宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第46期衆議院は、伊吹文明議長(イブキング)、赤松広隆副議長 特別国会召集日

2012年12月26日 18時28分17秒 | 第182特別国会(2012年12月)安倍再登板

 衆議院本会議は、鬼塚誠事務総長が議事をとり、新しい衆議院議長に伊吹文明さん、副議長に赤松広隆さんをそれぞれ選びました。

[画像]議長に選出され、立ち上がる伊吹文明さん。左はこの後、副議長に選出される赤松広隆さん、衆議院インターネット審議中継から。

 赤松副議長の登壇は、国務大臣の演説に対する代表質問など、3時間を超える本会議のときの、午後3時過ぎや、終盤国会で議長不信任案が提出されるときなどに限られます。

 伊吹さんは伝説の第169通常国会「ガソリン国会」で与党自民党の幹事長として強気の国会運営で民主党と対峙しました。第180通常国会では衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会野党筆頭理事として、「やや高めのボール」を投げながら3党合意に結びつけ、衆参ねじれを力に変えました。例えば、基礎年金国庫負担拡充を図る現行制度(自公)案か、それとも、民主党の最低保障年金案かの議論は、「棚上げ」を提案。この「棚」が社会保障制度改革推進国民会議(来年8月までに結論)ということになります。

 上の画像の十数分後、すばやくモーニングと白ネクタイになった伊吹議長。まさに名実ともにイブキングとして、さっそく首相指名選挙を取り仕切りました。


[画像]伊吹文明議長(中央上)に一礼する海江田万里さん、高木義明さん、岡田克也さん、前原誠司さんの民主党各衆議院議員、衆議院インターネット審議中継から。

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民主党の海江田新代表「年明けから反転攻勢」細野豪志新幹事長、高木義明国対委員長を指名 安倍内閣発足へ

2012年12月26日 17時00分21秒 | 第182特別国会(2012年12月)安倍再登板

[写真]海江田万里民主党代表、2012年12月26日(水)、両院議員総会、民主党本部内、民主党チャンネルからキャプチャ。

 民主党は2012年12月26日(水)、海江田万里新代表体制をつくる両院議員総会を開きました。

 海江田代表は大声で「同志のみなさん!!」と呼びかけた後、安倍晋三首相が衆参本会議で第96代首相に指名されたことを受けて、「本日、天気晴朗なれども寒風強し、という感がある」と述べました。これは自民党、民主党両党に向けた言葉だと感じました。そして「冬来たりなば春遠からじ。今年いっぱいは私も(第46回衆院選敗北の)喪に服すが、年が明けたら反転攻勢に出て、明るい民主党をつくっていきたい」と語りました。

 新執行部として、直嶋正行両院議員総会長を続投させた上で、代表代行に大畠章宏さん、幹事長に細野豪志さん、幹事長代行に中川正春さん、幹事長代理に馬淵澄夫さん(衆院)と柳田稔さん(参院来夏非改選)、政策調査会長に桜井充さん(参院来夏非改選)、政調会長代行に松本剛明さん(衆院)。国会対策委員長に高木義明さん、国対委員長代理に松原仁さんを指名しました。

  ネクストキャビネット(次の内閣)について海江田代表は「ネクストキャビネットは野党のときには党規約にもとづき置くことになる。民主党には大臣の経験がある人が多く、安倍内閣と堂々と渡り合え、(さらには)凌駕できる重厚な布陣をしきたい」と語り、人選を一任するよう申し入れ、了承されました。選挙対策委員長、財務委員長らの役員も、海江田代表・細野幹事長に一任されました。


[写真]細野豪志幹事長、2012年12月26日(水)、両院議員総会、民主党本部内、民主党チャンネルからキャプチャ。

 細野幹事長は先の衆院選候補者について、臨時交付金を支給するとしましたが、事務手続きから年明けにしたいと提案し、了承されました。これは政治資金収支報告書が党本部、総支部、各団体とも12月31日締めで決算することに配慮したことによる事務のはんざつさによるものと考えられ、とくだん受ける側は不安がる必要はまったくないでしょう。

 作業中の新綱領の策定作業や衆院選の総括のため、例年1月の通常国会召集前に開いている定期党大会を「先延ばししたい」とし、承諾を得ました。これは、細野幹事長は言及しませんでしたが、自民党大会が3月17日に設定されたことも考慮していると思われます。

 
[写真]高木義明国対委員長、2012年12月26日(水)、両院議員総会、民主党本部内、民主党チャンネルからキャプチャ。

 第1次野党期にも国対委員長を務め、前衆議院議院運営委員長だった高木・新国対委員長は「衆議院(民主党・無所属クラブ)はこぶりになったが、衆参あわせて論客揃いだ。腰を落として脇を締めて、衆参の連携を密にして、論戦の舞台をつくっていきたい」と語りました。

