運転の開始は注目を集めるところですが、今回はただでさえ余り民鉄と直通運転をしない (?) JRと、従来神奈川県内から出ることはなかった相鉄の組み合わせということで、趣味的・世間的な注目が相当盛り上がっているように思われます。本日久しぶりに発売となる『東京時刻表』も、表紙が相鉄12000系であるのは、如何にもな展開といえるでしょう。



 そして、既に相鉄線内全列車の新ダイヤ時刻表は、相鉄公式HPに掲載されていますが、特急が増えたのは歓迎できるものの、西谷からどちらに行くかを事前に確認しておかなければならないのは面倒とも言えます (笑)。総じて、特急停車駅利用者と鶴ヶ峰利用者の大勝利、といったところでしょうか。各停と急行のどちらかしかなく、二俣川〜海老名間と横浜を行き来するのであれば、何も考えずに急行に乗れば良かった……という時代は遥か彼方に去ったかのようです。
 ともあれ、趣味界と世間いずれの視線も急速に相鉄新時代に向かいつつある今日、つい1ヶ月前まで存在していた7000系が昭和の遺物として遠い過去の記憶の中に去ったかのようです。そんなことに深い感慨を覚えつつ、去る10月14日の相模大塚撮影会にて記録しておいた7000系中間車の画像を貼っておくことにしましょう。1枚目は、モハ7100の奇数車 (制御器と抵抗器あり) で、2枚目はサハ7600です。最近つらつら思うのは、どんな路線でも撮り鉄する際には圧倒的に編成写真にこだわってしまい、意外と形式写真(とくに中間車)を撮っていないな……ということで、相鉄の車両も全くそうでした (滝汗)。日常的には、ホームで側面を見る機会の方が多いはずなのですが……。それだけに、相模大塚ではふと思い出して中間車の形式写真を撮っておいて本当に良かった、と思うばかりです。

叡電探訪2019初夏 (3) ひえい732

2019-11-19 12:00:00 | 地方民鉄 (近畿)


 例年に比べて遅い今年の紅葉もぼちぼち下界に降りて来て、伝え聞くところによると西日本の紅葉はまずまずの見応えとか (台風にやられた東日本と比べれば確実に良いでしょう)。京都の観光名所は週末ごとに凄まじい混雑となるのが目に見えていますが、例えば叡電のように山奥へと分け入る電車は大入り満員になるはずで、誠に御同慶の至りです (そんな時に乗りたくないですが ^^;)。



 そんな書き入れ時を迎えた叡電にあって、ひときわ異彩というか凄まじい存在感を放っているのが、デオ732「ひえい」です。この電車、登場当初はネットや雑誌で目にするにつけ絶句せざるを得ないデザインに思われたものですが、ナマで見てみると意外なことに、良い意味で大胆の極みで、「これはこれでネタとして悪くないな……」と思い、ついつい激写してしまいました (^^;;)。全体的には落ち着いた色合い、パッと見で高級感が漂うために、「まいっか」と割り切れるのだろうと思います。
 なお、この時は撮っただけで、まだ乗っておりません (汗)。
 間もなく、叡電デオ700軍団鉄コレの一発目として、この「ひえい」が発売されることになりますが、奇抜なデザインの車両には通常食指が動かない私にしては珍しく、思わず予約してしまっております。今のところ、実車の通りに1両のみ購入するつもりですが、ネタとして2連を演出してみたい……という奇妙な物欲を抑えられず困ったものです (笑)。

宮城乗物縦断 (18) ミヤコーバス築館

2019-11-18 12:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 主力として活躍するメトロ窓エアロミディ。



 公道からでもなかなか濃いぃ光景を楽しめます。



 エルガミオはさておき、両端が素晴らしい!



 沢辺の南西にて、一ノ関駅から築館へ向かうエアロミディ。

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 奥州街道を歩いて、栗原市の中心地である築館に着きますと、市役所の左にある鍵の手の坂を登って下ったのち、今や寂れた商店街にある築館町バス停に着きます。その前に、ちょこっと市役所から右に入り、かつての仙北鉄道・築館線の終点にあたる築館駅の跡地と、その一部を流用しているミヤコーバス(宮城交通の地域子会社をミヤコーバスに統合)の築館営業所を訪れてみました。
 仙北交通築館線がキティ台風による路盤流失で廃止されて以来、既に約70年の時が過ぎ去り、ここに終着駅があったことを偲ばせるものは立派な農業倉庫くらいしかありませんが(↓の画像)、バス営業所の結構広々とした敷地を眺めるにつけ、往時はさぞかし瀬峰で国鉄の貨車に積み替えられる貨物も含めて賑わったのだろう……という感慨に浸らずにはいられません。時を隔てて、いまは築館から数㎞東にくりこま高原駅が出来、事実上栗原市を代表する駅になっているわけですが、時刻表の地図において栗原市を代表するのは未だに築館町バス停になっているのは興味深いところです。
 そんな築館駅跡地に佇むミヤコーバスの車両は、良く言えば平成の路線バス車両史を凝縮したような多士済々揃い、悪く言えばボロの巣窟……(*^^*)。日常的には栗原市民バスの広域路線である古川線(築館〜古川駅)、一関線(栗駒〜一ノ関駅)、築館・一関線(築館〜沢辺〜金成〜一ノ関駅)、そして市内連携路線の尾松沢辺線(栗駒〜金成支所[沢辺駅すぐそば])を担当しているほか、栗駒山の登山シーズン週末にはくりこま高原駅発着の臨時バスを運行しています。路線数と運行回数の少なさの割には、やけに多くのバスが昼寝をしていたのは、休日であることに加えて、栗駒山臨時バスのオフシーズンであったためかも知れません。
 とまぁこんな感じで、個人的には築館という街にて平成最後の乗物撮影活動を終えたのでした。これもまた変わった趣向ということで、結構心に残っています。


