通常国会が始まると、書きたいことがいっぱいあって、何を書くか、絞らなければなりません。
昨年は1月18日の通常国会召集日に福田首相が施政方針演説、高村外相が外交演説、額賀財務相が財政演説、大田経財相が経済演説(もはや経済一流ではない)の政府4演説をし、そのまま翌年度の総予算審議に入りました。
今年は13日間早い1月5日に召集し、1月22日現在、政府4演説はしていません。なぜでしょうか?それは今年度の第2次補正予算案を審議しているからです。
そしてこの2次補正は昨年10月30日の麻生首相の記者会見「生活対策」を具体化するものでありながら、昨年の第170臨時国会への提出を見送ったものです。
ですから、第171通常国会は松の内に召集され、参院予算委員会で2次補正を審議しているのです。すべては政府・自民党の都合に基づく窮屈な日程です。
ところが、きょうは参院予算委員会は開かれていません。
民主党ニュースの
与党の横暴により参院予算委開催されず 「引き続き開催求める」会見で峰崎筆頭理事
にあるとおり、自民党が昨日、22日(木)委員会で採決→23日本会議で採決とう日程を主張したからです。
参院予算委員会採決とは「否決」であり、江田議長が参院本会議を開いてもやはり「否決」されます。よって両院議員協議会になり、衆院の議決(政府案可決)が優先し、政府予算案が成立します。
このようなややこしい展開のところに、衆院議院運営委員会の小此木理事(自民党)がきのう(21日)「26日(月曜日)に衆院だけでも政府4演説をし、総予算の審議に入る」という方針を民主党に伝えました。
このまま行くと、金曜日~月曜日にかけて、私自身もまったく記憶にない大政局になる情勢です。
今年度補正予算案を審議しながら、翌年度当初予算案(総予算)を審議する「並行審議」も、「衆院単独の施政方針演説」も憲政史上初めてのことです。
こんなに落ち着かない国会で議論ができるわけがありません。
そしてかつてないほど、一部の新聞、TVが見当違いの報道をし、メディアリテラシーの弱い国民が右往左往していることを危惧しています。
きょうのTVは自民党内政局(税制関連法案付則への消費税アップ盛り込み)ばかり報じています。国会内政局(参院民主党と衆院自民党)は憲政史上前例のない大バトルになりつつあることは報じられない。自民党本部のTVカメラの数からして、各局はカメラを参院民主党にほとんど配置していないと思います。
ネット世論は、民主党の石井一副代表が参院予算委員会で麻生首相に「漢字テストをした」という産経新聞の大誤報とそれを後追いしたTV報道に対する賛否で沸騰。私は質疑をリアルタイムですべて視聴していましたが、「漢字テスト」をした事実など全く存在しません。
石井(ピン)さんは、「文藝春秋2008年11月号(の94~105ページ)」に載った麻生論文『強い日本を!私の国家再建計画~小沢代表よ、正々堂々と勝負しよう。私は絶対に逃げない』の中から抜き出した難しい漢字12語をパネルに抽出し、「自民党総裁選挙中に1日しか余暇がなかったあなたがこの論文はすべて書いたとは思えない」と指摘したのです。「自分で書いた」と主張する首相に対して「国会の冒頭、堂々と私とわが自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただしたうえで国民に信を問おう思う」(96ページ1~3行目)という解散権に関する記述を本人が書いていないのかという憲法7条に関する重大な指摘をしました。石井さんは「米大統領のようにスピーチライターをちゃんと置いたらいい」との配慮まで見せました。
このやりとりはNHKが生中継していましたが、午後1時過ぎという夕刊執筆を終えた新聞記者のお昼寝タイムだったので、首都圏で夕刊を発行していない産経記者が「漢字テスト」と誤報、さらにTV局も前後の文脈をよく確かめないで後追い。そして、2ちゃんねるで炎上。もはや世論もシッチャカメッチャカです。
多くの人が「漢字テスト」ではないと指摘していますが、それは現代におけるメディアリテラシーという「格差」の存在を浮き彫りにしています。
ちなみに昨日、ライブドアの掲示板に当ブログについて次のような書き込みがありました。
7486 名前:片言丸 ◆MACDJ2.EXE 投稿日: 2009/01/21(水) 20:33:28
>>7472のブログは、元新聞記者のくせに、あとあとになってみれば間違いだったというケースが多いから、非常にあてにならない。一見信頼できそうな風情を装っているので、タチが悪い。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1146286762/7486
批判されるうちが華ですから、私のことを書いていただいてありがたいです。とはいえ、「元新聞記者のくせに」「間違いだったというケースが多い」ということは、この「片言丸」という人物は、新聞に書いてあることが正しいことばかりだ、と思っているのでしょうか?心配になりますが、私も少し落ち込みました。そうしたら、しばらくして、
7489 名前:とはずがたり 投稿日: 2009/01/21(水) 23:12:08
>>7486結局特ダネ的な記事は無しで憶測で書いてるだけでたまに当たるかも,位なんですかね?(後略)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1146286762/7489
という書き込みがあって、ホッとしました。そうです、このブログは「憶測で書く」という新聞社勤務時代にできなかったことをしているんです。新聞記者時代は、裏付けをとるために、夜、首相秘書官の自宅で7時間ハイヤーでずっと待って、ベタ記事の裏を取るような日々を送っていました。翌朝、総理が国会内に入れば、予算委員会中に総理が外に出ることはありませんから、番記者御用達の議事堂3階の記者室で睡眠をとったり、原稿を執筆したりするわけです。ところが、肝心の議論している「法案」の内容は全く知らない。そうやって、政治家の周りを囲んで、発言を報じるのが日本の政治報道の現実です。
私がこのブログでやっているのは、裏を取らずに想像と予測で書く。そして国会外政局(自民党内政局)ではなく、国会内政局を書く。
もちろん政権交代が最大の目的ですから、選挙の予測数字を入手しても、民主党に良い数字は油断につながるので書かず、民主党の悪い数字も書かない。当落線上は書く。それが当ブログのスタンスです。
私が「マスコミ批判」で危惧していることは、「報道されたことへの批判・反論」が渦巻いていることであって、「報道されないことへの批判」がほとんどないことです。
日経新聞の本社内でデスクが「共産党国会対策委員長に寺前巌氏」という新聞のゲラを見ながら、「こんなの載せる必要あるの?見出しだけで、本文なんていらないんじゃないの」と軽口を叩いているのを見ました。昨日の民主党の峰崎直樹さんの記者会見を報じたTVニュースはあるのでしょうか?
これに関連してひとつ指摘します。鴻池祥肇官房副長官の不倫疑惑に関するTV報道が予想通りピタリと止んだようです。これは予想していました。なぜなら、副長官の不倫相手の配偶者がサントリーに勤めていて、鴻池さんの実家の家業である「鴻池運輸」がサントリーお抱え輸送会社だからです。このことに気付けば、TV局は自己規制をして報道しないだろうと案じていました。実は先週、夜の報道番組を視聴したら、その日のタイムスポンサーに「SUNTORY」の文字があってビックリ。そしてその日の番組は鴻池疑惑の第一報を報じました。“知らずがホトケ”だったのでしょうか・・・
このことに興味のある方は次の2つのホームページを開いてみてください。TV局が鴻池問題を報じない理由が分かると思います。
鴻池運輸の支店所在地↓
http://www.konoike.net/about/domestic02_05.html
TVのCM放送回数ランキング↓
http://www.cmnavi.net/index_ranking.html
まあ、批判というよりもTV局に同情します。これではTV局は報道しようがありません、あくまでも民放というのは商売です。
全否定ではありませんが、TVもダメ、新聞もダメ。そして、断片的な情報に踊らされているネット住民。それを横目にメディアリテラシーの高い人は、踊らずに情報を収集し、分析しています。私は深い哀しみを覚えますが、社会が続く限り、こういう情報格差は永遠に続きます。
断片的な情報ではなく、全部の文脈を読み聞きしたうえで判断する。人間の一日の活動時間は16時間前後なのですから、朝のうちに新聞のラジオ・テレビ欄で入手すべき情報をあらかじめ選択しておく。
来週は、ますますメディアリテラシーが問われる一週間となりそうです。では、最後にテストです。どうすれば、落ち着いた国会、落ち着いた報道、落ち着いた輿論を取り戻せるでしょうか?
答えは衆議院解散・総選挙。
それ以外に答えがあれば、ご教授ください。
日本でもサラリーマン、公務員を“奴隷”から解放しましょう!
と本気(マジ)で考えております。そのためには・・・政権交代しかありません。
ご賛同いただける方は、
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Tags 総選挙,Japan 衆院選 国会 kokkai 民主党 DPJ 政権交代, Democratic Party of Japan,投票行動 Election, 民主 誰に入れたら? 公選法 Japan 誰に投票? 年金 候補者 two-party-system 国会傍聴記 下町の太陽 Ozawa,Ichiro 小沢一郎 Okada 日本 この国 nikkei 日経 油断は禁物 公職選挙法 最大の景気対策 首相 内閣総理大臣 政権交代 民主党 選挙情勢 第45回総選挙 比例代表 情勢分析
昨年は1月18日の通常国会召集日に福田首相が施政方針演説、高村外相が外交演説、額賀財務相が財政演説、大田経財相が経済演説(もはや経済一流ではない)の政府4演説をし、そのまま翌年度の総予算審議に入りました。
今年は13日間早い1月5日に召集し、1月22日現在、政府4演説はしていません。なぜでしょうか?それは今年度の第2次補正予算案を審議しているからです。
そしてこの2次補正は昨年10月30日の麻生首相の記者会見「生活対策」を具体化するものでありながら、昨年の第170臨時国会への提出を見送ったものです。
ですから、第171通常国会は松の内に召集され、参院予算委員会で2次補正を審議しているのです。すべては政府・自民党の都合に基づく窮屈な日程です。
ところが、きょうは参院予算委員会は開かれていません。
民主党ニュースの
与党の横暴により参院予算委開催されず 「引き続き開催求める」会見で峰崎筆頭理事
にあるとおり、自民党が昨日、22日(木)委員会で採決→23日本会議で採決とう日程を主張したからです。
参院予算委員会採決とは「否決」であり、江田議長が参院本会議を開いてもやはり「否決」されます。よって両院議員協議会になり、衆院の議決(政府案可決)が優先し、政府予算案が成立します。
このようなややこしい展開のところに、衆院議院運営委員会の小此木理事(自民党)がきのう(21日)「26日(月曜日)に衆院だけでも政府4演説をし、総予算の審議に入る」という方針を民主党に伝えました。
このまま行くと、金曜日~月曜日にかけて、私自身もまったく記憶にない大政局になる情勢です。
今年度補正予算案を審議しながら、翌年度当初予算案(総予算)を審議する「並行審議」も、「衆院単独の施政方針演説」も憲政史上初めてのことです。
こんなに落ち着かない国会で議論ができるわけがありません。
そしてかつてないほど、一部の新聞、TVが見当違いの報道をし、メディアリテラシーの弱い国民が右往左往していることを危惧しています。
きょうのTVは自民党内政局(税制関連法案付則への消費税アップ盛り込み)ばかり報じています。国会内政局(参院民主党と衆院自民党)は憲政史上前例のない大バトルになりつつあることは報じられない。自民党本部のTVカメラの数からして、各局はカメラを参院民主党にほとんど配置していないと思います。
ネット世論は、民主党の石井一副代表が参院予算委員会で麻生首相に「漢字テストをした」という産経新聞の大誤報とそれを後追いしたTV報道に対する賛否で沸騰。私は質疑をリアルタイムですべて視聴していましたが、「漢字テスト」をした事実など全く存在しません。
石井(ピン)さんは、「文藝春秋2008年11月号(の94~105ページ)」に載った麻生論文『強い日本を!私の国家再建計画~小沢代表よ、正々堂々と勝負しよう。私は絶対に逃げない』の中から抜き出した難しい漢字12語をパネルに抽出し、「自民党総裁選挙中に1日しか余暇がなかったあなたがこの論文はすべて書いたとは思えない」と指摘したのです。「自分で書いた」と主張する首相に対して「国会の冒頭、堂々と私とわが自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただしたうえで国民に信を問おう思う」(96ページ1~3行目)という解散権に関する記述を本人が書いていないのかという憲法7条に関する重大な指摘をしました。石井さんは「米大統領のようにスピーチライターをちゃんと置いたらいい」との配慮まで見せました。
このやりとりはNHKが生中継していましたが、午後1時過ぎという夕刊執筆を終えた新聞記者のお昼寝タイムだったので、首都圏で夕刊を発行していない産経記者が「漢字テスト」と誤報、さらにTV局も前後の文脈をよく確かめないで後追い。そして、2ちゃんねるで炎上。もはや世論もシッチャカメッチャカです。
多くの人が「漢字テスト」ではないと指摘していますが、それは現代におけるメディアリテラシーという「格差」の存在を浮き彫りにしています。
ちなみに昨日、ライブドアの掲示板に当ブログについて次のような書き込みがありました。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1146286762/7486
批判されるうちが華ですから、私のことを書いていただいてありがたいです。とはいえ、「元新聞記者のくせに」「間違いだったというケースが多い」ということは、この「片言丸」という人物は、新聞に書いてあることが正しいことばかりだ、と思っているのでしょうか?心配になりますが、私も少し落ち込みました。そうしたら、しばらくして、
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1146286762/7489
という書き込みがあって、ホッとしました。そうです、このブログは「憶測で書く」という新聞社勤務時代にできなかったことをしているんです。新聞記者時代は、裏付けをとるために、夜、首相秘書官の自宅で7時間ハイヤーでずっと待って、ベタ記事の裏を取るような日々を送っていました。翌朝、総理が国会内に入れば、予算委員会中に総理が外に出ることはありませんから、番記者御用達の議事堂3階の記者室で睡眠をとったり、原稿を執筆したりするわけです。ところが、肝心の議論している「法案」の内容は全く知らない。そうやって、政治家の周りを囲んで、発言を報じるのが日本の政治報道の現実です。
私がこのブログでやっているのは、裏を取らずに想像と予測で書く。そして国会外政局(自民党内政局)ではなく、国会内政局を書く。
もちろん政権交代が最大の目的ですから、選挙の予測数字を入手しても、民主党に良い数字は油断につながるので書かず、民主党の悪い数字も書かない。当落線上は書く。それが当ブログのスタンスです。
私が「マスコミ批判」で危惧していることは、「報道されたことへの批判・反論」が渦巻いていることであって、「報道されないことへの批判」がほとんどないことです。
日経新聞の本社内でデスクが「共産党国会対策委員長に寺前巌氏」という新聞のゲラを見ながら、「こんなの載せる必要あるの?見出しだけで、本文なんていらないんじゃないの」と軽口を叩いているのを見ました。昨日の民主党の峰崎直樹さんの記者会見を報じたTVニュースはあるのでしょうか?
これに関連してひとつ指摘します。鴻池祥肇官房副長官の不倫疑惑に関するTV報道が予想通りピタリと止んだようです。これは予想していました。なぜなら、副長官の不倫相手の配偶者がサントリーに勤めていて、鴻池さんの実家の家業である「鴻池運輸」がサントリーお抱え輸送会社だからです。このことに気付けば、TV局は自己規制をして報道しないだろうと案じていました。実は先週、夜の報道番組を視聴したら、その日のタイムスポンサーに「SUNTORY」の文字があってビックリ。そしてその日の番組は鴻池疑惑の第一報を報じました。“知らずがホトケ”だったのでしょうか・・・
このことに興味のある方は次の2つのホームページを開いてみてください。TV局が鴻池問題を報じない理由が分かると思います。
鴻池運輸の支店所在地↓
http://www.konoike.net/about/domestic02_05.html
TVのCM放送回数ランキング↓
http://www.cmnavi.net/index_ranking.html
まあ、批判というよりもTV局に同情します。これではTV局は報道しようがありません、あくまでも民放というのは商売です。
全否定ではありませんが、TVもダメ、新聞もダメ。そして、断片的な情報に踊らされているネット住民。それを横目にメディアリテラシーの高い人は、踊らずに情報を収集し、分析しています。私は深い哀しみを覚えますが、社会が続く限り、こういう情報格差は永遠に続きます。
断片的な情報ではなく、全部の文脈を読み聞きしたうえで判断する。人間の一日の活動時間は16時間前後なのですから、朝のうちに新聞のラジオ・テレビ欄で入手すべき情報をあらかじめ選択しておく。
来週は、ますますメディアリテラシーが問われる一週間となりそうです。では、最後にテストです。どうすれば、落ち着いた国会、落ち着いた報道、落ち着いた輿論を取り戻せるでしょうか?
答えは衆議院解散・総選挙。
それ以外に答えがあれば、ご教授ください。
日本でもサラリーマン、公務員を“奴隷”から解放しましょう!
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