【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【第26回参院選・神奈川4/5人区・第1報】「てらさき雄介(寺崎雄介)」さん30年非自民の政権交代ある改革保守の仲間、きょうはリクルート事件の発端「川崎」で顔を広める

2022年05月13日 23時29分23秒 | 第26回参院選(2022年7月)
[写真]てらさき雄介・立憲民主党神奈川選挙区予定候補者からビラを受け取る人、きょう2022年5月13日夕方、神奈川県「川崎」駅で宮崎信行撮影。

 改革保守の仲間で、学生時代から知る、寺崎雄介(てらさき雄介)さんが立候補を準備しているので、川崎駅まで会いに行ってきました。





 参議院神奈川選挙区は、「4・5人区」と呼ばれており、今回だけは、5人当選し、最下位当選者の任期は3年間。

 自民党が現職・三原じゅん子さんと、麻生派元職の浅尾慶一郎さん。公明党が現職の佐々木さやかさん。共産党が惜敗が続く新人、あさか由香さん。国民民主党が新人、深作ヘススさん。N党からは定数と同じ5名。立憲民主党はともに新人のてらさき雄介さんと水野もとこさんら。れいわ新選組も絡んでくると思われます。

 寺崎県議にとっては地元から最も遠い神奈川県川崎ですので、知名度はこれからという雰囲気ですが、どの政党公認の周りにも、有権者はあまり選挙に向けて盛り上がっている感じではなく、3年前の48%の投票率を上回るのが国政の重要課題のような気がします。

 立憲民主党は、阿部知子県連代表や江田憲司さん、中谷一馬さん、篠原豪さん、青柳陽一郎さん、早稲田ゆきさんら政権を知らない議員が組織づくりをして、第19回統一地方選で県議倍増、4選の寺崎雄介さん(相模原市)が会派団長になりました。直後の、第25回参院選では牧山ひろえさんが2位で再選し、自民の1人だけの公認候補者を、篠原・青柳・早稲田らの小選挙区内の一部の自治体・行政区では相対1位得票になるなど快挙が続きました。寺崎県議も、「今の立憲が一番楽しい」と選挙区の相模原以外である、横浜橋商店街で練り歩きを手伝い「県議なのに、神奈川県にこんな素晴らしい場所があるとは知らなかった」と意気込んでいたようです。

 それから3年経って、寺崎さんにボールが来ました。

 30年来の改革保守の仲間では、自民党に移った古川直季衆議院議員もいますが、寺崎さんは非自民を貫いてきました。

 きょうは地元から一番遠い、川崎市での事前の挨拶活動でしたが、ここ、川崎といえば、リクルート事件の発端。朝日新聞川崎支局が、リクルートの子会社リクルートコスモス社の未公開株を、川崎市助役(2000年の地方分権一括法で「副市長」に解消)に渡していたことをスクープ。





 30年後のきょうの川崎駅を見ると、たしかに再開発にうごめく業者があるのは当然だったでしょうね。

 それが、リクルート社が職業紹介事業の民間への規制緩和を求めて、森喜朗さんら文部、労働関係の国会議員らに大量にばらまいていたことへと芋づる式につながりました。朝日川崎支局もビックリ。戦後最も広範囲な疑獄事件となりました。ここから、竹下登内閣が引責退陣した竹下派内での田中角栄さん以来の小選挙区論者がグループをつくり、前熊本県知事が一から政党をつくったことで、1993年の大政治ドラマになります。そのときは、私が早稲田大学の2年生、寺崎さんが明治大学の4年生で、ともに当時から知る仲です。

 生活のために裏切って自民党に行った人たちもいますけれども、一度も自民に行かなかった寺崎さん。あの政治ドラマから30年がたったということは、今の大学生の親の世代ということになります。世代間格差が話題ですが、自分の世代は変えようがありませんから、政権交代ある政治への思いを、広い神奈川県中で訴え続ければ、伝わるでしょう。

 以上です。

 

「こども家庭庁」は政府案と自公の横串しの基本法案が可決、児童福祉法は修正で全会一致、改正薬機法は重要広範議案で異例の全会一致で成立、沖縄決議で参議院は見送りの良識

2022年05月13日 22時58分00秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]参議院議場のステンドグラス、5年前の2017年、筆者撮影。

【衆議院内閣委員会 きょう令和4年2022年5月13日(金)】
 「こども家庭庁設置法案」(208閣法38号・208閣法39号)が自公などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。横串をさす理念法「自公の基本法案」(208衆法25号)は立憲民主党も賛成に回り可決すべきだと決まりました。立憲が提出した政府案の修正案、立憲対案(208衆法8号)、維新の対案(208衆法27号)は否決されました。これに先立つ対総理質疑には、立憲民主党の泉健太代表が登場しました。

