【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自公国党首会談が初めて開催、岸田文雄・山口那津男・玉木雄一郎、トリガー条項実務者協議体設置で合意

2022年03月04日 21時42分34秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]山口那津男公明党代表と岸田文雄自民党総裁=2021年10月、大阪府内で宮崎信行撮影=、玉木雄一郎代表=2018年7月・国会内で同=。

 自公国党首会談が、きょう令和4年2022年3月4日(金)開かれました。

 自公国の枠組みは初めて。トリガー条項凍結解除の政策を首相に提言するかたちかと思われましたが、対等な立場である国会内中央部常任委員長室で開かれました。政権再交代後の9年間で、この部屋に首相・自民党総裁が入ったのは通算2回目だと思います。首相と対等な立場での異例の厚遇といえそうです。トリガー条項凍結解除の自公国3党実務者の政党間協議機関の設置が決まりました。

 朝9時から、玉木雄一郎代表と山口那津男代表の「公国党首会談」が史上初めて開催。この後、午後3時から「自公国党首会談」も初めて開催されました。

 前身政党では、前政権からの至上命題と受け継いだPKO協力法をめぐって、小沢一郎幹事長・市川雄一幹事長・米沢隆幹事長の「ワンランライス」トリオが修正可決路線を構築。その後、新進党という一つの党をつくるところまでいきつきました。

 今回は、幹事長会談を飛び越して、いきなり党首会談。公明党は今は与党ですので、岸田さんに呼びかけたかっこう。山口さんと岸田さんはきょねんの9月ないし10月に携帯電話番号を交換しました。

 今後、トリガー条項凍結解除となると議員立法が必要になるほか、軽油引取税は県税で0・8兆円程度の減収が予想され、地方交付税交付金を前倒して交付しておいて予備費5兆円から出すというような処理が必要になります。補正予算案が必要かもしれません。

 公国党首会談となると、1998年3月に、ホテルニューオータニの衆か料理店で神崎武法代表・冬柴鉄三幹事長、中野寛成代表・伊藤英成幹事長が会談して以来かもしれません。この際は、公明党側から「きょうの会合には、都議会の藤井都議、桜井都議もいる。うちの党にとって、このことの重みを理解してほしい」と発言。しかし、この会合は謝恩会だったようで、翌月「民主党」に参加した中野代表らのグループは24年間一度も公明党と組んだことはありません。

 30年ぶりに「ワンワンライス」が復活したともいえますが、党首主導ということもあり、今後の成否はまったく見通せません。

 第26回参院選山形県区(1)で、国民民主党の現職・舟山康江さんしか擁立されていない状況。6年前は自民党がJA県中央会会長を擁立したのでやる気かと思いきや逆だったようで自民が惨敗しました。なので、遠藤利明選対委員長らの山形県区の動きも注目です。

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岡田克也、プーチンの狂気が世界を恐怖に突き落とす中、因縁の林芳正後輩外相と金のネクタイがかぶる奇跡

2022年03月04日 18時21分13秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]金のネクタイが偶然かぶった岡田克也議員と林芳正外相、きょう2022年3月4日の衆議院インターネット審議中継から各々スクリーンショットしトリミング。

 プーチンの狂気は、原子力発電所をミサイルで炎上させるところまでいきました。日本でも第137代外務大臣の岡田克也さんが、現・第151代外務大臣に「ウクライナの邦人保護では、外務省は邦人の配偶者・子供全員を日本人と同等として救出、退避させるべきだ」と迫りました。

【衆議院外務委員会 きょう令和4年2022年3月4日(金)】
 大臣所信に対する一般質疑があり、最後に「いわゆる思いやり予算改め同盟強靭化予算の5年延長協定の承認案」(208条約1号)が審議入りして、散会しました。

 一般質疑で、常連の岡田さんが登場。因縁があって、岡田さんは2009年10月29日(木)の参議院本会議で初めて政府役職で答弁しています。このときの質問者は参議院自民党の林さんで、岡田さんは「外務大臣の岡田克也です。衆議院においては私に対する質問はありませんでした。答弁の機会を与えていただいた林議員に感謝申し上げたいと思います」と語りました(国会会議録)。きょうは、感染防止のアクリル板越しに、金色のネクタイ、白いマスク、白いワイシャツ、紺のスーツがかぶる偶然。プーチンの狂気に世界が左右される金曜日に両者が秘めた気迫が通じたのかもしれません。岡田さんは来週火曜日に審議入りする「自衛隊法改正案」(208閣法26号)を先取り質問し「違和感はないが、8月15日のアフガニスタン・カブール陥落の際に500人の日本人を自衛隊機で退避できなかったことの検証をすべきだ」としました。岡田さんは「日本では難民申請がほとんど認められない」とし、特例としてほとんど認められた南ベトナム政治難民の対応をウクライナでもすべきだとしました。

