宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

◎民主党、全300選挙区で候補者擁立完成 富山3区は相本芳彦アナウンサー

2009年01月20日 19時38分07秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

(写真中央の男性が北日本放送の相本芳彦アナウンサー=同局ホームページ)

 民主党が300小選挙区すべての候補者擁立に成功しました。

 無所属候補の4選挙区は候補者を立てず、北関東の3選挙区で不戦敗の上、県連の力を1区など都市部に集中させるという「影武者」を擁立。解散後に発表する隠し球3人(未公認の小沢一郎さん含む)を含めた合計10選挙区を除き、290選挙区で候補者が決まりました。

 小沢代表は神奈川県での社民党との調整、沖縄での内輪もめ、第3回世論調査(今月の日曜日に実施)に基づく浸透していない候補者の差しかえに専念する見通しです。

 小沢代表は今朝、富山に飛び、綿貫民輔さんの比例転出により空白区となっていた富山3区について、北日本放送のアナウンサー、相本芳彦さんに出馬を要請しました。相本さんは「番組を持っており、1週間ほど考えさせてほしい」と応じました。

 北日本新聞(富山市)電子版によると、小沢さんは「初めて(相本さんと)お会いしたが、しっかりとした理念、哲学を持っている」「近いうちに富山に参り、いい返事をいただきたい」と語りました。

 相本さんは3区の中心都市・高岡市の出身で、北日本放送の午後0時半から午後4時までのラジオ番組のパーソナリティ。連合富山幹部によると、「県内での知名度は極めて高く、特に主婦層に人気がある」そうです。地元ことば(富山弁・高岡弁)を使うそうで、一極集中の時代、それへの賛否は人それぞれでしょうが、地方分権をめざす民主党の政策にはうってつけです。

 民主党のご当地放送人擁立作戦は成功例が多く、秋田県選出参院議員は2人とも地元民放アナウンサー出身です。次期衆院選でも、宮城1区で元東北放送アナウンサーの郡和子さん(現職=前回は比例復活)が優勢、宮城2区でお天気キャスター(気象予報士)の新人、斎藤恭紀さんが極めて優勢なたたかい。愛媛1区では南海放送アナウンサーで夕方のニュースの顔だった永江孝子さんが、元官房長官に対してあと一歩の所まで追い上げてきています。

 夕方のローカル・ニュースの顔、昼下がりのローカル長時間ラジオのパーソナリティへの親しみやすさ(地元意識の高さ)と地方分権を訴える民主党マニフェストの絶妙な取り合わせが利いています。

 一方の自民党。県連は萩山強嚴議員(76歳、比例復活)と、橘康太郎元衆院議員(74)、柴田巧県議(48)の3人の一本化に苦慮。やむを得ず橘氏の長男、慶一郎・高岡市長(47)を立てる動きが出ましたが、これに反発した柴田県議が1月7日、県議団に会派離脱届けを提出するというドタバタぶり。

 小沢さんはこの間隙をついて富山に入ったわけで、タイミングも絶妙です。民主党、社民党の両県連との連絡がうまくいっているのでしょう。国民新党(綿貫後援会)との話し合いも進んでいるでしょうから、世直し3党の共闘は大丈夫でしょう。相本さんの「返事」が待たれます。

 これにより世直し3党の空白区は、岩手4区、東京12区、兵庫8区だけになりましたが、解散後の第3次公認で、東京12区に小沢一郎さん、岩手4区に自治体議員、兵庫8区に自治体首長を公認する方向で最終調整中です。
 
 不戦敗は北関東ブロックの4選挙区。栃木3区(渡辺喜美さん)、群馬4区(福田康夫さん)、同5区(小渕優子さん)は、県連の力を都市部の候補者に集中させるようです。これらは「政権交代の力を県都へ」という影武者を擁立しているわけで、空白区とは意味が違います。

 埼玉11区は「連合埼玉支援」の元職・小泉龍司さんに配慮し、候補者を擁立しないようです。無所属の田中真紀子さん(新潟5区)=統一会派、江田憲司さん(神奈川8区)、平沼赳夫さん(岡山3区)の選挙区には候補者を擁立しないことを県連などが既に発表しています。

 これで世直し3党は全選挙区で臨戦態勢に入りました。全選挙区、小選挙区で必勝。負け犬根性は許されません。当選しても得票率が低めだった総支部長は埋没します。絶対に気をゆるめてはいけません。

人気ブログランキングに参加しています。
1日1クリックずつ押してもらうと、ランキングが上がります。
どうぞお願いします。
 ↓   ↓

  
Tags 選挙 shugiin 衆議院 下町の太陽 国会 DPJ 政権交代 民主党 Democratic Party of Japan 投票行動 民主 誰に入れたら? Japan どこに投票 年金 日経 two-party-system 国会傍聴記 下町の太陽 日本経済新聞 政治部 記者Ozawa,Ichiro 小沢一郎 誰に入れたらいいの Katsuya Okada 第45回衆院選 ブログ 国会傍聴記


