【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「人事院勧告ボーナス下げ法案」可決で二之湯智大臣の衆院答弁フィニッシュお疲れさまでした、岡田克也外務委員は杉本和巳さんに称えられる、枝野幸男国土交通委員は小宮山泰子筆頭理事に今後の段取りをたずねる

2022年03月09日 18時09分31秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]木原・梶山・青木各氏ら現・主流派議員とともに歩く二之湯智現大臣、きょねん9月、都内ホテルで宮崎信行撮影。

 自民党広報に「先週金曜日に男性職員がまだ決まっていないと言っていた自民党大会の取材要領はどうなりましか」と電話したら、女性職員に懇願口調で党大会取材登録を拒まれました。

 馬淵澄夫国対委員長が参議院での予算審議中は、衆議院では予算関連法案は審議し、それ以外(経済安保・こども家庭庁)は応じないという原則を示したことから、沖縄振興特措法案などが衆議院の委員会を通過しました。きょねんの人事院勧告のボーナス少し下げ勧告は実施法案の提出が昨秋見送られましたが、きょうの衆議院委員会で可決しました。

●岡田克也さんの動向。

 夜9時に就寝する岡田克也さんは、人生で寝坊を通算1回しかしたことがありませんが、きょうの岡田さんも午前8時30分開始の外務委員会室に野党側でまっさきに着席。実際には理事会室で委員長や理事らは協議中です。この後、党の合同選対本部もありましたが、午後まで審議が続きました=衆議院インターネット審議中気からスクリーンショット=。

●枝野幸男さんの動向。


 衆議院国土交通委員会は一般質疑に続き法案審査・採決も始まりましたが、まだ質問の機会がない枝野幸男委員は散会後に、小宮山泰子筆頭理事のところに行き、今後の段取りを聞いたようです。今国会は4省庁合併の国土交通では少なめの5法案だけとなりそうですが法案審査のどこかで枝野さんが質問に立てることになっているようです。

【参議院予算委員会 きょう令和4年2022年3月9日(水)】
 「令和4年度予算案」は11日目で、一般質疑5日目。内閣官房経済安保法案室の藤井前室長が昨夜のNHK報道の通り、12カ月停職となり依願退職したようです。中谷教授のビジネススクールの収入を報告していなかったようです。これに対して、経産省の後輩にあたる立憲民主党の小沼巧さんが取り上げ、内閣官房の審議官は、朝日新聞の二階堂友紀記者への情報漏洩はないとしました。二階堂さんご自身がこれを読んでショックなら謝りますが、二階堂さんは途中入社だから1面トップの見出し記事をスクープする実績を作ろうという意識がより強い敏腕記者なんだと思います。途中入社だからという表現が問題ならあやまります。委員会に戻って内閣官房審議官がクリスマスの日に職場を訪れた日立製作所女性部長にも漏洩はなかったと強調しました。一方、面会録は日立製作所にはあり、政府にはない、という趣旨の答弁をしました。審議官は企業と話すのは悪いことではないとの認識も示しました。あすは集中審議3日目。

【参議院本会議 同日】
 「地方税法改正案」(208閣法3号)「地方交付税法改正案」(208閣法4号)趣旨説明され、審議入り。

【参議院7つの特別委員会 同日】
 倫政特と沖北・ODA特以外の5つの特別委員会が開かれ、大臣の所信的あいさつを聞きました。地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会は、野田、若宮、牧島の3大臣。拉致は外相と拉致相兼官房長官の2人だけで、衆と違って国家公安委員長の出席は数年前からなくなっています。

【衆議院内閣委員会 同日】
●ボーナス下げ法案通過
 きょねん令和3年人事院勧告実施のための法案が審議されました。採決では「一般職国家公務員給与法改正案」(208閣法7号)が共産・れいわの反対、自公立維国の賛成で可決すべきだと決まりました。あすの本会議でも可決し、参へ。「特別職国家公務員給与法改正案」(208閣法8号)は全会一致で可決しました「国家公務員育児休業法及び非常勤職員の介護休業に関する規定などの一括改正法案」(208閣法9号)も全会一致で可決すべきだと決まりました。

 採決前の討論でれいわ新選組の大石あきこさんは(比例近畿)は「日本維新の会が進めた身を切る改革の流れだ。骨太の方針2021に賃上げを入れながら、賃下げの法案を出している」としました。一般職は反対で特別職は賛成なのは分かるんですが、やや説明が難しい面もあるかもしれません。次回は11日(金)。

【衆議院法務委員会 同日】
 「裁判所職員定員法を改正して純減する法案」(208閣法12号)は共反対・自公立維国の賛成多数で、「裁判所職員育児休業法改正案」(208閣法13号)は全会一致で、可決すべきだと決まりました。討論では共産党議員が、「初めての純減で、技能職などが減らされるし、家裁調査官らから転勤が大変だという声が寄せられている」としました。最高裁事務総局の寮は快適だけれども本当にお互いの職場での官職を知らないような状態で生活して、地方転勤がいやでも、会社の内外のどこにも転職先はほぼない。もう少しそよ風が吹く職場にできないものでしょうか。次回の委員会は未定。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】
 前半国会重要法案の「沖縄振興特別措置法を10年延長するなどの改正法案」(208閣法21号)全会一致で可決すべきだと決まりました。附帯決議は、社民党の新垣邦男さん(沖縄2区・1期)が朗読し、沖縄地方一括交付金を現状にあったものにし、離島航路・空港の維持を政府に念押しするなどの内容を自民党も含めた全会一致で採択しました。10年前の審議では衆参与野党の議員が集まりダブルトラックがあり、比例・参議院・野党・1期生の山内徳信元読谷村長が座長で、川端達夫総務大臣兼沖北相が尊重して法案を閣議決定したと思いますが、今回はそのダブルトラックはつくられなかったと思います。ひたすら沖縄にむち打ち岸田自民党ですが、その内容は「令和4年度予算案」と「所得税法改正案」の議案の方で、この議案は10年延長規定が最大のあんこですので、全会一致におさまったようです。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 「雇用保険法を改正して料率を引き戻す法案」(208閣法14号)の審議は2日目で、法案審査1巡目と実質審議入りとなりました。4時間コース。最後に、来週3月15日午前9時から参考人質疑を開くことを全会一致で決めました。当然それまでに採決はありません。10月からかなり保険料が上がるわけですが、社会保障全体の給付と負担の話までには広がっておらず、世論の反発も限定的なように感じます。連合は一貫して、国の負担を増やせと主張していますが、その国の負担というものはそもそも所得税などですから、私は連合の主張は支離滅裂、だまれ正社員貴族と考えます。次回の委員会は11日(金)午後1時。

【衆議院国土交通委員会 同日】
 「令和9年横浜市の国際園芸博覧会特措法案」(208閣法15号)全会一致で可決すべきだと決まりました。国民民主党の古川元久国会対策委員長は「博覧会場で、国酒をアピールすべきだ」と提案しました。有志の会の福島伸享さんは、横浜市瀬谷区を都会と認識したうえで「つくば科学万博には何度も言ったが、花博は申し訳ないがいつだか覚えていない」とし、万博は地方で開くべきだとしました。この会場は、三井不動産が主な地権者だと思いますが、日本第2位の基地県の米軍上瀬谷通信施設の跡地。現地では民社党・春日一幸グループ出身の花上喜代志横浜市議が連続当選11回で、現在43年目となっていますが、花上さんらが要望してきた鉄道敷設の構想が縮小しているようで、三井不動産などが開発を急ぐために、構造改革特区法を使ったり、菅義偉さんを頼ったりしているともされています。

 散会後には、枝野幸男委員が小宮山泰子筆頭理事に寄り、今後の段取りを聞いたようです。

【衆議院外務委員会 同日】
 連日、ウクライナ情勢で林芳正外務大臣が本会議場・第一委員会室に呼ばれることもあってか、2回連続午前8時30分開会。今国会は条約承認案7議案のほかに、法案を3議案審議する予定という外務委では珍しい展開になります。

 もちろん8時30分でも、連日夜9時に就寝しており、初当選から同じものを使い続けた目覚まし時計が壊れた1回しか人生で寝坊をしたことが無い岡田克也委員は元気はつらつ。一方、枝野前代表や松井慶大教授らが岡田さんは厳しい人物という感想を外部に発信していますが、代議士が夜9時に就寝しているのに、本庄知史政策秘書は午前3時に議員会館で働いていましたが、予算委の資料類を頼むにしても、寝てから6時間後も働けなどと指示するわけがなく、本庄さんは単に仕事が好きで好きでしょうがない人だ認識されてきました。

 それはさておき、一般質疑の中で、日本維新の会の杉本和巳さんが高市早苗政調会長らが取り上げ、岸田首相が答弁の継続を予算委で明言した、岡田さんの非核3原則のうち「持ち込ませず」は緊急時にはそのときの政権が命運と説明責任をもって米軍の寄港を認めることもできるとの2010年答弁に言及。林外相も「そこに岡田委員がいらっしゃいますが」と明言しました。2005年の初出馬から4勝2敗の戦績の杉本さんは「私も岡田代表の時に民主党に入れてもらったのにお支えできなかった」としつつ、「非核3原則や核密約の公開など政権交代は意義がある」とし、維新か立憲か政党はあげず政権交代をしたいと強調しました。杉本さんはメリーゴーラウンド人事だとして、野田首相・岡田副総理・枝野経産大臣らの顔ぶれを批判して離党し、みんなの党に加わり、今は維新にいます。

 最後に「思いやり予算改め同盟強靭化予算の日米安保条約6条や地位協定24条になどにもとづく協定の承認案」(208条約1号)趣旨説明されました。質疑はあさって11日金曜日で8時半。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 こちらも8時半スタートで、一般質疑で立憲民主党の野田佳彦さんが登場。野田さんは「首相のとき、首脳会談でプーチン大統領は遅刻の常習犯だったが、わざとやっていたようだ。オバマ大統領もそういうところがあった」と明かしました。オバマさんが日当30ドルでキエフ動乱を煽っておきながらロシアがクリミア半島を抑えてしまうという珍事が8年後にこのような戦況につながってしまったわけですが、オバマさんを批判する世論はあまり聞かれません。野田さんが黒人だったら、マスコミも批判できず、民主党政権が続いたかもしれません。

 「国際開発協会IDA加盟法改正案」(208閣法6号)が財務大臣から趣旨説明され、審議入りしました。

【衆議院経済産業委員会 同日】
 「貿易保険法改正案」(208閣法28号)趣旨説明されました。質疑は次回。

【自民・公明・国民民主党幹事長会談 同日】
 予定通り開催されました。


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