【衆議院本会議 平成28年2016年11月25日(金)】
当初会期は11月30日(水)まで。
衆議院本会議では、参議院議員立法の「改正鳥獣被害防止法」(192参法52号)について、北村茂男・衆議院農林水産委員長が審査結果を報告しました。採決の結果、全会一致で可決し、成立しました。来週にも公布され、その日に施行。猟銃免許の更新の研修の特例措置を延長するなどした法律。
大島理森議長は、午後1時5分に「休憩」を宣言。野党席からどよめきがあがりました。その後、午後5時過ぎに、議長が「散会」を議長室などで、宣言したようです。
【参議院本会議 平成28年2016年11月25日(金)】
まず、安倍首相の外交報告がありました。首相は「ニューヨークでトランプ次期大統領と、他の首脳にさきがけて会った。APECや、アルゼンチンやチリ訪問も成果があった」としました。
質疑では自民党の元産経新聞政治部長で山口県の北村経夫さんはひたすらヨイショ質問をしました。公明党で外務省出身の女性の1期生は「わが国がTPPから脱退すると国際的な信頼が大きく損なわれる」 と大袈裟な質問をしていました。
この後、上がり法案の処理。
参法である、「民間あっせんによる養子縁組での児童保護法案」(192参法53号)は投票総数236、賛成236、反対0の全会一致で可決し、衆議院に送られました。衆厚労委がもめており、当初会期内での成立は五分五分だと思います。
「改正防衛省自衛隊給与法」(192閣法15号)は、投票総数237、賛成225、反対12で可決し、成立しました。
「改正裁判官報酬法」(192閣法12号)と「改正検察官俸給法」(192閣法13号) は一括して採決され、投票総数237、賛成225、反対12の賛成多数で可決し、成立しました。続いて、「改正裁判官育児休業法」(192閣法14号)は、投票総数237、賛成237、反対0の全会一致で可決し、成立しました。
これにより、今国会に提出された、給与関係法案はすべて成立しました。きょねんは秋の臨時国会が無かったため越年しましたが、政権与党の単独過半数安定は、多くの国家公務員にも恩恵をもたらした格好になります。配偶者手当は減額されました。
「改正金融機能強化法(192閣法5号)」は投票総数237、賛成215、反対22で成立しました。報道によると、金融庁がさっそく2信組への注入を発表したようです。
「改正地方公務員育児休業法(192閣法11号)」は投票総数237、賛成237、反対0で成立しました。上述の裁判官と同様に、育児休業の対象に「里子」を加える、小幅な改正で、影響を受ける人の数は限られそうです。
昼過ぎに散会しました。
【参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
「最高裁判所裁判官国民審査法及び公職選挙法改正案」(192閣法7号)が全会一致で「可決すべし」と決まりました。前回、新聞投書などで苦情が出ていた、期日前投票の期間を、衆院選と国民審査でそろえる改正。施行日は「公布の日から起算して2か月以内の政令で定める日」なので、首相の解散戦略には関係しません。
衆院側で起案された、「公職選挙法改正案」(192衆法3号)も全会一致で可決しました。4カ月目の参院選で苦情が出た、18歳19歳の水産高校の生徒が洋上投票できる改正。たぶん船員手帳が無くても、洋上投票できるということだと思いますので、後日確認してみようと思います。
来週は当初会期末週なので、月曜日朝10時の定例本会議が既に設定されていますので、月曜日に成立するはこび。
【参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(参TPP特)平成28年2016年11月25日(金)】
公聴会が開かれました。
「TPPの条約承認を求めるの件」(190条約8号)と「TPP国内実施法案」(190閣法47号)。
内田聖子さんらが公述し、自由党の森裕子さんらが質問しました。
【衆議院厚生労働委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
「公的年金の持続可能性向上法案」(190閣法54号)。
まず、参考人質疑があり、東大教授として活躍の神野直彦さん、高橋洋一さん、経団連代表が語りました。
この後、総理入り質疑。
続いて、厚労相に対する、しめくくり的な、質疑。
共産党の高橋千鶴子さんは「大臣に見通しを聞いたが、税や保険料の増やすとは言いづらい立場だろう」と思いやりながら採決に反対し、日本維新の会の河野正美さんは「この法案の最初の質疑が野党席は私一人だったが、きょうは大勢いて心強い」と語り、欠席戦術および今日の強行採決警戒を皮肉りました。