 桜井充・政調会長(参院来夏非改選)は「落選中のみなさんや地方議会のみなさんとも意見交換していきたい」として、政調での意志決定のしくみを松本政調会長代行と二人三脚でつくっていく気構えをみせました。

 最後に大畠章宏・代表代行があいさつ。8期生の大畠さんですが、1990年社会党初当選で、同期の輿石東さん(初当選時は衆院議員)と2人組で、新党さきがけの2人の議員(ともに落選中)の合計4人で、1996年民主党の政策すりあわせをした経験があります。この大畠・輿石ラインの背骨が「大畠代行」ということだと考えられます。大畠さんの出身産別は中立労連系の電機連合で現在の連合会長と同じです。旧総評系日教組出身の輿石さん、それと旧同盟系基幹労連の柳田幹事長代理ないしは高木国対委員長と、連合との関係をもう一度しっかりと構築するシフトに見えます。1998年4月に今の民主党が結集し、7月に参院選で大勝した。組織戦の参院選で、わずか結党3ヶ月の政党がなぜ勝利できたのか。その井戸を掘った人を忘れていたという驕りをしっかりと全党員が反省すべきだ、と私は考えています。

 この後、しばらく露出は減りそうですが、1月下旬から、国会での猛烈な反転攻勢に期待できます。

【安倍内閣が発足へ】

 さて、 第96代首相に安倍ちゃんこと、安倍晋三さん(自民党総裁、衆山口4区)が就任。2012年12月26日(水)、安倍内閣がスタートします。大いに死角ありと言えるでしょう。「お友達内閣」とも揶揄されますが、実際には、3年3ヶ月の下野もあってか、自民党の人材が全員乗船内閣となっているからです。3党合意の前総裁、谷垣禎一法相、総裁選をたたかった石原伸晃総務相、林芳正農相が入閣。NAIS(ナイス)で唯一浪人していた根本匠さんも復興相で入閣。自民党は伝統的に、首相候補を閣外に置くというバックアップ体制をとってきましたが、閣外・執行部外議員を当選回数別にみても、10期の大島理森さん、二階俊博さん、額賀福志郎さん、6期の塩崎恭久さん、5期の小渕優子さん、4期の西村康稔さんぐらいしか閣外から首相になれる人材がいないように思えます。ですから、首相に失言や外交失政があった場合、連帯責任のない自民党衆院議員はほとんどいません。これは過去の自民党長期政権にはなかったことです。

 下村博文文科相は地方議員出身、田村憲久厚労相は世襲議員です。そして、下村さんは福田赳夫首相と同じ出身地であるというだけの理由で清和会だし、田村さんは先代と同じという理由だけで平成研です。自民党は変わっていないとしか言いようがありませんが、幼保一体化の見直しだけでは、これは野党民主党も阻止しなければいけません。古屋圭司・国家公安委員長の先代も国家公安委員長経験者です。法治国家、民主国家において、父と子(血縁関係はない)で国家公安委員長をやることに、私は気味悪さを感じますが、みなさんはどうでしょうか。あるいは、きのうのテレビニュースで既にお気づきの向きも多いでしょうが、同期当選同い年の野田聖子総務会長と高市早苗政調会長は本会議場で怒鳴りあったこともあるなど不仲です。民主党では同期の女性は仲が良いのがフツーですが、自民党は違います。

 死角はいくらでもあります。それに、来年1月下旬からの第183通常国会は、補正予算、本予算でほとんど終わってしまいます。それで7月の参院選の時点で、景気がよくなければどうなるんだ、という話です。

 首相指名選挙の結果は次の通り。 

衆議院 安倍晋三328、海江田万里57、石原慎太郎54、渡辺喜美18、志位和夫8、森裕子7、福島瑞穂2、自見庄三郎1、無効3。

参議院 1回目 安倍晋三107、海江田万里87、渡辺喜美11、森裕子8、志位和夫6、福島瑞穂5、自見庄三郎3、石原慎太郎3、亀井静香1、白票3。

参議院決選投票 安倍晋三107、海江田万里96、無効1、白票30。 

 この参院決選投票で、海江田さんの増えた9票のうち、国民新党3票以外の6票がどこから来たのか気になるところです。

 これに先立ち、衆議院では伊吹文明議長、赤松広隆副議長、佐田玄一郎議院運営委員長が選出されました。

 第182回国会(特別会)の会期は、2012年12月26日(水)から28日(金)までの3日間と、衆参両院とも全会一致で議決されました。

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野党なのに国会1番乗り 民主党の玉木雄一郎さん 夜明けまでまだ時間がある

2012年12月26日 12時55分48秒 | 第182特別国会(2012年12月)安倍再登板

[写真]TBS「みのもんたの朝ズバ」の生中継で2期目の初登院の抱負を語る玉木雄一郎さん。

 夜明けまでまだ時間があるーーは村上春樹「アフターダーク」の書き出しですが、第46期衆議院(第21・22期参議院)のスタートになった2012年12月26日(水)、民主党2期生の玉木雄一郎さん(香川2区)が初めての1番乗りを果たしました。