相本氏(北日本放送)に出馬要請 小沢民主代表(北日本新聞)

  民主党の小沢一郎代表は二十日来県し、次期衆院選富山3区の公認候補として北日本放送ラジオセンター部長でアナウンサーの相本芳彦氏(52)=高岡市早川=に出馬を要請した。富山市のANAクラウンプラザホテル富山で記者会見した小沢氏はいい結果を期待していると述べた。

 相本氏は知人や友人に相談した上で、できるだけ早く結論を出す意向を示した。

 小沢氏は午前十時半ごろ、同ホテルで相本氏と会い、出馬を要請した後、記者会見した。相本氏について「初めてお会いしたが、しっかりとした理念、哲学を持っている。番組を持っており一週間ぐらい考えさせてほしいとのことだったが、近いうちに富山に参り、いい返事をいただきたい」と述べた。

 次期衆院選に向けて「富山は自民党基盤が強いところだが、県民の良識ある判断で政権交代をなし遂げたい」と強調。

 野党共闘に関しては、相本氏の出馬が正式決定した段階で社民、国民新両党に具体的な協力を求めていく考えを示した。

 出馬要請を受けた相本氏は「要請を受けたばかりでまだ考えがまとまっていない」と説明した上で「自公政権は金属疲労を起こしている。民主党大会での小沢代表の話には心情的に同感できる部分があった」と話した。

 3区をめぐっては、自民党県第三選挙区支部が橘慶一郎高岡市長(47)=一期、旧市一期、中川上町=の擁立を決定。同支部長の萩山教厳衆院議員(76)=比例代表北陸信越ブロック、六期、氷見市鞍川=も出馬に意欲を示す一方、柴田巧県議(48)=三期、小矢部市清水=は無所属での出馬を表明、自民党を離党する準備を進めている。野党では社民党県連が独自候補擁立を目指している。
 
富山3区、民放アナに出馬要請=小沢氏(時事通信) - goo ニュース

 民主党の小沢一郎代表は20日、富山市で地元民放アナウンサーの相本芳彦氏(52)と会い、次期衆院選で富山3区からの出馬を要請、相本氏は「1週間ほど考えさせてほしい」と応じた。同氏が出馬を決断すれば、民主党は社民、国民新両党に協力を呼び掛ける方針。

 同区では、国民新党の綿貫民輔代表が昨年9月に不出馬を表明。民主、社民両党がそれぞれ候補者選定を進めている。


選挙:衆院選・富山3区 柴田県議、無所属出馬へ 自民党に会派離脱届 毎日新聞/富山
 ◇保守分裂、決定的に
 自民党県議の柴田巧氏(48)=小矢部市選出=は7日、次期衆院選・富山3区から無所属で立候補する意思を固め、同党県議会議員会に会派離脱届を提出した。柴田氏の後援会は同日、小矢部市内で拡大役員会を開き、柴田氏の方針を承認。3区での保守分裂選挙は決定的となった。

 3区を巡っては、同党内から柴田氏、現職の萩山教嚴氏(76)=比例・北陸信越ブロック、元衆院議員の橘康太郎氏(74)の3人が立候補を表明し、党公認を申請。党は候補者一本化を目指したが、調整が難航していた。県西部の県議団は昨年12月、「挙党体制を組める候補」として、橘氏の長男で高岡市長の慶一郎氏(47)に党公認での立候補を要請した。

 これに対し、橘氏は公認申請を取り下げたが、柴田氏と萩山氏は反発。あくまで立候補する姿勢を崩さず、対応が注目されていた。

 記者会見した柴田氏は「予備選も開かず、出馬の意思を表明していない人に依頼するのは不透明で、不信感がぬぐえない」と、候補選定の手法を批判。さらに、「(無所属での立候補により)党に反旗を翻すことになり、けじめが必要。離党も覚悟している。有権者の審判を仰ぎたい」と述べた。

 会派離脱は近く、承認される見通し。同党県議会議員会の横田安弘会長は「予測していなかったことで残念。本人の意思は固いが、一本化に向けて慰留は続けたい」と話した。【茶谷亮】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【参院予算委】「定額給付金で国民の矜持に頭が下がる」福山哲郎さん

2009年01月20日 06時46分23秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

【参院予算委員会 2009-1-19 第2次補正予算の政府案と修正案への基本的質疑】

 第171通常国会、参院予算委が早くもスタート。

 ことしは第2次補正予算案がありますので、1月ですが、参院予算委員会で基本的質疑が開かれました。例年は衆院での総予算通過を待って3月まで手ぐすね引いて待っているのですが、「定額給付金」をめぐっていきなりクライマックス。

