[写真]石井啓一・公明党幹事長、5年前の2017年10月、茨城県内で、宮崎信行撮影。
当ニュースサイトは先週、「政局は早くも追加経済対策の個人プレーでの先陣争いとなります」と書きました。玉木さん、高市さん、あるいは山口代表(参議院議員)あたりかと思っていましたが、先陣を切ったのは意外にも石井啓一・公明党幹事長でした。
きょう付けの公明新聞2面によると、石井幹事長は、横山信一参議院議員=全国比例で北海道東北重点=の党青森県本部のセミナー(青森市内)で「今夏の参院選で自公が過半数をしっかり確保し、政権基盤をがっちり固めなければ、今の難局を乗り越えることはできない」とあいさつ。ロシアのウクライナ侵略に伴う原油価格の高騰や物価上昇で「公明党国民生活総点検・緊急対策本部」を設置したとしました。
そのうえで、石井さんは「2022年度予算が成立し次第、追加経済対策を政府に求めていく。足元の原油・物価高をはじめ、企業、国民生活を守るための対策を提案したい」と述べました。
セミナーは、きのう令和4年2022年3月19日(土)に開かれました。
山口代表と石井幹事長は出身地と選挙区が「たすき掛け」。同じ党で同じ県連の議員は仲が悪いに決まっていますが、山口さんと石井さんは利害対立がないため仲が良いとされています。連立与党内での石井幹事長の影響力は、麻生副総裁より低いけれども、鈴木財務大臣や高市政調会長よりも上で、ナンバー5には入るでしょう。
とはいえ、衆議院議員である連立与党幹事長が身内の会合とはいえ、成立次第との条件付きとはいえ、追加対策に言及したことは、参議院で審議中の「令和4年度予算案」が不完全だと認めたことにもなり、22日(火)午前9時からの締めくくり採決をめぐって、野党の難波奨二国対委員長(今夏勇退)が反発することも予想されます。
こちらは、現地「キエフ」から報道を続ける田中龍作ジャーナルの写真で、
[写真]キエフ市内のアパート、18日、田中龍作記者撮影。
キエフ市内のアパートが爆撃されて、壁がはがれたのに、部屋内部が健全だという奇妙な風景。ロシア軍が新型の爆弾を在庫一掃のように使ったかもしれません。同じ場所ではロイター通信の写真も配信されましたが、田中記者の写真の方が横からのアングルが鮮明です。その一方、ロシア軍は宇北部では開戦3週間で難航した陣地を前提に塹壕を掘っているとの衛星写真情報も英国軍事筋から出ています。いずれにせよ、隣国・ロシアの戦争が長期戦になるのは確実。
わが国には、原油や小麦パンの価格が上がるような影響があるかもしれません。それでいて米欧英の中央銀行は利上げをしてくるとみられます。オミクロン禍での、マスコミ業界の雇用や月給制でない家庭の収入の先細りも予想されており、追加経済対策は急務。
しかし、これを仮に補正予算として成立させるとすると、6月6日には鈴木財務大臣の財政演説を本会議でやらないとまにあいません。その場合は、補正予算案の閣議決定は、5月17日ごろにはしないと間に合いません。
安全保障の知識が必要な追加経済対策というのは自民党・公明党としても初めての経験と思われ、軍事オタクの山口代表や、外相経験者の茂木幹事長、タカ派の高市政調会長らのとりまとめは難航するかもしれません。
ですから、第26回参院選(6月22日公示から7月10日投開票)に向けた人参ぶら下げ追加経済対策になるかも。また、6月15日(水)の第208回通常国会閉会後に、サミットに加えて、核禁止条約締約国会議も入る日程となりました。岸田文雄首相がサミット最終日に「来年は広島で」と提案しつつ、核禁止条約締約国会議にはオブザーバー参加しないという背骨がしっかりしない対応をした場合は、支持率が突如急落することも予想されます。
このエントリーの本文記事は以上です。
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きょう付けの公明新聞2面によると、石井幹事長は、横山信一参議院議員=全国比例で北海道東北重点=の党青森県本部のセミナー(青森市内)で「今夏の参院選で自公が過半数をしっかり確保し、政権基盤をがっちり固めなければ、今の難局を乗り越えることはできない」とあいさつ。ロシアのウクライナ侵略に伴う原油価格の高騰や物価上昇で「公明党国民生活総点検・緊急対策本部」を設置したとしました。
そのうえで、石井さんは「2022年度予算が成立し次第、追加経済対策を政府に求めていく。足元の原油・物価高をはじめ、企業、国民生活を守るための対策を提案したい」と述べました。
セミナーは、きのう令和4年2022年3月19日(土)に開かれました。
山口代表と石井幹事長は出身地と選挙区が「たすき掛け」。同じ党で同じ県連の議員は仲が悪いに決まっていますが、山口さんと石井さんは利害対立がないため仲が良いとされています。連立与党内での石井幹事長の影響力は、麻生副総裁より低いけれども、鈴木財務大臣や高市政調会長よりも上で、ナンバー5には入るでしょう。
とはいえ、衆議院議員である連立与党幹事長が身内の会合とはいえ、成立次第との条件付きとはいえ、追加対策に言及したことは、参議院で審議中の「令和4年度予算案」が不完全だと認めたことにもなり、22日(火)午前9時からの締めくくり採決をめぐって、野党の難波奨二国対委員長(今夏勇退)が反発することも予想されます。
こちらは、現地「キエフ」から報道を続ける田中龍作ジャーナルの写真で、
[写真]キエフ市内のアパート、18日、田中龍作記者撮影。
キエフ市内のアパートが爆撃されて、壁がはがれたのに、部屋内部が健全だという奇妙な風景。ロシア軍が新型の爆弾を在庫一掃のように使ったかもしれません。同じ場所ではロイター通信の写真も配信されましたが、田中記者の写真の方が横からのアングルが鮮明です。その一方、ロシア軍は宇北部では開戦3週間で難航した陣地を前提に塹壕を掘っているとの衛星写真情報も英国軍事筋から出ています。いずれにせよ、隣国・ロシアの戦争が長期戦になるのは確実。
わが国には、原油や小麦パンの価格が上がるような影響があるかもしれません。それでいて米欧英の中央銀行は利上げをしてくるとみられます。オミクロン禍での、マスコミ業界の雇用や月給制でない家庭の収入の先細りも予想されており、追加経済対策は急務。
しかし、これを仮に補正予算として成立させるとすると、6月6日には鈴木財務大臣の財政演説を本会議でやらないとまにあいません。その場合は、補正予算案の閣議決定は、5月17日ごろにはしないと間に合いません。
安全保障の知識が必要な追加経済対策というのは自民党・公明党としても初めての経験と思われ、軍事オタクの山口代表や、外相経験者の茂木幹事長、タカ派の高市政調会長らのとりまとめは難航するかもしれません。
ですから、第26回参院選(6月22日公示から7月10日投開票)に向けた人参ぶら下げ追加経済対策になるかも。また、6月15日(水)の第208回通常国会閉会後に、サミットに加えて、核禁止条約締約国会議も入る日程となりました。岸田文雄首相がサミット最終日に「来年は広島で」と提案しつつ、核禁止条約締約国会議にはオブザーバー参加しないという背骨がしっかりしない対応をした場合は、支持率が突如急落することも予想されます。
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