[画像]法案100本提出作戦を指揮した、足立康史・衆議院議員、日本維新の会公式ホームページからスクリーンショット。
日本維新の会が、法案提出権を持つ参議院に提出した101法案がすべて、「審議未了廃案」になったことが分かりました。民進党が衆議院に提出した法案は一本を除き全て閉会中審査となり、通常国会に継続しました。
おととい閉会した、第192回臨時国会は、参議院では12月14日(水)の本会議で、伊達議長が突如立ち上がり、「審議終了のあいさつ」をして退室。休憩のまま、散会。再延長国会では、衆議院だけの開催となりました。
参議院は、つるしをおろす、付託の時点で、少数会派が反対を表明することがあります。このため、ここ数年、議員立法は即時付託を心がけている衆議院と違い、参議院では本会議の趣旨説明を省略する議案でも、直前まで、委員会付託(つるしをおろす)しないのが慣例となっています。
このため、維新の101法案は、つるしがおりないまま会期末を迎えていました。ただ、参議院民進党幹部は、「自民党と維新の会が協力関係にあるから、直前に降ろして、各委員会で継続調査にするのではないか」とみていましたが、自民党と民進党が会期末に法案の採決で協力したこともあり、付託されないまま101本が廃案となったようです。
議員立法101本廃案は、参議院史上最多。
民進党の対案49本は、衆TPP特別委に付託された1本は廃案となりましたが、それ以外の48本は衆議院で継続(閉会中審査)となりました。
これに先立ち、参議院民進党では、遅れて提出した法案で、慣例で義務付けられている簡潔な説明資料を提出しないとして、「付託委員会にめどがつかない」と不快感を示していました。また、70名程度しかスタッフがいない、「参議院法制局は過労死寸前だ」と怒り心頭だったもよう。
維新の会は、最年長の片山虎之助さんがいるももの、100本作戦は、国会議員としては新人の浅田均さんと法案提出権を持てない衆議院に属する、足立康史さんらが主導したため、参議院の付託や会期末処理のやり方が分かっていなかった模様です。
とくだん今の政局の関係に無い法案が多いことが幸いして、同じ文面のまま、次期国会に提出しても使えそうではあります。
足立さんらのやり方には、裏方も含めて怒りが充満しているようです。
民進党提出の「対案」は1本を除き、すべて継続審査(閉会中審査)となりました。民進党は衆参すべての委員会で筆頭理事ポストを持っているため、閉会中審査そのものには賛成して、次の会期での、委員会審議入りの前さばきをする理事懇談会などを重視する路線が定着しています。
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これとはまったく別で、民進党提出の議員立法のうち、衆TPP特別委に付託された「マルキン前倒し法案」(190衆法28号)は廃案になりました。同特別委が会期末に開かれなかったため。ただ、マルキン前倒しは、自民党部会でも重要性が指摘されており、次期国会で内容は成就する可能性が高くなっています。
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