黒田日銀の追加緩和、実はできないのではないか 平成27年度予算総則が縛る「80兆円」の天井
黒田東彦総裁率いる日本銀行は、年間80兆円ペースの国債買い取り目標を維持し、追加緩和を見送りました。 が、平成27年度一般会計予算総則からして、追加緩和は当面できないのではないで......
黒田日銀の追加緩和、実はできないのではないか 平成27年度予算総則が縛る「80兆円」の天井
黒田東彦総裁率いる日本銀行は、年間80兆円ペースの国債買い取り目標を維持し、追加緩和を見送りました。 が、平成27年度一般会計予算総則からして、追加緩和は当面できないのではないで......
[写真]秋の夜の国会議事堂、衆議院第1議員会館と衆議院第2議員会館の間の坂半ばから、2016年10月20日、筆者・宮崎信行撮影。
【衆議院本会議 平成28年2016年11月1日(火)】
秋の園遊会の予定でしたが、中止されましたので、午後1時から間断なく審議が続きました。
まず、崇仁親王殿下への弔詞。
「平成24年社会保障と税の一体改革関連の年金最低保障機能強化法により加入期間を25年から10年へ短縮する条項の施行期日を改正する法律案」(192閣法6号)が採決され、全会一致で可決し、参議院に送付。
「JOGMEC独立行政法人石油・ガス・金属鉱物機構法改正案」(192閣法8号)が共反対、自公民維賛成多数で可決し、参へ。
この後、「公的年金制度の持続可能性を向上するための国民年金法改正案」(190閣法54号)が、3月11日(金)の提出後、初めて議題となりました。塩崎厚労相が趣旨説明。代表質問では、自民党の前厚労副大臣とかしきなおみさんが「民進党が年金カット法案と呼んでいることを批判する」としました。
民進党の柚木道義さんは、質問、再質問、再々質問をしました。大島議長は「残り時間は、ちなみに、2分28秒です」と、これまでにない口ぶりで、27年ぶり自民党衆参単独過半数の余裕が浮き彫りになりました。
【衆議院財務金融委員会 平成28年2016年11月1日(火)】
「平成24年社会保障と税の一体改革関連の税制抜本改革のための改正消費税法の一部を改正する法律案」(192閣法3号)が採決され、民共維反対、自公賛成多数で可決されました。
討論では、民進党が「延期には賛成するが、軽減税率に反対。3党合意は世界に誇れる民主主義の成果だ」、共産党が「延期ではなく廃止すべきだ。社会保障財源は、3党合意・一体改革に固執せず、法人税増税などを検討すべきだl、維新が「期日を明記せず凍結すべきだ。あす、議員定数削減を含めた凍結法案を出す」としました。
野党3党は反対ながら、民「延期」、共「廃止」、維「凍結」と、3党合意をめぐる解釈が野党3党で完全に分断されることとなりました。
これに先立つ質疑では、民進党から古川元久税調会長が質問し、「政府が財政再建、財政再建と繰り返すと、国民は、納税分が返ってくる実感をなくす」とし、民進党の蓮舫代表・野田佳彦幹事長らの経済観とは一線を画した議論で「平成29年度税制改正につなげてほしい」と語りました。
【衆議院総務委員会 平成28年2016年11月1日(火)】
足立康史さんをめぐって、30分近く中断しました。
「平成24年社会保障と税の一体改革関連の税制抜本改革のための改正地方税法の一部を改正する法律案」(192閣法4号)を採決。民共維社の反対、自公の賛成多数で可決しました。
【参議院法務委員会 平成28年2016年11月1日(火)】
「外国人技能実習生機構法案」(189閣法30号衆修正)と「出入国管理法改正案」(189閣法31号)が金田法相から趣旨説明されました。そのまま、質疑になり、民進党、公明党、自民党の3会派が質問しました。
民進党の有田芳生さんの質疑では、ベトナム人の技能実習生が、平成25年1万人、26年1・9万人、27年3・7万人と激増していることが政府から答弁がありました。有田さんは私もかつて携行した「地球の歩き方ベトナム編」にその名を見ることができますが、有田さんは「ベトナムでは労働力を輸出するという考え方もある」としました。有田さんは衣替えして発足する「機構には、ベトナム語での相談窓口もできるのか」と問うと、政府は「ベトナム語でのパンフレットを用意するなど相談体制を強めていく」と確約しました。また、一部のホーチミン市の送り出し業者に「他の企業のベトナム人との交流禁止。時間外手当無し。強制貯金。違約金は2000ドル」といった悪徳業者があると指摘。政府側も「指導しながら徐々に排除していく」としました。
同じく民進党の真山勇一さんは、法務省と共管する厚労省に対して、「実習生の労働条件を労働基準監督署はどこまで把握しているのか」と問いました。厚労省は「実習生にも労働協約締結権がある。36協定や長時間労働について、当然労基法令が適用される」としながらも「実習生の受け入れ先に多い零細企業がどこまで理解しているのか懸念がある」とし、啓発を強めることを確約しました。真山さんは「医療通訳の確立も大事だ」と釘をさしました。
自民党の中泉松司さんは「法務委員会では初めての質疑だが、金田法相とは同じ秋田県で、秋田県立秋田高校も同窓。改選の石井議員も、取材している記者も同窓だ」と語りながらも、先輩の金田法相はまったく反応しないという自民党の先輩後輩らしい光景がありました。派閥は中泉さんが宏池会(岸田派)で、金田法相は平成研究会(額賀派)と違うようです。
【参議院内閣委員会 平成28年2016年11月1日(火)】
「宇宙活動2法案」(190閣法41号、190閣法42号)が審議入りしました。鶴保科技相は「民間の参入で雇用の創出につながる。万一の時の損害賠償制度を整える」と法案の趣旨を説明しました。質疑は後日にして、散会。
【参議院国土交通委員会 平成28年2016年11月1日(火)】
「独立行政法人鉄道機構法改正案」(192閣法2号)が、石井国土交通大臣から趣旨説明。参考人質疑をすることを、増子輝彦委員長に一任。質疑は後日にして、散会しました。この、JR東海への3兆円融資に関しては、きょうも別の委員会で話題になっていましたが、法案の成立は確実。
【衆議院東日本大震災復興特別委員会 平成28年2016年11月1日(火)】
大臣所信に対する一般質疑で、東日本大震災復興の総合的調整に関する件。
自民党2期生の石川昭政さんは「東京オリパラの被災地聖火リレーは、(震度6強だった)私も地元茨城県を入れてほしい」と要望。同期の田野瀬太道復興政務官が善処を約束すると、石川さんは「JOC東京五輪組織委員会の森喜朗会長と、田野瀬さんのお父さん(田野瀬良太郎元衆議院議員)は現役時代、たいへん仲が良かったと聞いているのでよろしくお願いします」と、自民党1強時代の政策形成プロセスを垣間見ることができました。
これとは別にある民進党元復興政務官は、仙台国際空港の民間委託後の着陸料補助の延長を要望。ちなみに、東北地方には、国際空港は仙台空港しかなく、これについては明治維新・戊辰戦争をめぐる経緯があるとかねてから言われています。要望自体はそれでいいと思います。民進党政権の成果である、特別会計法改正により、道路特会、河川特会、治水特会は廃止されました。ただし、空港整備特会はいまだに残っています。これは借金があるからです。この経緯は、小渕内閣時代に、空整特会から、将来の着陸料を前借りしてしまったことにあります。そのため航空会社が日本の空港を敬遠する傾向が出て、国地方とも、税金から着陸料を補助する政策が多発しています。これは文字通り自転車操業です。2000年に前後した自民党政権の景気対策により、自転車操業となり、東日本大震災の復興の体力を弱めています。
【衆議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(衆TPP特)平成28年2016年11月1日(火)】
竹下、山井の両国対委員長が会談し、あす採決、4日の本会議で衆議院を通過することが決まりました。
「TPP条約の承認を求めるの件」(190条約8号)、「TPP国内実施法案」(190閣法47号)。
民進党の阿部知子さんは医療保険に関して、条約本体ではなく、サイドレターがあり、法的拘束力がないが、日米間の今後に懸念を示しました。
その後、休憩のまま再開せず、散会しました。
この記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
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[お知らせおわり]
「年金加入期間を、25年から10年へ短縮する法案」(192閣法6号)は、平成28年2016年11月1日(火)の衆議院本会議で議題となり、全会一致で可決し、参議院に送付。
厚労分野では今国会初の衆通過であり、会期も30日まであることから、参議院厚生労働委員会でも審議・可決され、本会議で可決し、成立するはこびとなりました。
このエントリー記事の本文は以上です。
衆議院財務金融委員会及び衆議院総務委員会は、平成28年2016年11月1日(火)昼前、「平成24年社会保障と税の一体改革のための、税制抜本改革ための」、「改正消費税法の一部改正案」(192閣法3号)と、「改正地方税法の一部改正案」(192閣法4号)を、各々、可決しました。
消費税10%への増税を「延期」する法案で、自公が賛成し、民共維社が反対しました。
民進党は「延期はやむを得ない」が、軽減税率の研究の条項などがあり、「反対」。
共産党は「増税そのものに反対であり、延期ではなく廃止すべきだ」としました。
日本維新の会は「期日を示さないで、凍結すべきだ。あす、凍結法案を出す」としました。
社民党は総務委だけで討論し、「3党合意の社会保障歳出に十分充てられていない」と反対しました。
このように、野党3党が、「延期」、「反対」、「凍結」と別れました。
まして、民進党は財務金融委で「3党合意は世界に誇るべき民主主義の成果だ」と述べる始末。
しかし、現下の経済情勢では、廃止すべきだと私は考えます。
私は学生時代に「財政学」を収め、単位を取得しました。土曜日午前中の授業に出ていました。この中で、財政学のプリンシパル原理である、「予算原則」というものがあり、この中で、「ノンアフェクタシオンの原則」という、フランス語があります。これは歳入と歳出を結びつけない原則です。なぜかというと、歳入と歳出を結びつけた場合、歳出が必要なくなっても、歳入があり続けると、無駄な公共事業が続くことになるから。もう一つは、国会の自由を縛るからです。
このように、議会制民主政治と財政の、後年度の自由度を維持するため、ノンアフェクタシオンの原則が大事です。
明らかに、蓮舫代表・野田佳彦幹事長率いる民進党は後年度の自由を奪われていると考えます。
そもそも、「ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則」は財務省の造語です。蓮舫代表は、補正予算の内容について、Twitterでいつも内閣府の資料を参照するという、私には不可解な行為を続けています。
あくまでも仮定ですが、例えば消費税の1%分を地方譲与税にすれば、交付税及び譲与税特別会計から、地方交付税を年16兆円から年14兆円にできます。さすれば、当初予算の一般会計総額は88兆円となりますから、行革無しで「2兆円の削減!」とうたうこともできます。この段落に書いたことは、技術的に不可能な面もあります。
いずれにせよ、民進党は、3党合意を捨てて、消費税増税は、延期でなく、項目廃止にすべきでしょう。
このエントリー記事の本文は以上です。
衆議院総務委員会は、平成28年2016年11月1日(火)午前9時頃、定刻通り始まりました。
冒頭、竹内譲委員長が、「足立康史君に申し上げます」とし、10月27日の総務委員会では、当日審議順を、社民党の吉川元さんと入れ替えるという配慮をしたにもかかわらず、足立委員が委員室に現れないという「前代未聞である」、とし、足立委員を注意しました。
この日の質疑1番目の足立さんに対して、質問に先立ち、発言するよう、委員長は命じました。
ところが、ここで足立さんが「皆さんご存知のように、当日は憲法審査会の幹事懇談会があった」とし、幹事懇が異例の80分間となり、国政の重要事項であるため、総務委員会に来られなかったと発言。委員会の運営についても注文を付けました。
発言そのものも長時間となり、発言中から、与野党理事が委員長席を囲み理事協議に。委員長が発言を制して、「発言から質問に移ってください」と語りましたが、足立委員は「質問の前に、最後に一言」という趣旨の発言をした後、竹内委員長は「運営に関する話もありましたので、理事会を開いて協議します」と語り、午前9時10分前後に「暫時休憩をします」と語りました。
[追記 9時40分]
9時38分頃再開。足立さんは「今後このようなことが無いようにするし、今後ともご指導いただきたい」と語り、議事は正常化しました。
[追記終わり]
きょうの審議は、消費税増税延期にともなう税制改正のうち、国税分を財金委、地方税分をこの総務委と、同じ時刻から並行して審議しており、ボリュームが小さいとはいえ重要事項の消費増税延期法案で、成立は動かないとはいえ、衆参審議に多少の後ずれが生ずるかもしれません。
民進党と産党にいわれなき差別発言をつづける、「維新の質問王」足立さんは、先の通常国会で国会史上初とされる野党から野党への懲罰動議を浴びました。先の通常国会最終盤では「宿舎にいたら、朝、電話で妻から昨日の国会発言を叱られた」「地元に帰ったら支持者から非難轟々だった」とし「もう私の再選は無理だ」とまで発言しました。その後、第24回参院選で地元で2議席獲得したからかどうかわかりませんが、どういうわけか、今国会では急に元気さを取り戻していました。
このエントリー記事の本文は以上です。