 こんな風景から往時の鉄道の繁華を偲ぶのもまた、廃線跡系・懐古系鉄活動の侘び寂び的な味わいなのでしょう……。

斜光の上田2018春 (2) 別所温泉にて

2019-11-17 10:07:00 | 地方民鉄 (甲信)


 台風19号による甚大な被害からの復興はまだまだ緒についたばかりですが、鉄道については少しずつ運行再開の報が聞かれるのは喜ばしいことです。関係者の皆様の尽力に敬意を表したく存じます。
 そんな中、下之郷〜別所温泉間での折り返し運転となっていた上田電鉄の運行区間が、城下〜別所温泉に拡大したのは喜ばしいことです。下之郷まで代行バスの場合、集客ゾーンと渋滞発生ゾーンが重なって、上田から別所温泉まで約1時間を要しましたが、これが千曲川渡河のみ代行バスですと約40分に短縮されますので、利用客にとって大いなる福音でしょう。



 今後は、果たしていつ千曲川に再び鉄道橋がかかるのか、あるいはかからないのか、ということに焦点が移ることになりますが、これだけの激甚災害ですので、堤防の再構築全般とからめて事業化が順調に進むことになるでしょう (と期待しているのですが……)。そして、またそのうち上田を再訪して、出来れば別所温泉に泊まってのんびりしてみたいものです。
 というわけで、1年半以上前に訪れて以来アップしそびれてきた、午後から夕暮れ時の上田画像のつづきとして、別所温泉に佇む5252と現役電車のコラボシーンをアップしておきます。5252が安置されて久しいこの空間が、かつては昼間クハやサハを留置しておくスペースであり、とりわけぶら下がりサハの前後を変えるために、この側線を使って極めて原始的な手法による入換が行われていたことを知る人は、アラフィフ以上のヲッサンに認定です (RP誌1984年4月増刊「甲信越・東海地方の私鉄」特集に、その手法が載っています)。それほど昭和は遠くなりにけり……でしょうか。

宮城乗物縦断 (17) 栗原観光タクシー

2019-11-16 20:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 古川駅界隈から奥州街道を北上すると、基本的に東北本線とは交わらず、アップダウンを繰り返しながら、やがて宮城県北の自治体を大合併して誕生した栗原市に入ります。その最初に現れる高清水の街は、かつて国鉄バスの駅も置かれるなど交通の要衝として賑わったようですが、それも今は昔。駅の跡地には何も残っておらず、宿場町そのものも寂れ果てています。
 高清水から奥州街道を歩く場合には国道4号線からしばらく離れて人煙まれな牧草地や森の中を進み、再び国道4号線と出会ったあとは、次第に栗原市の中心・築館へと進んで行きます。すると、築館の街では立て続けに、栗原市民バスの運行を委託された3社の路線バスの車庫に遭遇し、意外と濃いぃ撮りバスタイムを楽しむことが出来ます。



 町村大合併で出現した広大な栗原市の市域に一体感を醸成し、また栗原市と外部の主要都市とをつなぐ公共交通を確保するため、栗原市は多種多様なバス路線を市民バス網として再編し、財政による補填を通じて、相当な距離を乗っても200円ポッキリという破格の運賃を実現していますが、その路線網は大きく分けて、大崎(古川)と一関に出る「広域路線」、市内の主な街や集落を結ぶ「市内連携路線」、そしてオンデマンドタクシーに分かれています。そこで、広域路線と市内連携路線、ならびにスクールバスが計3社に委託されており、奥州街道を北上すると築館の手前で現れるのが栗原観光タクシーの車庫です。
 栗原観光タクシーは、他の2社と比べるとマイナーな路線を担当しており、唯一担当する広域路線の「大崎市民病院線」は、築館から南下して大崎市との境界までは小まめに停まるものの、大崎市に入るとノンストップになるという、通院者に特化した路線です。また、担当する市内連携路線3ルートも、改めてご紹介するグリーン観光の路線と比べれば、本数も少なくマイナーなルートとなっています。というわけで、ほとんどバス趣味界でも俎上に登らない会社かも知れませんが、車庫で出番を待つバスの状態は良く、徹底的に地元密着、という印象を得たのでした。公道から撮りやすい位置で昼寝していたのはスクールバスで、路線バス車は奥まった位置にいたのが少々残念……。
 というわけで、この車庫を過ぎてさらにしばらくアップダウンを繰り返し、最後の切通しを過ぎると、突然栗原市役所の巨大な (?) 建物が現れて、鉄ヲタには忘れ去られた街・築館に進んで行きます。