 きょうの委員会ではもう一つ奇跡が、早稲田大学鵬志会の松原仁名誉会員(商学部・65歳)と和田有一朗初代幹事長(社会科学部・57歳)が質問者で顔を合わせました。松原さんは「より一層G7重視を」和田さんは「台湾有事に備えを」と語りました。

●枝野幸男委員が属する衆議院国土交通委員会は、火、水、金が定例日だとされますが、開催されませんでした。 

【衆議院内閣委員会 同日】
 「人事院勧告実施のための一般職、特別職国家公務員法改正案と育児・介護休業法改正案」(208閣法7号、208閣法8号、208閣法9号)が審議入り。答弁はこの法案も二之湯智・大臣(今夏改選で不出馬)になります。

【衆議院法務委員会 同日】
 「裁判所職員定員法改正案と裁判官育児・介護休業法改正案」(208閣法12号、208閣法13号)の質疑1巡目2時間コースがありました。ウィシュマさんのご遺族が名古屋地裁に国家賠償請求を提訴。現場の名古屋は反省・意気消沈しているそうで霞が関の姿勢が問われる裁判になるかも。次回の委員会は9日(水)9時。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 「関税定率法改正案」(208閣法5号)が趣旨説明。9年ぶりの新大臣、鈴木俊一財務大臣が読み上げました。

【衆議院環境委員会 同日】
 山口壮環境大臣が所信的あいさつ。
【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
 西銘恒三郎大臣が所信的あいさつ。これに先立ち、委員長らが3・11を前に黙とうをささげて、立憲民主党の金子恵美筆頭理事をはじめ全員が黙とうしました。
【衆議院厚生労働委員会 同日】
 「雇用保険法改正案」(208閣法14号)が趣旨説明。
【衆議院経済産業委員会 同日】
 一般質疑。「ガソリン国会」になるかも。

【衆議院議院運営委員会 同日】
 まん延防止措置が3月21日まで延長。
【参議院議院運営委員会 同日】
 朝9時40分から夜7時まで「3ラウンド制」となりました。
 第1ラウンドは本会議の段取り。第2ラウンドは国会同意人事で、人事院人事官候補と第3代の原子力規制委員長候補の所信とそれに対する質疑。第3ラウンドは蔓延防止措置の延長。

【参議院本会議 同日】
 「所得税法など改正案」(208閣法1号)の趣旨説明と岸田文雄首相らに対する代表質問。重要広範議案なので首相も2時間座りました。立憲民主党の古賀ゆきひとさんは「総理は与党税制調査会と審議すると答弁しているが、与党税調は政府税調と違って議事録がない」としました。また古賀さんは「アベノミクス、クロダノミクスで物価が上がらないのに、都会のマンション価格だけ上がり、パワーカップル以外は持ち家を持てない」とし、政府の見解として斉藤鉄夫国土交通大臣が「世界的な建設資材の価格上昇と日本の人手不足が原因だ」としました。

【参議院予算委員会 同日】
 「令和4年度予算案」の審議は8日目で、一般質疑4日目。維新の梅村聡さんの特措法の感染症分類の話に政府がまったくついていけない場面がありました。共産党の紙智子さんは食料支援に政府が直接乗り出すよう働きかけましたが、政府は民間の活動を支援したいと述べるにとどまりました。

 週明け月曜日は朝9時から午後5時まで集中審議「新型コロナウイルス感染症対応等」。

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コロナ死者2022年2月が日本過去最悪で世界の劣等生、岸田文雄首相ゆうべの記者会見で「政治は結果責任ですから、そうした結果になってしまったことについては、おわびを申し上げなければいけない」

2022年03月04日 08時26分13秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]岸田文雄首相、きょねん2021年9月、宮崎信行撮影。

 日本国民全員がふんどしをしめなおす必要がありそうです。

 「ジョンズ・ホプキンス・大学」のまとめでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による日本の死者は、先月2022年2月が4855人となり過去最悪となりました。世界中で過去最悪となった国は他に、フィンランド、デンマークほどしかないようです。ことしの1月から3月にかけて、豪州、韓国、ポーランドも過去最悪水準で推移していますが、それ以外のほとんどの国ではこの2年余りの最悪の月の半分以下の死者となっています。