 衆議院規則第1条は、召集詔書の期日の午前10時までに集会しなければならない、と定めていますが、 玉木さんは夜明け前の国会議事堂正門に並び、1番乗りを果たしました。


[写真]FNNニュース「スピーク」から。

[写真]FNNニュース「スピーク」から。 

 実は玉木さんは、初当選直後の第45期衆議院がスタートした第172回特別国会の朝も午前3時に国会に「集会」しています。ところが、同じ民主党1期生だった三宅雪子氏(除籍、落選)が先に来ていました。ブログでは「二番乗り」のタイトルで、「今日は、初登院の日なので、気合いを入れて、午前3時に国会正門前に来たら、福田元総理に挑んだ群馬の三宅雪子さんが、数分前に、一番乗りされていました。残念!と思いましたが、同じように気合いの入った仲間がいることを知って、頼もしく思いました。ホテルから40分程度歩いて国会に来ました。タクシーに乗っていれば一番乗りだったかもしれませんが、四年間ずっと歩き続けてきたので、この「歩く」スタイルを貫いたことには満足しています」と綴っています。

 
[写真]3年3ヶ月前、国会議事堂に「2番乗り」した玉木雄一郎さん、三宅雪子氏撮影、玉木さんのブログから。

 先週、ある落選議員に、玉木さんをお手本にして臥薪嘗胆したらどうでしょうか、と進言したところ、やはりまだ混乱して新聞をていねいに読めていなかったようで、玉木さんが小選挙区で勝った事実を初めて知った上で、選挙プランナーを雇ったから、その必要はないと言われました(>_<)

 玉木さんも三宅氏を「頼もしい」としていて、きょうのテレビでも「多くの仲間を失った」と言っています。しかし、もう日本も、民主党も、嫉妬やねたみで脚を引っ張る余裕はないし、小選挙区二大政党政治のダイナミズムを国民に浸透しつつあると思います。玉木さんは自分の思うとおり、この4年間思いっきりやることが、臥薪嘗胆する仲間への最大の貢献になるでしょう。2009年民主党初当選(玉木世代)の代表として、これからもぐいぐい引っ張っていってほしいと考えます。

 

 それにしても、自民党の1期生は119人もいるのに、なにしてるんでしょうね~~数が多ければいいわけではなさそうです。

 第46回衆院選の香川2区で民主党公認の玉木雄一郎さんは7万9153票、得票率50・0%で次点の対抗馬に4・5ポイント差で圧勝しました。ところが、選挙区で「玉木」だった人のうち、比例では半分以上が民主党以外に投票しています。小選挙区勝ち抜けは素晴らしいですが、これは困りましたね。玉木さん、これから参院選に向けて、まだまだ、国会内でも地元でも、やることがいっぱいありそうです。

 夜明けまでまだ時間があります。 

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ありがとう 野田内閣総辞職 1年と「3ヶ月」の誇りとともに 3~4年後にまた来るぞ!

2012年12月26日 10時21分00秒 | 第182特別国会(2012年12月)安倍再登板

[写真]官邸を去る野田佳彦さん、首相官邸ホームページから。

 ありがとうございます。

 野田内閣は2012年平成24年12月26日(水)朝の臨時閣議で辞表を取りまとめ内閣総辞職(退陣)しました。仮に衆院選に勝っていれば第2次野田内閣となるところですが、(第1次)野田内閣で終わりました。

 これをもって、2009年8月30日熱狂的な国民の支持で政権交代を実現した民主党は完全に下野し、野田さんらは官邸を去りました。

 私は、よくやったと思います。

 また3~4年後にはふたたび首相官邸を取り戻すこともあるでしょう。そんなに先の話ではありません。それまでは臥薪嘗胆です。

  「1年と3ヶ月」ーー菅内閣と野田内閣は、過去4代の首相と違い、1年と3ヶ月、政権を担いました。菅首相はサミットに2回行きました。平成23年度特例公債法は8月に成立し、平成24年度特例公債法は11月に成立しました。その危険な賭けとひきかえに「1年と3ヶ月」政権を担えました。その「3ヶ月の誇り」を心の糧に、3~4年、臥薪嘗胆していきましょう。なお、3年3ヶ月間政務三役を務め続けたのは、野田佳彦ただ一人。我慢強い男です。

 第95代首相野田内閣は、第79代細川内閣の9ヶ月、第80代羽田内閣の2ヶ月を越えて政権を担うことができました。震災復興と経済と外交と。吉田内閣、池田内閣、佐藤内閣に比べると、からっきし駄目でしたが、それでもよくやったと思います。

 民主党内閣を支えてくださったスタッフ、官僚のみなさま。ありがとうございました。本籍地に帰っても、歴史的政権の官邸で働いたことを誇りにしてください。

 すべての民主党(前)議員と民主党員に言いたいですね。

 胸を張れ、と。

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