【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「昔が忘れられない」社会党元議員・山下八洲夫容疑者をJRパス不正使用で逮捕、愛知県警、中日新聞報道 歳費法第10条違反で、見直し議論に影響も

2022年05月08日 22時21分01秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]山下八洲夫容疑者、国会議員要覧平成5年8月版、国政情報センターから引用。

 中日新聞の電子版はさきほど、愛知県警がきょう令和4年2022年5月8日、元社会党などで衆議院などの議員をした、山下八洲夫容疑者を、詐欺と有印私文書偽造・同行使 で逮捕したと報じました。

 メ~テレの取材によるヤフーニュースでは、「昔が忘れられない」との趣旨の供述をしているようだと報道されています。

 山下容疑者は、社会党衆議院議員ののち、民主党参議院議員もつとめ、報道によると、立憲民主党岐阜県連常任顧問。

 山下さんは予算委員会で財務大臣にその場で細かい暗算をさせ「大臣も計算できないじゃないですか」と非難するたぐいの追及型質問で知られましたが、計算が不得手なのは山下容疑者本人だったようです。

 愛知県警による、社会党元議員の逮捕は、細川内閣の国家公安委員長をつとめた男性を逮捕(実刑)して以来と思われます。

 国会議員の特権・待遇を定めた「歳費法」はその第10条で、JRの電車・バスに「運賃及び料金を支払うことなく乗ることができる特殊乗車券」を交付できるとしていますが、条文の主語は「各議院の議長、副議長及び議員は」で、前議員(元議員)は対象でないでしょう。なお、「歳費法」の中には罰則はありません。

 社会党とJR東海をめぐっては、「山が動いた」「おたかさんブーム」の第15回参院選で、静岡県区(定数2)の公認新人が県内遊説の移動で、新幹線を間違って乗りテンパってJR社員に迫り途中停車させたことで、全国世論が反発。ところがダメージコントロールとして、土井たか子中央執行委員長がすばやく現地で二人並んで公認取消を宣言。結果は無所属でトップ当選。宇野宗祐自民党内閣退陣につながりました。

 岐阜県区(定数1)では、来月公示の第26回参院選では自民党前職に対して、新人として前の、CBC中部日本放送ベテランアナウンサー女性が準備していますが、国民民主党の公認で、影響は限定的か。が、今の第208回通常国会で文書通信交通滞在費改め調査研究広報通信費の政党間合意を法律に落とし込む条文イメージはまだ出ておらず、これは「歳費法改正案」になります。

 また過去に経済犯で有罪になった元衆議院議員を立憲民主党が2人公認しており、影響も予想されます。

 全国比例で野党第一党争いをする、立憲民主党と日本維新の会の支持に影響した場合は、向こう10年以上の野党の勢力地図が変化することもありそうです。


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