 あまり危機感を感じられないのは、日本人社会の傾向としてありがちと指摘される、慣れやすいバイアスのせいかもしれません。

 施設入所の高齢男女と、家庭内での子ども・30代から40代の中年男女の感染拡大が原因。日本で高齢者が人口比で多いのは、おととしと変わりませんから、日本政府の失策は明らか。財務省の出し惜しみで、ステイホームせずに収入を得るために外出しないといけない中年男女は多数います。

 岸田文雄首相はゆうべ2022年3月3日(木)の記者会見で、「いずれにせよ、お亡くなりになられたということは、政治として、政府として、これは重く受け止めなければならない。政治は結果責任ですから、そうした結果になってしまったことについては、おわびを申し上げなければいけないと思っています」と語り、謝罪しました。

 東京新聞生島記者の「今回のオミクロンの流行では、重症化に至らずに基礎疾患を抱えている方、高齢者の方を中心にお亡くなりになるケースが人数も割合も非常に多くなっています」との問いに答えました。

 当該部分の質疑応答は次の通り。

首相官邸ホームページから抜粋引用はじめ]

(内閣広報官)
 では、次は東京新聞、生島さん。
(記者)
 東京新聞の生島といいます。よろしくお願いします。
 まん延防止等重点措置の関係でお伺いします。先ほど総理は重症病床にピーク時でも余力があるというお話がありましたが、今回のオミクロンの流行では、重症化に至らずに基礎疾患を抱えている方、高齢者の方を中心にお亡くなりになるケースが人数も割合も非常に多くなっています。政府の分科会の尾身会長などは、今回、感染が高止まりしている要因として、3回目のワクチン接種の遅れというのも要因の一つに挙げていらっしゃるわけですが、計画どおりに高齢者の接種が進んでいないこと、また、高齢者を中心に多くの方がお亡くなりになっていることの政治的な責任というのを、総理はどのようにお考えでしょうか。
(岸田総理)
 まず、お亡くなりになっている方の中には、基礎的疾患をお持ちであり、オミクロン株、コロナの重症の症状を示す前にお亡くなりになっておられる方もおられるということで、様々なケースがあります。しかし、いずれにせよ、お亡くなりになられたということは、政治として、政府として、これは重く受け止めなければならない。政治は結果責任ですから、そうした結果になってしまったことについては、おわびを申し上げなければいけないと思っています。
 しかし、政府としては、全体の感染拡大防止策、これをしっかり用意する、これが政府にとって最も大事な役割であると思っています。そういった観点からワクチンによる予防と、検査による発見、そして経口治療薬等による早期治療、こういった体制を作ってきた。そしてその大前提として病床の確保に努めてきた。こういったことです。
 そして御指摘のように、ワクチンの接種が遅れたのではないか、こういった指摘、これについても、我々の今までの取組、しっかりと振り返りながら、しっかり説明をしていかなければならないと思っています。ワクチンの接種については、我が国において去年の10月、11月まで1回目、2回目の接種を行ってきた。その後、2回目の接種から一定の期間、間隔を空けなければいけないという条件の中で、昨年の11月に薬事承認を3回目のワクチンについて行い、12月から接種を開始した。そしてその後、接種間隔を短くするべく努力をしてきた。こうしたことであります。
 結果として、今現在、ワクチン接種対象者の方々、2月末で3700万人でありましたが、そういった方々に十分なワクチンの量は全国にしっかり配布をいたしました。そして、それを接種する体制についても、全国の自治体等に御協力を頂き、また、大型接種会場あるいは職域接種会場、こういったものを用意して、接種する体制も作りました。そしてワクチンの接種券についても、6000万人分の接種券をお送りいたしました。このようにワクチンの量は確保し、そして打てる体制も用意した。そしてワクチンの接種券もお送りした。あとはできるだけ多くの方々に接種に足を運んでもらう。このために有効性や安全性についてしっかり説明をする努力もしていかなければならないと思います。
 このように量を確保し、体制を用意し、できるだけ多くの方々に接種会場に足を運んでもらう。そもそも3回目の接種というのは、全世界において、今、取組が進められていますが、なかなか接種回数が積み上がらない、こういった事情もあるようです。3回目の接種については、日本より先行していた国々においても、アメリカでもまだ接種の率は3割行っていないという状況です。イギリス、フランス、ドイツも接種の割合は5割前後という状況であります。各国とも3回目の接種については、接種の数を拡大する上で苦戦しているようですが、日本としても、今申し上げましたように量と体制と接種券、これは政府としてしっかり用意しましたので、できるだけ多くの方々に御理解と御協力をいただけるよう努力を続けていきたいと思っています。

[抜粋引用おわり]

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