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宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

[きょうの国会]TPP6年越しの成立、部落差別、改正がん対策、無電柱化など衆参本会議で法律成立、会期末の前の週の末

2016年12月09日 17時30分03秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

【衆議院本会議 平成28年2016年12月9日(金)】

 会期末の前の週の金曜日ということで、参議院先議の議員立法3本が可決、成立する、というサクサクした会議となりました。

 「改正がん対策基本法」(192参法50号)が全会一致で可決し成立。雇用継続の事業責任を盛り込みました。公布日に施行。当ブログでは、9年前から、山本孝史さんの記事がロングテール(恐竜の尾のように、時間が経っても一定のアクセス数があること)現象になっています。山本さんは、マクロ経済スライド導入の法案で野党側筆頭理事として「選挙区の大阪のおやっさんの生活は厳しい」という理由のみで反対闘争をした人でもあります。ただ、その直後の参院選では、岡田克也代表率いる民主党は勝利しました。

 「民間による養子縁組のあっせん推進法」(192参法53号)も全会一致で可決し、成立しました。公布から2年以内の政令で定める日まで順次施行していきます。

 「建設工事従事者の安全健康確保法」(192参法54号)も全会一致で可決し、成立しました。公布から3か月以内の政令で定める日に施行。この法案は、午前中に委員会で議了した上がり法案の緊急上程。3年前から、午前中の議了法案は、その日の本会議に緊急上程しない「2013年松野ルール」が定着しました。きょうは会期末前週なので緊急上程され成立しました。来週火曜日の本会議は開かない、ということかもしれません。

【参議院本会議 平成28年2016年12月9日(金)】

 「無電柱化推進法」(192衆法9号)が可決し、成立しました。公布日に施行。

 「自転車活用推進法」(192衆法10号)が可決し、成立しました。公布から6か月以内の政令で定める日に施行。

 「改正道路運送法及び改正貨物自動車運送事業法」(192衆法11号)も成立しました。改正法ですが、議員立法です。公布から1カ月後に施行。後述する、きょう公布された平成28年法律100号とあわせて、スキーバス旅行の安全確保に向けた立法措置が閣法と衆法でなされました。

 以上、衆法9号、衆法10号、衆法11号は一括して採決され、投票総数237、賛成237、反対0の全会一致でした。

 「差別解消推進法」(190衆法48号)が投票総数234、賛成220、反対14の賛成多数で可決し、成立しました。当ブログは5月13日に動きを察知し、エントリーを書いて以来、参院選に前後して一貫して反対姿勢を貫いてきましtが、本当に成立してしまいました。採決に先立つ、討論で、共産党の仁比聡平さんは、「断固反対する」と強い口調で、解放同盟を名指しで批判。「定義なく、差別はまだあると規定している」とし、インターネットによる差別は他の法律で対応できるとしました。

 この後、伊達忠一議長が日程追加の動議を出し、参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員長から緊急上程を受けました。

 「TPP条約の承認を求めるの件」(190条約8号)、「TPP国内実施法案」(190閣法47号)

 TPPもついに参議院採決の日が来ました。

 討論。民進党の徳永エリさんは、「5年間、TPP断固反対の立場を貫いてきた」と北海道の支持者にアピール。自民党の三宅伸吾さんは「TPP条約には締結までの期限は無い。歴史は繰り返し、振り子はめぐる。グローバリゼーションの振り子がまた巡ってきたときに、我々は勝たねばらならない。自由貿易と市場経済に、我々は負けるわけにはいかない」と強く主張しました。私も同感です。

 採決は、出席議員の5分の1以上の署名が出て、記名投票表決となりました。ここで、希望の会6名(自由党4名、社民党2名)のうち、2名(山本太郎さんと森裕子さん)が牛歩戦術。午後2時8分頃から、伊達議長は「速やかに投票してください」「速やかに投票しなければ投票時間を制限差ざるを得ません」「ただいまの投票については、2分間に制限します」「制限時間はあと1分間になりました」と語りました。騒動になってから、約5分後に、投票を終了。この後に、山本さん、森さんが反対票を渡しました。参事がこの2枚の票をどうしようか、手に持ち、指示を仰ごうとしたところ、伊達議長から「やれよ、早く」との声がかかりました。

 TPP条約は投票総数235、賛成165、反対70の賛成多数で、参議院も承認し、両院承認となりました。

 この後、TPP法案の記名投票表決。結果は、投票総数235、賛成165、反対70の賛成多数で可決し、成立しました。施行日は「TPP発効日」。両方の集計結果が同じです。議場内交渉が起きていましたので、条約の票には、山本さん、森さんが入っているのかもしれません。

  TPP政局が6年越しの終焉を迎えました。 

【参議院環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会(参TPP特) 平成28年2016年12月9日(金)】

 上に書いた通り、緊急上程され、議了した、「TPP条約と国内実施法案」(190条約8号及び閣法47号)が午前中、しめくくり総括質疑となりました。自民党の平野達男さんは「6年前、菅内閣の内閣府副大臣としてのタスクフォース座長をつとめて、多くの人的資源を投入して今日を迎えた」と語りました。平野さんは自民党に移籍したので、裏切り者ですが、民進党離党直後に誰も話しかけないいじめにもあっていたので、平野さんの話はしみじみと感じました。

 同じく民進党離党組の行田邦子さんは、埼玉県全域での駅頭活動を続けていますが、「けさの駅頭で、まだTPPの審議をしているの?と言われてしまった」と語りました。

 民進党の大野元裕さんは、TPP大綱をやめ、その未執行分を国庫に返納するよう要求。それはその通りだと思います。

 採決では民共希反対、自公維心の賛成多数で可決しました。 

【衆議院国土交通委員会 平成28年2016年12月9日(金)】

 上述した通り、午後の衆議院本会議に緊急上程するため、午前9時から審議が始まりました。

 「建設工事従事者の安全健康確保法案」(192参法54号)が趣旨説明され、全会一致で「可決すべし」と本会議に報告されました。今国会に多いパターンで、まず一般質疑のなかで、一部会派が先取りした質問をして、その後に、審議入りし、速やかに採決しました。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 平成28年2016年12月9日(金)】

 一般質疑があり、東京電力社長らが出席。菅直人さんらが質問しました。

【参議院厚生労働委員会 平成28年2016年12月9日(金)】

 「年金の持続可能性確保法案」(190閣法54号)の参考人質疑があり、神奈川県立保健福祉大学名誉教授ら4名が陳述しました。上に出てきた、山本孝史さんが給付面から反対し、強行採決では、森裕子さんのスカート姿での取っ組み合いしか印象がない、2004年年金改正法ですが、持続可能な国家をつくることが最大の老後の安心だということを、強く主張したい。来週は、年金、カジノが年の納めの駆け引きとなります。

【衆議院法務委員会 平成28年2016年12月9日(金)】 

 別エントリーにしてもいいところですが、とりあえずこちらに書いておくと、「民法債権編改正案」(189閣法63号及び189閣法64号)の質疑は8日目、単純計算で、審議時間は40時間を超えたでしょう。きょうは野党のみの6時間コース。

 民進党の山尾志桜里さんは「会期を考えると成立しない」と語りました。そのうえで、「会期を終えて、来年の常会までの間に、配偶者保証がどのくらい行われているかデータを出してほしい」と小川秀樹・法務省民事局長に求めました。山尾さんは、定型的約款について質問。法制審議会のとりまとめで、内田貴・法務省顧問(兼)東大名誉教授が「契約後に変更されることは本来あり得ないが、法制審の締め切りもあるのでまとめたい」という趣旨の発言をしていたというようなことに言及。この改正法案をめぐっては、内田名誉教授によるとりまとめの関与について、様々な批判が出ているようです。また、山尾さんは法制審議会のプロセスも問題視し、平成10年1998年以降、法制審の民事関係の部会では、全会一致しかないことを答弁として引き出しました。

 民進党の枝野幸男さんは「公正証書があることで、契約に瑕疵が無いことを証明するのか。脅迫や詐欺による融資もあるのではないか」と問い、法務省民事局長は「公証人は、契約の内容そのものを審査する者ではない」との趣旨を答弁し、公正証書の存在そのものが第三者保証などの法的瑕疵の無さを証明する物にはなり得ない、と明言しました。枝野さん自らもいう通り、重要な答弁だっと思います。

 山尾さん、枝野さん双方の質問に答えて法務省は、とりまとめ段階で話を聞いた中小企業は、日本商工会議所の推薦だと、しました。これに対して、政府側自民党の盛山正仁法務副大臣も「私も霞が関(国土交通省、環境省)に居た頃に中小企業金融の話を聞いていたが、その後選挙に出て、地元で話を聞くといろいろ違った」と語り、民進党の指摘に同調しました。