【衆議院本会議 同日】
 「電気通信事業法改正案」(208閣法48号)は共産・れいわが反対し、自公立維国有が賛成して可決し、参議院に送られました。
 「第12次地方分権一括法」(208閣法51号参先議)は全会一致で可決し、成立しました。

【参議院本会議 同日】
 まず「地球温暖化対策推進法改正案」(208閣法25号)が環境大臣から趣旨説明され、青木愛さんらが代表質問しました。これについて愛媛で改選を迎え、立憲公認の高見知佳さんらと定数1を争う、山本順三元議院運営委員会は「今国会は登壇物が多い」とツイートしました。



 この背景には、衆議院側が4年に1回の総選挙で各省が抜本的な改正法案を提出してきたため、入り口が重要な法案が多いが、与野党が対立して出口が混雑する法案が少ないことがあがられます。改選組ながら、平和安全保障法制の特別委員をつとめる損な役回りを望んで引き受け、再選後に国土交通副大臣、国家公安委員長と日の当たる道を歩いた山本さんですが、きょうの本会議後に羽田空港から乗り込んだ飛行機は濃霧のため松山空港上空を旋回して、午後6時の会合に遅れてしまったようです。

 「改正日本海溝・千島海溝周辺型地震特措法」(208衆法33号)は全会一致で可決し、成立しました。
 「改正省エネ法」(208閣法43号)は賛成多数で可決し、成立しました。
 「改正薬機法」(208閣法42号)は全会一致で可決し、成立しました。国会対策委員長が与野党で4本定める紳士協定「重要広範議案」が全会一致となるのは異例。

 なお、衆議院で小渕優子さんが提出した「沖縄復帰50年決議」は見送られました。衆議院ではそもそも政党に限らず、沖縄1区選出の赤嶺政賢さんが「日米地位協定が入っていない」と反対しています。沖縄1区から4区までで、県警・県庁など地位協定で苦労する人は1区在勤・在住者が一番多いでしょう。県庁にはおそらく市町村と板挟みで苦労する幹部候補生もいるはず。沖縄1区選出議員が反対する決議をあえて「小渕ブランド」で本会議採択する神経を疑います。参議院が良識を示しました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 「児童福祉法改正案」(208閣法49号)が修正議決されました。修正の内容は「省令で定めるべきものに、児童の安全の確保を含める」だけの内容で、部分的だと思います。全会一致で修正すべきだと決まりました。立憲の208衆法28号、208衆法30号は採決されませんでした。

 児童養護施設の「卒業」を18歳にすることには、以前から議論があり、塩崎恭久厚労相時代には、審議会に対して追加議題を突然出すことで、「18歳19歳成年」と逆方向の答申を出させないようにしたことがあります。この18歳成年をめぐって、4月1日の施行後に、児童養護施設と、AVアダルトビデオ出演取消権の2つで国会の議論が続いていることになります。

【衆議院法務委員会 同日】
 「刑法改正案」(208閣法57号・208閣法58号)と立憲の208衆法31号の審議が続き、採決は来週以降となりました。野党側の「侮辱罪の厳罰化で、現行犯逮捕のおそれがある」との指摘はもっともですが、そうはいっても、県警が侮辱罪の現行犯で逮捕するというケースは、事前に準備した対組織対応警備でおきえないようにも思います。

【衆議院国土交通委員会 同日】
 日程があいたので政府が追加提出した「建築物省エネ法改正案」(208閣法61号)が趣旨説明されました。野党内では、西村ちなみ立憲民主党幹事長や、同党の環境関係の田嶋要さんらが追加提出を求めていました。一方、馬淵澄夫・国対委員長は、国交省から知床遊覧船の資料の提出を受けて、予算委員に精査してもらい、国交委員には建設受注統計と合わせて議論してもらうよう指示しています。さはさりながら、国交を最終盤の主戦場にしたいなら政府に追加提出を認めるのは不格好な話で、盛り上がらないまま今国会は閉会すると考えられます。

【衆議院環境委員会 同日】
 「アスベスト被害救済法改正案」(208衆法  号)が起草され、本会議に提出されるはこびとなりました。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 「資金決済法改正案」(208閣法47号)の対政府質疑があり、最後に委員長が質疑は終わったと宣言して散会。次回の委員会は17日(火)午前9時から。採決して、19日(木)午後1時からの本会議に上程されるはこび。

【参議院消費者問題に関する特別委員会 同日】
 「消費者契約法など改正案」(208閣法41号)が趣旨説明され、審議入り。次回は参考人質疑。

【参議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
 「福島復興再生特別措置法改正案」(208閣法23号)が趣旨説明されました。

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