 民主党、国民新党、社民党の世直し3党は補正から定額給付金2兆円を削除した修正案を参院に提出しました。

 修正案発議者は福山哲郎さん、大塚耕平さん、尾立源幸(おだち・もとゆき)さん。逆転国会(ねじれ国会)の法案の嵐作戦では、参院政審会長・代理として、残業残業また残業で法案を練り上げてきたトリオです。社民党の福島みずほ党首、国民新党の自見庄三郎副代表も加わってくれています。

 私が印象に残ったのは、峰崎直樹さんの質問中の午後2時半。

 福山さんは「今の定額給付金については、生活支援であるのか、景気対策であるのか未だにあいまいだ」と答弁。

 「世論調査を見れば、審議が進むほど、時間が経つほど、定額給付金への国民への評価は下がる一方だ。私は国民は極めて良識的なご判断をいただいていると思います。ふつうなら、お金をもらえるというのならもらっておこうという国民が多いと思うのですが、私は今の国民の世論調査での姿勢に頭が下がる思いでいっぱいです。麻生首相の言う矜持とは違った意味での国民の矜持を見る思いです」

 と語りました。

 参院議員では珍しい松下政経塾出身の福山さん。同塾出身の衆院議員はひとりで偉くなったような顔をしている人も多いのですが、福山さんのこの発言は国民と民主党が一体化していることを証明した答弁だと思います。

 この後、4時34分頃、蓮舫さんも「国民の7割が定額給付金に反対しているのに、総理は必要だとしている。これは国民の理解力が足りない、という思っているのか」と質問し、政府・自民党が国民の声を代弁していないことを証明しました。

 民主党国会議員の9割以上が福山さんや蓮舫さんと同じ考え方と活動手法を共有し、ずっと忘れなければ、この先民主党にどんな困難があっても必ず乗り越えられると考えます。

 ◇

 さて。

 前日(18日)の党大会で新党日本代表の田中康夫さんが

勝利の前夜祭の美酒に浮かれているようだ」といましめました。

 各議員のブログ。

 新潟4区菊田真紀子さんは「ことしの党大会は極めてシンプルでお金のかかった派手な演出もなく終わりました。総選挙の年ですから財政的にも厳しい年になるのでしょう。決して浮き足立つことなく引き締めていくことを確認しあいました

 奈良1区馬淵澄夫さんは「党大会は、選挙の年の財政事情を考慮して節約モード。何も派手にやる必要はない。これで十分。(略)“勝利の前夜祭”との話もあったが決してそんなことはない、ピリピリした空気が充満していた

 と小選挙区勝ち上がりの両議員はしっかりしています。

 比例復活組。小選挙区での初の勝ち上がりまで5ポイント前後の当落線上にいる1回生、広島5区三谷光男さんは「新党日本の田中康夫代表が来賓あいさつの中で、ロビー周りの空気を見て、政権をすでに取ったかのような緩んだ気分がありはしないかとたしなめられました」「田中代表が言われたような気分があったのだとしたら私たちはもう一度政権交代の実現に向けて、気持ちを引き締め直さなければならないと思いました。確かに、状況が少し良いからといって実現できるほど政権を奪取することは、簡単なことではないと私も思うからです」と康夫さんの愛情ある指摘をしっかりと受け止めました。

 その一方で、一新会(小沢グループ)のある議員は「舞台の上下には3人、舞台の下にもたくさんの警備にあたる警官がいました。そして会場周辺も厳重な警備が行われており、昨年までの大会に比べて強化されていると感じました。まさに政権交代が近づいている緊張感の漂う小沢代表のあいさつでした」(※原文とテニヲハを変えています)。

 警官の数(権力)に関心を寄せたうえで小沢代表ヨイショというなんとも一新会の体質を表す表現。

 「国民に頭が下がる」&「政権をとるのは簡単ではない」

 こんな基本が分からない議員や関係者がいるのか?と思うのですが、どうやら少なからずいるようです。

 まだまだですね。

左と右のバナーを1日1クリックずつ押してもらうと、ランキングが上がります。
どうぞお願いします。

 ↓   ↓

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ  
Tags 総選挙,Japan 衆院選 国会 kokkai 民主党 DPJ 政権交代, Democratic Party of Japan,投票行動 Election, 民主 誰に入れたら? 公選法 Japan どこに投票? 年金 人力献金 候補者 two-party-system 国会傍聴記 下町の太陽 Ozawa,Ichiro 小沢一郎 だれにいれたら 選挙ボランティア Okada 日本 この国 nikkei 日経 油断は禁物 公職選挙法 最大の景気対策 首相 内閣総理大臣 政権交代

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする