野田佳彦首相(民主党代表)は選挙サンデーの2012年12月9日のNHK日曜討論で、「内閣改造の際に官房長官を呼んでお願いしたんです。私は(8月8日の自民党・公明党党首との「近いうちに信を問う」との約束を果たすために)近いうちに解散をします。ということは、官房長官は(大阪7区の)選挙に戻れません。(橋下徹大阪市長ら日本維新の会で躍進で)厳しい選挙になりますが引き受けてください」と。その時に、藤村修官房長官は「分かりました。私は責任を完遂します」と言いました。とし、総理は「彼は覚悟をもって公務優先にあたっているはずです」と語りました。
大阪7区には、日本維新の会新人の上西小百合さん、日本共産党新人の石川多枝さん、自民党元職で小泉チルドレンの渡嘉敷奈緒美さん、日本未来の党前職の渡辺義彦さん、民主党前職の藤村修さんの5人が立候補しています。
貧すれば鈍するとはこのことで、藤村官房長官は劣勢が伝えられる大阪7区に帰った際に、番記者に対して、北朝鮮が予告しているミサイル(人工衛星)発射について、「早く上げてほしい」とし、選挙運動に専念したいがゆえの失言をしてしまいました。永田町・霞が関の情報交差点である官房長官の番記者に対する失言は通例報道されませんが、政権末期が近いために報道されてしまったようですが、とはいえ大失言です。
野田さんと藤村さんは1993年政権交代ある政治を目指して日本新党公認で立候補し、当選した35人の新人で、当選直後に細川内閣樹立を達成しました。その後、野田さんは落選を経験し、新進党解党を経験。その後、民主党に合流してからは、野田さんを総理にする会である「花斉会」(かせいかい)を設立。野党時代は20人ほどのメンバー。リーマンショック前でまだ景気がそこそこだったころには、パーティールーム(カラオケ付きのソファで揚げ物を食べたり、お酒を飲んだりするところ)で会合を開いたり、安い居酒屋で飲んだりするという自民党はおろか民主党でも珍しい文化を持ち、異端視されました。しかし、そのかわりにこの20人は結束がたいへん強く、藤村事務局長、手塚仁雄さん、蓮舫さん、近藤洋介さん、武正公一さんら、野田会長(総理)とともに心中する心構えができた珍しいグループです。
野田さんが内閣改造のときの官房長官との会話を披露したことについて、日本維新の会代表で、元自民党清和会閣僚の石原慎太郎さんは「そんなことここで言うことはない。何のために来たんだ、おい」と不規則発言をしました。清和会の後輩にあたる自民党の安倍晋三総裁(シャドウ首相)は悪天候のため、前日、北海道から帰れず中継で出演しました。
[写真]静岡3区の前職、小山展弘(こやま・のぶひろ)さんの支持者がつくった事務所の郵便受け、2012年12月3日(月)、静岡県磐田市内、筆者撮影。
最初で最後の選挙サンデーです。
とにかく100議席はとらせていただきたい。
国会傍聴記としては、民主党が衆議院115議席のときをよく見ていました。これだと、衆議院予算委員は12人が獲得できるわけですが、国土交通委員会でガソリン国会で火を噴いているときは、テレビ入り予算委員会の集中審議に抜擢して、パネル入りで与党を攻撃しました。
この3年3ヶ月間は、政権交代し、自民党が119議席ということで、ベテランが多い中、意外な人が攻撃的で野党的だったりしました。
郵政選挙は民主党は小選挙区で52とりましたが、今回は比例が厳しいので、何とか70~80区勝たないと、110~120議席になりません。参院第1党でも衆院が党執行部、ネクスト・キャビネット、議院運営委員、国会対策委員、各委員会筆頭理事らで回していくには、110~120議席必要です。
公示日と公示翌日に、読売、朝日、日経の10万人以上の電話調査があり、6日付で議席予想、6日付読売、7日付朝日、日経で各選挙区の情勢が掲載されました。大変衝撃的な数字でした。このうち、二大政党の占拠率がどの程度になるかというと、第45回衆院選直後では88%でした。これが解散当日には73%まで減っており、これに関しては一方的に民主党の責任であり、申し訳ないのひと言に尽きます。そして、読売・朝日・日経の調査では、現段階で二大政党の獲得議席予想は71%にまで落ちそうな情勢です。しかし、参院ではどの党も過半数に遠く及ばないのですから、二大政党が政権交代をし、そのたびに、官邸や霞が関の情報が表に出てくる政治を私たちは獲得すべきです。衆院選は民意の集約、参院選は民意の反映ということで、衆院は総理大臣をつくる選挙ということを徹底したいと考えます。
