ジャーナリストの安積明子(あづみ・あきこ)さんが、
「野党共闘(泣)。学習しない民進党に待ち受ける真っ暗な未来」を出版されました。
出版社は、ワニブックスPLUS新書で、奥付では、出版日は2016年11月25日、とちょっと先につけてあります。
「健全な野党が存在してこそ民主主義は機能します」とする安積さんは「政権交代が可能な状態ならば、与党も緊張感を持つ」と指摘しています。
そのうえで、蓮舫代表率いる民進党が政権をとれるかどうかを第1章で詳述。民進党は分配経済により経済成長をめざすとしているが、アベノミクスの「支持率が高いのはなぜなのかを理解していないのでしょう」と批判しています。その一方で、玉木雄一郎さんの子ども国債を「国富の形成にとって最重要な要素」と手放しで評価。蓮舫新代表周辺が玉木さんの人事処遇で繰り広げた権謀術数が生々しくルポルタージュされているほか、これに先立ち、蓮舫さんが山尾志桜里さんと一緒に写真に写るときの、蓮舫さんの振る舞いなどが紹介されています。
野党共闘(泣)ですので、日本共産党にも多くのスペースを割き、第24回参院選の党本部の雰囲気の再現や、毎年度の党収入と党員数の減少について、年を追って解説しています。
公明党も、党本部のようすや、国会議員の高齢化に言及。新進党が解党してから、自民党との関係を深めるまでの様子を、ジャーナリストに先立つ、新進党議員政策担当秘書の体験もまじえて書き込んでいます。
なにより注目は、32ページ以降。
「不自然な岡田氏の代表選不出馬表明」という見出しで、日本政界最大の謎となった、7月30日の岡田克也さんの謎の代表選不出馬表明の裏側に迫りました。
定価は830円(消費税別)。
このエントリーの執筆者、評者は宮崎信行でした。
このエントリー記事の本文は以上です。
[画像]きょうの衆議院会議の日程、公報に掲載と同じ内容、衆議院ホームページからスクリーンショット。
【衆議院議院運営委員会 平成28年2016年11月8日(火)】
平成28年人事院勧告を4月に遡って実施するための「国会議員秘書給与法改正案」(192衆法たぶん1号)と「国会職員育児休業法改正案」(192たぶん2号)が起草され、委員長が本会議で提出することを決めたもよう。それに先立ち、本会議の手はずなど。
【衆議院本会議 平成28年2016年11月8日(火)】
画像で示した通り、合計11日程が公報に載りました。
本会議はまず、ケニア国民会議議長一行が傍聴していることの紹介から。
続いて、財務金融委員長から「平成24年社会保障と税の一体改革のための消費税法増税延期法案」(192閣法3号)が報告され、民共維反対、自公賛成多数で可決し、参議院に送られました。これに限らず、きょうは、野田佳彦・首相または野党議員絡みの法律が目立ちました。
総務委員長から、「平成24年社会保障と税の一体改革のための地方税法の一部を改正する法律案」(192閣法4号)が報告され、民共維社反対、自公賛成多数で可決し、参へ。ここで、「社反対」が入っているのは審査した委員会に社民党がいて反対討論をしたからで、本会議の起立採決では、現地の一般傍聴席でもインターネット審議中継でも、判別不能です。
「裁判官報酬法改正案」(192閣法12号)と「検察官俸給法改正案」(192閣法13号)は維反対、自公民共賛成多数で可決し、参へ。「裁判官育児休業法改正案」(192閣法14号)は全会一致で可決し、参へ。
「教育公務員特例法などを改正して、研修制度を改善する法案」(192閣法17号)は、共社反対、自公民維賛成多数で可決し、参へ。
「一般職国家公務員給与法改正案」(192閣法9号)と「特別職国家公務員給与法改正案」(192閣法10号)は、共維反対、自公民賛成多数で可決し、参へ。
「パリ協定条約の承認を求めるの件」(192条約1号参先議)は、全会一致で両院承認されました。
ここで、上の日程の「第十」「第十一」となりました。
議事進行係の笹川博義さんが動議を提出しました。
[画像]動議を提出する、議事進行係の笹川博義さん、向かって左後ろは佐藤勉議院運営委員長、2016年11月8日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
これは「日程第十及び第十一は延期することを望みます」との動議。議長が発声投票を募ったところ、全会一致で決定しました。毎年最初の国会中継で、政府演説の後、 延期動議が出て、代表質問は翌日に延期されています。今回の採決の延期動議は、衆議院先例201では「議事日程に記載された議案で、当日議了の見込みがないときは議事日程を延期するの動議を提出するのが例である」とあります。「議了の見込みがない」というのは言い得て妙だと感じました。
この後、日程追加の動議が出て、上述の「国会議員秘書給与法改正案」(192衆法たぶん1号)が賛成多数で、「国会職員の育児休業法改正案」(192衆法たぶん2号)が全会一致で可決し、参議院に送付されました。
