第187回臨時国会が2014年(平成26年)9月29日(月)に召集されるのではないか、という「9・29(きゅうてんにーきゅう)召集説」が浮上しました。
これは、産経新聞が報じたもので、9月29日(月)に召集され、12月上旬までの70日強になるのではないかというものです。
私としても十分に賛同できる説です。
今後の政治日程by下町の太陽もブログ版、メルマガ版とも更新しました。
これは1997年(平成9年)の第141回臨時国会も9月29日(月)召集でした。
このブログで何度も言及していますが、「年初の時点で、参議院選挙も、統一地方選挙も、与党党首選挙も、衆議院(解散)総選挙も9割以上ありえない年」というのは1997年以来、2014年は17年ぶりとなります。
1997年は第140回通常国会が1月20日から6月18日まで開かれ、150日間で延長なく終わりました。そして、9月29日召集まで3か月間の「夏休み」がありました。もちろん、私は橋本総理番記者だったので逆に仕事はみっちりあり、「財政構造改革」「行政改革(中央省庁再編)」「日露首脳会談」「内閣改造による佐藤孝行総務庁長官入閣への抗議と辞任」がありました。
1997年は翌年7月に参院選が控えていました。2014年は翌年4月に統一地方選が控えているということで、秋の臨時国会にかかるプレッシャーも同程度だと考えられます。そして、佐藤大臣辞任直後の秋の臨時国会では、「アジア通貨危機」「山一證券自主廃業」「北海道拓殖銀行破たん」「財政構造改革凍結論争」などで政権はピンチに陥り、翌夏の参院選で「自民党は共倒れ連発」という緩みによる地滑り的大敗を喫しました。
2014年9月18日ごろかと思われる安倍晋三首相の国連総会の一般演説で、集団的自衛権に言及するかどうかというが一つの召集前の見どころになりそうです。なによりも、内閣改造で入閣待望組から、秋の臨時国会召集直後に、スキャンダル追及は、今度の予想される顔ぶれからは十分に起きてきそうです。
また、12月上旬まで会期があることで、11月の税制改正論議で、与党内議員が党税調にのめりこみ過ぎて国会を空洞化させたり、逆に党税調が国会が多忙な時にインナーで決めてしまうようなことがあると、与党内のひずみに拍車がかかりそうです。
もちろん、1997年と2014年ではいろいろなことが違います。例えば、1997年11月1日付日経新聞夕刊に、私が書いた記事には「佐藤孝行氏の総務庁長官入閣問題では、9月11日の内閣改造直後から、橋本首相あての電子メールが殺到した。首相あての電子メールは通常1日20件くらいだが、この時は約100件に急増。ほとんどが佐藤氏入閣に対する厳しい批判で首相周辺は衝撃を受けた」とあります。
首相あてメールが1日100件になり、批判が多かったことが佐藤大臣更迭を後押ししたことになります。このなかで、100件中ほとんどが佐藤氏に厳しかったことに首相周辺が衝撃を受けた、とのことですが、最近のSNS(メール、Twitter、2ちゃんねるなど)で、「100件中ほとんど批判」ということがあっても、別段衝撃を受けることではないと考えます。
我が党を代表する政治家である、後藤斎さんは第47回衆院選で山梨1区から出馬する見通しで、地元活動が大変だろうと考えられますが、自民党が候補者調整がついていません。後藤さんは昨年秋の臨時国会で「私も韓国は余り行ったことがないのでよくわかりませんけれども、飲食店、レストランで出すキムチは、ほとんど無料で、食べ放題みたいな形で、ほぼ輸入の方が多くて、中国からの輸入が多い。そして、韓国産と称して中国産を、やはり偽装の問題で韓国政府当局の取り締まりをしているところが、食の偽装で年間数百件ずつ摘発をしているという話もあるようなんです」と語っています。
実績自慢がフツーの政治家でありながら、「韓国は余り行ったことがないのでよく分かりませんけれども、」と語る謙虚さ。あるいは、ネット上で、民主党は韓国人が運営しているという自民党員による書き込みがずっと続くことに配慮して、「余り行ったことがない」と断ったのかもしれませんが、一等国民のほとんどは、ネットに書かなくても、民主党が政権交代ある政党として日本に不可欠だと知っています。後藤さんは我が党を代表する政治家なので、ぜひ、自費でも、この3か月間に、韓国をはじめとする海外に行って大いに見聞を広めていただきたいところだと存じます。
この3カ月間の夏休み。計画を立てて、規則正しく過ごした民主党員が、実りの秋を迎えることになります。
【追記2014年8月23日(土)午前5時50分】
このエントリーは連日多くの方にご愛読いただいており、まことに感謝します。
上の方にはありませんが、このエントリーの翌日7月1日に「集団的自衛権」の閣議決定があり、小野寺防衛大臣が速やかに訪米し、ヘーゲル国防長官との間で、「12月末予定の日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインについて、9月に中間報告をまとめたい」と合意しました。