二大政党政治の実現で、人材登用が早くなりました。あの暑い夏の総選挙の直前、警護官(SP)が誰もいない民主党ホールで、記者会見の司会を終えて、ソファで、一服していたノーネクタイの衆院議員。スポーツ新聞の記者から「すいません、都議会議員選挙のことで、お話ししていいですか」と声をかけられ、「私で良いんですか?」とあわててタバコの火を消していました。その人が2年2ヶ月後には内閣総理大臣になる。それが政権交代ある政治のダイナミズムです。
情勢調査によると、2009年初当選の「政権交代チルドレン」のうち、玉木雄一郎さん、後藤祐一さん、岸本周平さん、石井登志郎さん、緒方林太郎さん、大西健介さん、櫛渕万里さん、小山展弘さんが横一線の情勢です。友人とか党内系列とか関係なく言います。何とか、玉木、後藤、石井、緒方、大西、小山、櫛渕、それから50歳代ですが、岸本さん。この8人。ここでも私の中では「仕分け」をしていて、心苦しいばかりですが、心を鬼にして、この8人は絶対に小選挙区で勝たせないといけない。
これは民主党員に限りませんよ。日本のためです。また全国民主党員に言いたいのは、玉木雄一郎。この人は通せば、一気に近いうちに代表候補です。例えば、大平正芳首相は党内政局の上、亡くなりました。中選挙区時代でも政治家を消耗するシステムが日本にありました。大平先生の出身地は香川です。玉木さんをここで立派に小選挙区で2回生にすれば、早ければ今月にも代表かもしれませんよ。仮に民主党代表が連立閣僚にならない場合は、玉木代表で、ベテランが幹事長で脇を固めて、来夏の参院選にのぞむ可能性もあります。真夏の参院選でも玉木さんは43歳だから、大平先生のように倒れません。これは民主党員に限らず玉木雄一郎を育てなければ行けません。玉木さんのブログに奥さんが記したところによると、「息子の尊敬する人は、お父さんです。玉木が、家族のためにも、日本のためにも必死で戦っていることを、息子なりにしっかり受け止めているようです。息子は世界の偉人伝を読むのが好きで、リンカーンやガンジーなどの偉人の写真を自分の部屋に貼っているのですが、その一枚にお父さんの写真が並んで貼ってあります」とのことです。
日曜日です。電話してください。玉木さんの香川2区は坂出市、さぬき市などです。電話してください。香川2区には、民主党前職の玉木雄一郎さん(43歳)、自民党新人の瀬戸隆一さん(47歳)、日本共産党新人の佐伯守さん(52歳)が立候補しています。次のエントリーも参考にしてください。
[当ブログ内エントリーから引用はじめ]
心強い、玉木雄一郎さんカメラ目線でついにテレビデビュー
[引用おわり]
第45期参議院で法案答弁のために参議院本会議の壇上に立ったのは、後藤祐一さん一人だけです。さらに、震災国会では、参院第1委員会室で、菅直人首相に向かって「総理、これじゃダメなんです」と言ったのが後藤さんです。神奈川16区です。厚木市や伊勢原市、愛甲郡、相模原市に新しく合併した旧町村です。日本維新の会新人で吉本芸人の富山泰庸さん(41歳)、自民党新人で参院から院替えした「ヤンキー先生」こと義家弘介さん(41歳)、民主党前職の後藤祐一さん(43歳)、共産党新人の池田博英さん(50歳)が立候補しています。なお、自民党新人は長野県出身で横浜市内に自宅があるように理解しておりますが、地元で活動しやすい状況なのでしょうか。後藤さんは厚木高校ですので、その仲間にも期待です。
[当ブログ内エントリーから引用はじめ]
民主党1年生議員の後藤祐一さん、参院本会議での答弁を実現 法案提出者として
「総理、これじゃダメなんです!」民主党1年生の後藤祐一さん、岸本周平さんが答弁 元気の源は?
[写真]民主党1年生議員の左から後藤祐一さん(神奈川16区)と岸本周平さん(和歌山1区)
和歌山1区は和歌山市です。1期生ながら、民主党税制調査会事務局長を経て、経済産業大臣政務官になった岸本周平さんが56歳ですが、優秀なチルドレンです。和歌山1区には、民主党前職の岸本周平さん(56歳)、日本維新の会公認で元自民党衆院議員の元職、林潤さん(40歳)、自民党新人の門博文さん(47歳)、日本共産党の国重秀明さん(52歳)が立候補しています。このうち、自民党の門さんは、長年やった県議の息子さんと認識しています。お父さんはよく東京の勉強会でお会いしたことがあります。
福岡9区は、北九州市若松区、八幡東区、八幡西区、戸畑区で、いわゆる北九州工場地帯です。北橋健治・北九州市長が長く当選してきました。ここには、日本共産党新人の真島省三さん(49歳)、日本維新の会新人の荒木学さん(47歳)、自民党元職の三原朝彦さん(65歳)、民主党前職の緒方林太郎さん(39歳)が立候補しています。
[当ブログ内から引用はじめ]
緒方林太郎さんが語った「国家の存続」 特例公債法案、衆財金委審議入り
[当ブログ内から引用おわり]
愛知13区は碧南市、刈谷市、安城市など。ここは民主党がずっと勝てた筈の選挙区なんですが、前の人がさぼっていたらしく、また、新幹線三河安城駅前の新住民の方に浸透できずに、取りこぼしていた選挙区ですが、前回大西健介さんに候補者がかわり、初出馬初当選しました。愛知13区には、自民党新人の大見正さん(54歳)、日本未来の党前職の小林興起さん(68歳)、民主党前職の大西健介さん(41歳)、日本共産党新人の宮地勲さん(58歳)も立候補しています。大西さんも党にとって重要な選挙区を任せられるだけあって、当選前から同じ県連内に政治とカネの問題が起きたときには早くから辞任要求をしました。物言える政治家です。
[当ブログ内から引用はじめ]
【前田マルチ事件決着】小沢代表、「自分で考えろ」→前田雄吉さん、離党・不出馬へ
[写真は10月14日の記者会見で前田議員とマルチ商法企業に関する質問を神妙な面持ちで聞く民主党の小沢代表]
前田雄吉・衆院議員(愛知6区比例復活)は15日夜、民主党を離党し、第45回衆院選に出馬しないことを決めました。小沢一郎代表との話し合いで表明しました。
前田議員は、マルチ商法企業から資金提供を受けて、複数のマルチ商法企業の事実上の広告塔といえる役回りを演じていました。衆院予算委員会でマルチ商法を擁護する質問を4年連続で経産省、国民生活センターにぶつけ、「ひどいじゃないですか」「外国では当たり前」「来年もまた同じ質問をします」などという特定団体との利害関係が見え見えの幼稚で悪質な発言を続けていました。
前田さんは民主党内で小沢代表を支持する当選1~3回生でつくる選挙互助グループ「一新会」の事務局長=辞任=でした。
このため、小沢代表自身が14日夜、個人事務所に前田さんを呼んだそうです。「他に献金はないか」と確認した後、前田さんに対し「(対応は)自分で考えろ」と指示したようです。民主党幹部の間で、「厳しい対応が必要だ」との声が高まり、前田さんが15日夜、小沢さんを訪ね、「党に迷惑を掛けた」として離党と衆院選不出馬を申し出たようです。
結果としては、一番いい格好になったと思います。
【同じ県連の新人候補がブログで批判】
とりあえず、民主党の危機管理はうまく言ったと思います。
その中で、非常に感心するできごとがありました。
愛知13区総支部長の大西健介(おおにし・けんすけ)さんが14日付のブログで、前田さんを批判していたことです。大西さんは前田さんと同じ愛知県連。前田さんは48歳の当選3回生、大西さんは37歳の新人です。
大西さんは「その言葉を待っていました!」と題したエントリーで、小沢代表が記者会見で「非常に不適切な行為だ」と語った報道にふれた上で、
(引用はじめ)
本件に関して、鳩山幹事長が前田議員を擁護するかのような発言を行った時には、内心、がっかりしました。
しかし、このニュースを読んですっきりしました。前田議員は党内の小沢代表を囲む政策グループの事務局長ですが、不適切なものは不適切と断じるこの毅然な態度こそ国民が求めているものだと思います。(引用おわり)
として、小沢代表の発言を評価し、前田議員を公然と批判しています。
愛知13区は碧南市、刈谷市、安城市、知立市、高浜市で構成。民主党は最初の第41回衆院選では小選挙区で勝ちましたが、その後3連敗。ところがここは全トヨタ労連の組合員が多く住むベッドタウンなので、3連敗はあり得ない選挙区だと思います。民主党の初代政調会長で、副代表やネクスト外相を務め、現在は議員を引退し、トヨタ車体工業の監査役をしている伊藤英成さんは中選挙区分割時には、愛知13区から出馬した方が有利だと考えていたけれども、トヨタ自動車本社があるのが愛知11区(豊田市、西加茂郡)なので、そこから出馬することになったそうです。分割した地盤は島聡さんに譲りましたが、島さんは前回落選直後にソフトバンク社長室長に転じてしまいました。ちなみに島さんも前田さんも松下政経塾員です。