 余談になります。私はある友人の相続に関する相談に乗っていて、土地の登記簿を見たことがあります。そこでは、親族が勝手に担保設定をしてしまったのですが、私のメーンバンクが早い段階で撤退。その後から、「A」という金融機関が取り引きをはじめ、次から次へと極度額を上げながら、何度も担保を書き換え、評価額ギリギリまで融資した後に、リスケして利息だけ取り続けていることが見て取れました。その「A」は、他の会社にも同じようなことをしていることを側聞しました。

 私は「A」とは全く取引は無く、看板がきれいだなとだけ思っていましたが、これを見て、私が、私の父に「Aは良くないね」と聞いたら、「ああ、良くないね」と言われたので、自分の金融機関を見る目に自信がつきました。そして、今秋、東京商工会議所の投票券が私の手元にあったのですが、当日、国会等が忙しくて行けず、夜ホームページを見たら、なんと「A」がトップ当選、東京三菱銀行が2位当選していました。「A」はなぜそこまでして東商会員になりたかったのでしょうか。「A」らに翻弄される近しい人たちを見るにつけ、そういうことに近い所にいるのに、「だけど、父や私は全く関係ないな」と感じられる私が、借り手の代表として、年を越しても、この審議にしっかりくらいついていきたいところです。

【官報 平成28年2016年12月9日(金)】 

 「改正割賦販売法」が平成28年12月9日法律99号。

 「スキーバス事故の罰金を100倍にする、改正道路運送事業法」は平成28年12月9日法律100号。

 「休眠預金活用法」は平成28年12月9日法律101号。として、各々公布されました。ことしの制定法律は100本を超えました。 

この記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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TPP条約と国内法案は、民共希反対、自公維心の賛成多数で両院承認・成立、バスに乗って米国を待つことに

2016年12月09日 14時33分11秒 | 第192回臨時国会(2016年9月から12月まで)条約・カジノ再延長国会

 「TPP環太平洋パートナーシップ協定の承認を求めるの件」(190条約8号)と、「TPP国内実施法案」(190閣法47号)は

 平成28年2016年12月9日(金)の参議院本会議で、両院承認及び成立しました。

 投票は、各々行われましたが、ともに、投票総数235、賛成165、反対70の賛成多数でした。

 自民党、公明党、日本維新の会、日本のこころが賛成し、民進党、共産党、希望の会が反対しました。

 日本の国益と国民生活の向上につながるTPPは、日本、マレーシア、ニュージーランドが先にバスに乗って、アメリカを待つことになりました。 

[当ブログ内からの抜粋引用はじめ]

 

岡田克也民主党代表、TPP国会「来週開け」と要求 条約承認を、法案・予算案より優先すべしとの考えも

2015年10月08日 17時47分52秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 民主党の岡田克也代表は、平成27年2015年10月8日(木)午後2時から民主党本部で記者会見=写真・筆者(宮崎信行)写す=を開きました。閉会中は木曜日午後が定例になるようです。

 岡田さんは、TPP環太平洋自由貿易協定条約について、「妥結するのと漂流するのとならば、それは妥結した方がよかった」としながらも「中身を見れば相当問題がある」と批判しました。

 そのうえで、TPPに関する国会審議について問われると「TPPを説明する国会は来週開くべきだ。政府は国民に対して報道以上の説明をしていない」としました。 

 「臨時国会は当然開くべきだ」としながらも、条約案の作成について「それなりの時間がかかるようならば、まずは閉会中審査をやって、さまざまな準備をしたうえで開くべきだ」と、外務省などの作業が一定の時間がかかることに理解を示しながらも、国会を開くことを重ねて要求しました。

 「アメリカの状況をよく見極めないといけない。TPA(大統領への権限付与と議会への情報開示)法でも与党の民主党の反対が多かった。まして来年になれば選挙もあるので、野党・共和党がどう出るのか分からない」とし、TPPの米議会承認について不透明だとしました。

 その一方、「補正(予算案)と国内(実施)法(案)を条約の承認よりも先にすることはありえない」としました。

 この場合、政治日程として、いったいいつ臨時国会を開いて、いつ条約承認を始めればいいのか、まったく分からない状況といえますが、とにもかくにも、「来週開け」という要求に、与党・自民党がどう対応するかが注目されます。

 このエントリー記事の本文は以上です。 

[当ブログ内から抜粋引用おわり] 

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