◇衆議院安全保障委員会は開けない状態が続いており、自衛隊給与法案の審議入りは大幅に遅れる。
平成28年度人事院勧告完全実施のための給与法案のうち、衆議院に残るのは、防衛省職員給与法改正案(192閣法15号)のみとなりました。今後議長から付託される見通しの、衆議院安全保障委員会が、岸田外相と稲田防衛相から所信的発言を聞いただけで、中断しており、条約審議を終えた岸田外相らへの質疑があった後に、審議入りするものとみられます。
【参議院法務委員会 平成28年2016年11月8日(火)】
「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号衆修正)と「入国管理法改正案」(189閣法31号)。
関心が高いところですが、自民党の牧野京夫さんの質疑に対する政府の答弁では、フォークリフトの免許が無いのにフォークリフトを運転させたり、門限を午後8時と定めていた事業主がいたとのことでした。仮にこの程度でとどまっていれば、まあフォークリフトはあれですが、奴隷労働とまでは言えないような気がします。
この後、厚生労働委員会と連合審査を開くことを決定しました。
【参議院厚生労働委員会 平成28年2016年11月8日(火)】
まず、社会保障及び労働問題に関する件。日本医師会組織内の自見はなこさんが質問。自見庄三郎さんの娘で、「私は勤務医の経験しかありません」と機関紙で吐露していた自見はなこさんですが、票を見ると、やはり自見後援会のある福岡県で大量得票。仮にそれが無ければ、医師会の集票力も衰えたという感じでした。ただ、やはり厚労委での登板は早かったようです。
一般質疑の後に、「年金加入期間を25年から10年に短縮する法案」(192閣法6号)が趣旨説明。質疑は後日となりました。
この後、上述の外国人技能実習生について、厚労・法務の連合審査会が開かれることになりました。もともと、この法案は政府提出法案として法務省・厚労省共同提出と説明。法相と厚労相双方の答弁を聞きたいところです。ただ、日程は相当窮屈になってきました。
【参議院内閣委員会 平成28年2016年11月8日(火)】
「宇宙活動2法案」(190閣法41号、190閣法42号)について質疑があり、鶴保科技相が答弁しました。民間のロケットがテロリストに破壊された場合は、国が補償してくれるそうです。質疑が終わり、討論になりました。
参議院共産党は長年の伝統を破り、今国会から委員の配置を大幅に異動させました。田村智子同党副委員長が討論しました。
共産党は反対討論し、「民間の宇宙開発のルールは必要だが、1969年に国会は宇宙開発は平和利用に限る、と決議した。しかし、2008年宇宙基本法は安全保障に資する、という条項がある。ことし4月の閣議決定で日米の宇宙の安全保障での協力が明文化された」として反対しました。この宇宙基本法の条文については、当ブログは1年4カ月前に懸念を示していました(関連エントリー宇宙活動法案2016年通常国会以降に提出 日米同盟、集団的自衛権を先取りした宇宙軍事協力へ)。この法律は、野党議員だった野田佳彦さん、細野豪志さんらが推進しており、野田さんがつくった法律は後々物議を醸すことになる火種が残っており、やはり、長期的視点で物事を考えられない人だという人物観を持たざるを得ません。
希望の会(自由党・社民党)も反対しました。今後の表記ですが「希望の会反対」と書くと、希望が無い感じですが、私は野党集約論者ですので、「共希反対」と集約した書き方をしていこうと思います。ちなみに、希望の会の所属議員によると、5人でやっていてほのぼのとしたムードだとのことで、参議院はそれでもいいのかもしれません。
話は戻って、宇宙活動2法案は、共希反対、自公民維賛成多数で可決しました。次の本会議で可決・成立。
【参議院経済産業委員会 平成28年2016年11月8日(火)】
「JOGMEC石油天然ガス金属鉱物機構法改正案」(192閣法8号)が趣旨説明されただけで散会しました。
◇参議院国土交通委員会は開かれず。
「鉄道機構法改正案(192閣法2号)」が審査されている、参議院国土交通委員会は開かれませんでした。政府は同法案を10月上旬成立を希望していました。次の定例日の木曜日には、参考人質疑をする見通し。ただ、きょうなぜ開かれなかったのは、委員長と両筆頭理事、自・民参国対のみ知る、というところのようです。
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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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