大西さんは京大法学部在学中に第1回の政策秘書試験に合格。卒業後は参院事務局に入り、外務省からワシントン大使館に派遣され米国連邦議会(キャピタル・ヒル)ウォッチを担当。帰国後、馬淵澄夫(まぶち・すみお)さん(奈良1区)の政策秘書をしていたそうです。そして昨年公募に合格し、愛知13区にパラシュート(落下傘)。
[大西健介さん]
大西さんのことはあまり知らなかったのですが、民主党総支部長にこれだけ潜在性のある人材がまだまだいることに驚きました。
[引用おわり]
静岡3区は磐田市、掛川市、袋井市、御前崎市、浜松市天竜区の旧竜洋町です。自民党新人の宮沢博行さん(37歳)、日本共産党新人の岡村哲志さん(62歳)、民主党前職の小山展弘さん(36歳)、日本維新の会新人の鈴木望さん(63歳)です。私は前回の土曜日から月曜日にかけて、この選挙区に行ってきました。ていねいに組織周りを束ねる小山さんに手応えを感じましたが、広い選挙区なので、そうでもなく、2番手になっています。磐田市出身者が3つ巴という、静岡3区では初めての構図ですが、全域でのご支援をお願いしたいところです。
[当ブログ内エントリーから引用はじめ]
小山展弘・衆議院議員がまさに順風満帆の初質問
さらに、当ブログ内でのエントリーはありませんが、東京23区の櫛渕万里(くしぶち・まり)さんです。町田市と多摩市です。ここには、日本未来の党新人の石井貴士さん(39歳)、日本維新の会新人の伊藤俊輔さん(33歳)、みんなの党新人の白川哲也さん(31歳)、民主党前職の櫛渕万里さん(45歳)、日本共産党新人の松村亮祐さん(32歳)、自民党新人の小倉将信さん(31歳)です。
[写真]櫛渕万里さん(東京23区)。
そして、兵庫7区(芦屋市、西宮市)の石井登志郎さんです。私の尊敬し、この19年間私と党籍が一致する2人しかいない国会議員の一人、石井ピンさんの甥っ子ですが、ピンさんの地元神戸市中央区とは違う選挙区から出ています。兵庫7区には、みんなの党新人の畠中光成さん(40歳)、日本共産党新人の浜本信義さん(59歳)、民主党前職の石井登志郎さん(41歳)、自民党新人の山田賢司さん(46歳)です。ちなみに、山田候補も芦屋出身ではないでしょう。高級住宅地で立候補しようとする人は、より身の程をわきまえた人が必要です。
[写真]石井登志郎さん(兵庫7区)。
ブログゆえ、細かい点の間違いがあればご容赦ください。
このほか、2期生以上で当落線上のうち、次のみなさんも政権交代ある政治において、第2党(バックアップ政党、女王陛下の反対党)に必要なみなさんです。
埼玉1区(さいたま市の見沼区、浦和区、緑区、岩槻区)の武正公一さん。
[写真]武正公一さん。
埼玉15区(蕨市、戸田市、さいたま市桜区、南区)の高山智司さん。
[写真]高山智司さん。
神奈川12区(藤沢市、高座郡)の中塚一宏さん。
[写真]中塚一宏さん、内閣府行政刷新会議YouTubeからキャプチャ。
この3人。
もっとお願いしたいところですが、きりがありません。地元の事務所を訪ねて、公選ハガキを1枚で良いですから書いてください。私は地元に公認候補がいないので、隣の選挙事務所まで行き、党の証紙入りポスターを6枚もらってきました。例年、国政選挙では4~5枚自宅に張りますが、逆風ゆえ脚立に載って6枚張りました。少しでも気合いを示しました。誰のためでもありません。私の心持ちの問題であり、自分ができることは何かを考え、この1週間後悔したくないのです。
電話してください。メールと違って、長距離料金がかかりますが、故郷へ、懐かしい友人へ、親戚へ電話してください。初恋の人にも電話してください。恋が芽生えるかも知れません。選挙とは人生です。選挙とは特別なものではありません。日本に生きるすべての日本人の人生が凝縮されたのが、総選挙です。だから、初恋の人に電話してください。
小選挙区で70以上、全体で110議席以上いただけなければ、政権交代ある政治はまた1回やり直しです。
お願いですから、助けてください。傍観者にならずに、当事者になってください。
反省しています。
伏して、伏して、伏して、伏して、伏して、伏して、伏して、伏して、伏して、お願い申し上げます。
政権交代ある二大政党政治の根を残してください。地域の不満を頭をたれて国政に吸い上げるシステムを残してください。定員20人の委員会も含めて、衆議院を回すためには第2会派は100議席以上必要です。
どうか、電話一本で、日本の議会制民主政治を救ってください。