【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【枝野幸男】「日本は西欧よりも厳しい経済制裁をしてロシアを一気呵成に追い込め」安全圏から鋭い弓矢を放つ

2022年03月06日 20時26分12秒 | 国際
[写真]枝野幸男さん、おととし2020年5月、宮崎信行撮影。

 枝野幸男さんが安全圏から鋭い弓矢を放ちました。

 枝野さんはツイッターで、ロシア軍のウクライナ侵略で「今こそ非軍事の対抗措置を強化し、ロシアを一気呵成に追い込むべきだ」としました。枝野さんは「経済制裁などの対抗措置には反作用が避けられず痛みを伴います」としつつ「日本も大きな痛みを伴いますが、ドイツなどの西欧諸国と比べて相対的に小さいことは間違いありません」とし日本は資源・穀物を含めて安全圏だとの現状認識を示しました。首相ら政府はこれまでこのような現状認識は答弁していないと思います。

 先々月からウクライナの首都「キエフ」大統領府近くで取材を続けるフリージャーナリスト田中龍作記者は「田中龍作ジャーナル」で、レジスタンスのために土嚢を積む同国民の姿を報じています。

[写真]ウクライナ中心部に土嚢を積む同国民、きょう(日本時間同)、キエフ・田中龍作記者撮影・配信。

 田中記者は、おととしごろ、衆議院本館内の枝野代表月例記者会見で「消費税を廃止する公約を出すか」と問い、枝野代表が岡田克也副総理・川端達夫総務大臣らを念頭に汗をかいた人たちに配慮しては廃止しないとしたところ、田中記者が「屁理屈だ」とあおり、枝野代表が気色ばむ場面もありました。このシーンは動画で切り取られ拡散されたことで、やや枝野さんに分が悪い展開となったのかもしれません。両者を知る私に言わせれば、二人とも日本を愛する心が強いのだと思います。

 枝野さんは「今回の危機に対して、日本が、西欧諸国以上に対抗措置の副作用による痛みを積極的に引き受け、最大限の貢献をするべきです」「日本が半歩先の強い措置を取り、負担を積極的に引き受ける意思を示すことが望ましい 」とし「政府にも働きかけていきます」と強調しました。



 「ウラジミール」ことプーチン大統領と安倍晋三首相ら自民党政権は、日露関係を「最も可能性を秘めた二国間関係」と外交青書(2020年版)で書き出すほど近づきましたが、対露直接投資残高が1688億円、輸出入が月2000億円程度の関係でしかないようです。共同通信世界年鑑(2020年版)によると、露の貿易総額の5%未満。露の主要農産物は小麦・甜菜・ジャガイモで、主要工業品は鉄鋼・機械・航空機・自動車・武器となっていますので、日本の実業への影響はほぼ皆無に近そうです。

 今の若い方はご存じないかもしれませんが、枝野さんは「もう一度坂の上の雲を目指そう」と能天気な記者会見をする菅直人首相のもと、2011年3月11日の東日本大震災の際は「SPどこ?」と官邸まで走り、12日早朝に東京電力福島原子力発電所にヘリコプターで、15日早朝に新橋駅前の東電本店に乗り込み「60歳以上は決死隊を編成しろ」とすごむ菅首相の銃後を、枝野・福山哲郎正副官房長官として守りました。いつも安全圏にいるわけではありません。

 人類の歴史上、欧州・キリスト教世界で最も面積が広いのはロシアであり、ロシアに戦争で完勝した有色人種は日本人が初めてです。日露戦争がなければ、中南米は別として、アフリカ大陸も、東南アジア・南アジアの大統領は今でも白人だったかもしれませんし、ロシア革命・辛亥革命も起きていなかったかもしれません。フランスやロシアの白人が夢を見て留学する、世界のあこがれ自由な日本は、ロシアと平和条約すらないのですから、気兼ねする心配などなにもありません。

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