【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

小松一郎・内閣法制局長官の更迭を要求「集団的自衛権、耐えられないと思いますよ」松野頼久幹事長

2014年01月26日 10時14分27秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

 伊吹文明衆議院議長は2014年1月20日(月)、山崎正昭参議院議長は21日(火)、それぞれ、24日(金)召集の第186通常国会の政府特別補佐人に、小松一郎・内閣法制局長官を選びました。

 
[画像]2014年1月23日付インターネット官報

 政府特別補佐人は、原恒雄・人事院総裁、小松一郎・内閣法制局長官、杉本和行・公正取引委員会委員長、田中俊一・原子力規制委員会委員長、富越和厚・公害等調整委員会委員長の5名。この5名のためだけの「政府特別補佐人記章」を国会は発行しています。

 ところが、召集当朝の内閣官房長官記者会見(加藤勝信副長官が代理)で、

 「本日、1月24日付で横畠裕介内閣法制次長に内閣法制局長官事務代理の発令を行いました。小松一郎内閣法制局長官におかれては、体調不良のため検査入院をされたところでございます。検査全体には概ね1カ月程度かかると伺っております。1日も早い回復をお祈りしております。」 

 としています。

 このため、横畠裕介・内閣法制次長が政府参考人として、内閣法制局長官の答弁を代行することになりました。ただ、1か月間となると、おおむね、衆・予算委員会での本予算審議のさいちゅうは、ほとんど、横畠法制次長が代理することになります。

 これについて、2014年1月26日(日)放送のNHK日曜討論で、日本維新の会の松野頼久・国会議員団幹事長は

 「法制局長官がいない状態で、(衆・予算委で)集団的自衛権(の解釈の見直し)を議論するは厳しいと思いますよ」

 と語り、小松長官を更迭するよう迫りました。

 私も昨年、小松長官の国会初出席を現地傍聴で見ましたが、委員長から、政府参考人登録が読み上げられるときに、自分ではない人が紹介されているのになぜか自分が礼をしたり、隣に古巣の外務省の参考人が座っていることに気を良くしたのか、彼が紹介されるときにはわざわざ目を合わせて会釈したり、と所在がなさそうで、相当なプレッシャーを感じていることが見て取れました。

 民主党の長島昭久さんに対して小松さんは、
 「私は本年八月に現職に発令されたばかりでございますが、委員が本年の常会において、予算委員会や外務委員会で本件について質疑を行われた議事録を精読いたしまして、委員の問題意識はよく理解しているつもりでございます」
 と、わざわざ議事録をていねいに読んで答弁するのはいいのですが、相手に合わせ過ぎているような気がしました。

 大胆な解釈変更のために、法制局長官に起用されましたが、本人は大胆な性格ではないようです。 

 横畠次長は、法務省採用の検察官出身のはずです。

 この出処進退は、政治家としての安倍総理一人の判断にかかっていますが、検察官出身の次長の政府参考人の答弁では、進むものも進まなくなるでしょう。