午後4時47分頃、自民党の高鳥修一さんが打ち切り動議を提出したとみられます。民進党が詰め寄る中、丹羽秀樹委員長が打ち切り動議を採決し、自公賛成多数で議決。この後、討論は日本維新の会の河野さんが「賛成」しましたが「積立方式への移行」を求めました。
採決となり、自公維などの起立で、可決しました。ただ、当初会期内では、はまりませんから、会期の延長幅を、首相及び与党が週明けに判断することになりそうです。
【衆議院内閣委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
自民党の平井卓也さんが説明して、「官民データ活用推進基本法案」(192衆法 号)が起案されました。
議員立法ですが、質疑があり、共産党の島津幸広さんは「企業側の利益に立った法案だ」と批判しました。これに先立ち、自民党のふくだ峰之さんは「自民党PT座長をつとめたが、この法案でEBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキングが実現する」と語りました。自・民両党の総務省政務三役経験者が答弁しましたが、クラウドコンピューティングで個人情報が蓄積されているから、個人情報が悪用される心配はない、今のアナログ資料だと個人情報漏えい時にどこから漏れたかたどれない、という趣旨のやりとりがありました。共反対、自公民賛成多数で可決しました。
なお、「カジノ施設法案」(189衆法20号)は趣旨説明されないまま、きょうの会議は終わっています。よって、したがって、当初会期内では、カジノ施設法案の成立はあり得なくなりました。
【衆議院法務委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
「民法債権編(債権法)改正案」(189閣法63号及び189閣法64号)は、審議4日目となりました。野党側筆頭理事が質疑の格好で発言し、「野党筆頭理事としていたずらに法案審議日程を引き延ばすつもりはまったくありません。ただ、判例の積み重ねをたた条文化すればいいという物ではない。今までとは違う性質の法案だと感じている。かなり時間をかけてやりたい」と語りました。
質疑の後は、委員長は「次回の日程は公報で知らせる」としましたので、次の日程は決まっておらず、当初会期内に採決されるようなことはなく、延長にかかわらず、越年は確実です。
【衆議院環境委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
山本公一環境大臣の、COP22気候変動枠組条約締約国会議の出張報告がありました。公明党の斉藤鉄夫元環境大臣ら各党が質問しました。山本環境相は「感無量だ」と政府代表としてのCOP参加を喜びました。その原点として、環境政務次官としてのぞんだCOP3京都会議で、「ナウルの大統領が、地球温暖化で自分の国が沈んでしまうと涙ながらに訴えた」姿に心を打たれたからだと明かしました。
【衆議院決算行政監視委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
民進党の玄葉光一郎決算行政監視委員長が議事をとりました。「平成24年度決算」「平成25年度決算」についての分科会報告を4人の主査がしました。この後、各大臣に各党が質疑しました。午前中の質疑が終わると、「本会議散会後、直ちに再開しますので、委員のみなさんは、本会議が終わったら、直ちに戻ってきてください」と熱意をもって審議をリードしました。
【衆議院文部科学委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
一般質疑がありました。
【衆議院安全保障委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
一般質疑があり、稲田朋美防衛相、岸田文雄外相らが答弁しました。この日の朝、調達をめぐって、海上幕僚長に対する懲戒処分が検討されているとの報道がありました。
【衆議院地方創生に関する特別委員会 平成28年2016年11月25日(金)】
山本幸三、ひと・まち・しごと創生本部担当相・地方創生担当相が所信的発言をしました。質疑などは持ち越しましたので、延長国会になれば、一般質疑はあるかもしれません。
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