安倍首相が9月20日前後に、ニューヨーク国連本部を訪れると思われ、その際に、アメリカのホテル・施設などで、日米間で、ガイドラインの中間報告に、総理が署名したり、関係大臣が署名したりする可能性が極めて大きくなりました。結果的に、臨時国会召集前週にガイドラインに署名するという、1997年と同じ展開となりそうです。(ただし1997現行・新ガイドラインは最終報告、今回は中間報告)。
ガイドライン再改定では、「周辺事態における米軍への自衛隊基地(岩国など)武器弾薬の提供」が盛り込まれる可能性があります。これが既成事実化すると、仮に次の総選挙で民主党が単独過半数をとって、海江田内閣が発足しても、「東アジア共同体の鳩山内閣」の大失速からして、ガイドラインの再々改定は不可能と考えられます。二大政党のコンセンサスがある、ガイドライン再改定をしっかりと、私としても訴えていきます。
今後の政治日程にも反映させました。
【追記おわり】
[写真]畔柳信雄・第31次地方制度調査会会長(三菱東京UFJ銀行元頭取、特別顧問)、公益財団法人「日本テニス協会」のウェブサイトから。
連休明け国会第2週で衆議院での法案裁きの週だったことと、安倍首相の集団的自衛権の記者会見があったので、書きそびれたままでしたが、2014年5月15日(木)、第31次地方制度調査会が発足しました。第30次地制調では、西尾勝会長のもと、「指定都市の総合区」「中核市と特例市合併」「基礎自治体同士の連携協約」をとりまとめ、先の通常国会で法律になりました。
第31次地制調では、副会長だった、畔柳信雄(くろやなぎ・のぶお)三菱東京UFJ銀行特別顧問(元頭取)が互選で就任しました。
言語道断、許されない人事です。
三菱東京UFJ銀行は、多くの都道府県市町村の指定金融機関をつとめています。さらに、同行が筆頭株主となる地方銀行は、ある県のほとんどの市町村の指定金になっていたり、逆に2つの地方銀行で県内で骨肉の争いをしていたりしています。
指定金の親玉が地制調の会長になることなどあってはなりません。どうやら自治省出身の事務次官経験者が、中学、高校、大学を通じて、畔柳さんとテニス部の同窓生であることからこのような人事があったように推測できます。
そして、2014年6月30日(月)付の読売新聞1面トップでは、「秋の臨時国会に中小企業地域資源活用促進法改正案を提出する」との報道がありました。
これを読むと、同法は、都道府県が「地域資源」として約1万4000件の特産品を指定し、その生産業者に対して政府系金融機関が低利融資をしています。
改正法案では、市町村が「ふるさと名物」を指定。国が市町村に対して無利子貸し付けをし、市町村が「超低利や無利子で5年~10年程度の貸し付けを行う制度を新設する」(読売新聞記事の表現)としています。
国が市町村に無利子で貸し付けて、市町村が業者に「超低利や無利子で5年~10年程度で貸し付け」たら、その中間マージンは、指定金丸儲けではないですか。業者が倒産しても、そのリスクは国や市町村が負い、指定金は負わない、というしかけが、おそらく提出されてくる改正法案に書き込まれるはずです。
この法律のことを知らなかったのですが、主務大臣は、経済産業大臣、総務大臣、農林水産大臣らになっています。読売記事は「政府は、」としか書いておらず、どの省か分かりません、内閣官房かもしれませんが、いずれにせよ、経済産業省系ではなく、総務省系の職員がかかわっているように感じます。
こういうことをやっていると、毎朝午前5時半に出勤する社員が出世して、子供を保育園に預けてから午前7時半に出勤する社員が遅れをとるというものすごく息苦しい金融界になっていくでしょう。銀行マンは、自転車のペダルを漕いだ数で評価されるべきですが、国から無利子で調達したお金を、超低金利で貸し付けて、利ザヤを稼ぐ商売とは、おそろしく楽であると同時に、ミスひとつで失業します。
先の通常国会でも、融資が貿易保険の対象になり、インフラをつくる海外事業者に政府のあっせんで銀行が出資できるようになりました。このような第3次与党期における自民党政権のじわじわとした、金融国家化に絶対に反対します。
おそらく数年後から、すべての金融機関が個人定期預金が減少することになるでしょう。日本銀行が国債を買い取るようなオペレーションもありうるかもしれません。自民党政策調査会が成長戦略として打ち出した「スーパーリージョナルバンク」は一つの手法として評価したいところです。
とにもかくにも、第31次地制調の畔柳会長は今すぐ辞めろ、と強く要求します。
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