【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【法案】「最高裁判所裁判官国民審査法」に在外投票の規定を設けるなどの改正法案の立法が不可欠に、最高裁が立法不作為は違憲判決、首相解散権を縛るとの憶測も

2022年05月25日 19時08分11秒 | 【法案】今後提出される法案
[写真]外務省と、そこから少し見える総務省、おととし、宮崎信行撮影。

 最高裁判所は、在外投票の規定がない「最高裁判所裁判官国民審査法」(昭和22年法律136号)を憲法違反だとしました。違憲判決は史上11例目。立法不作為は、さらにまれとなります。

 きょう令和4年2022年5月25日(水)午後3時から、最高裁判所大法廷で申し渡され、原告団の一人の想田和弘・映画監督らに対する国家賠償も認められました。

 原告団以外にも、現時点で在外投票ができない人は100万人規模といつのされます。

 地裁・高裁・最高裁とも同じ判断で、国の完全敗訴となりました。近く確定。

 このため、衆議院、参議院は、最高裁判所裁判官国民審査法や、あるいは公職選挙法などを改正する法律を必ず策定しなければならなくなりました。

 立法作業に当たっては、衆議院、参議院、総務省、外務省、最高裁判所事務総局の各省庁の検討がされると思います。また、判決とは別に、国民審査の期日前投票が1週間前からで、衆議院の期日前投票とずれている国内での世論の不満を解消する法律改正作業も含まれることもありそうです。

 首相の解散権を縛るのではないかとの観測も浮上しました。

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AV新法案「撮影時の性交は、民法が強制は無効だとするのを有効にしないとの解釈規定を盛り込む」全会一致で委員会起草、補正予算で、西田実仁・公明党参議院会長は金融所得課税に触れず、首相日銀子会社論認める

2022年05月25日 18時56分01秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 全く不発な野党ですが、予選成立直後のテレビ入り参議院決算委員会の立憲民主党・塩村あやかさんの質問で火が付いた「AV新法(案)」は自民党が上川陽子さんらの「ワンツー議連」、公明党が佐々木さやかさんのチームの実績をアピールしながら、とっくに新年度に入っているのにようやく結論が出ました。

 補正予算案の審議が始まりましたが、本会議で、西田実仁・公明党参議院議員会長兼与党税制調査会会長は金融所得課税強化に触れず。安倍晋三元首相の講演で話題になった「日銀は政府の子会社」を首相が事実上認めました。

【衆議院内閣委員会 きょう令和4年2022年5月25日(水)】
 「AV出演被害防止法案」(208衆法 号)が全会一致で起草すべきだと決まりました。附帯決議はれいわが反対しました。
 まず、内閣委員長から発言を許された、自民党「ワンツー議連」会長の上川陽子さんが起草案を趣旨説明しました。上川さんは「AVアダルトビデオ出演者の一部に、心身ともに取り返しのつかない重大な被害を与えることもある」とし「プロバイダ有限責任法の特例や罰則などを設ける」法律案を起草したいとしました。そして「性行為等映像製作物との定義を設けて、性行為に係る人の肢体を撮影した映像と音声で記録したもっぱら性欲を興奮させる、又は、刺激させるため」の映像だとしました。そのうえで、「性交を強制してはならないとする民法の無効の規定を有効とするものではない」との「解釈の例外」を法律に盛り込むとしました。
 この後、自民党の質疑者は「上川さんと性暴力のない議連を5年間やってきた」、公明党は「佐々木さやか参議院議員を座長とする出演強要のプロジェクトチームをしてきた」と誇示しました。但し、改正民法は先月1日に施行しており、「18歳・19歳取消権」は野党の指摘からでした。れいわ新選組の大石あきこさんが提出前の附帯決議案を前提にした質問をしたため少し混乱する場面がありました。

【衆議院国土交通委員会 同日】
 先週末からの混乱の流れを受けつつ一般質疑がありました。有志の会の福島伸享さんがJR東日本などJRグループのコロナ禍でのサービス縮小を取り上げました。福島さんは「JR東日本の幹部は最近偉そうだ」とし「茨城県内のJR水郡線では車掌をホームに忘れて発車した」と語ると、場内が爆笑となりました。こういうことは、通常国会の会期が迫った衆議院の「クラス」ではよくあることで、有権者も目くじらを立てるような爆笑ではないと思います。

 「自賠責保険法改正案」(208閣法36号参議院先議)が大臣から趣旨説明されて、散会しました。

【衆議院本会議 同日】
 「労働者協同組合法改正案」(208衆法41号)と「令和4年度子育て世帯支援金差し押さえ禁止法案」(208衆法42号)が全会一致で衆議院を通過しました。
 「建築物省エネ法改正案」(208閣法61号)が全会一致で衆議院を通過しました。

 鈴木財務大臣の財政演説が行われ、令和4年度第1次補正予算案を提出して「当初予算の新型コロナウイルス感染症予備費を、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費に使途を拡大して、1兆1200億円を積み増した」とし、史上初の「予備費埋め戻し補正」を説明しました。

 質疑では、「日銀は政府の子会社か」との問いがでました。岸田文雄首相は「政府と日銀の関係については一般論として、政府は日銀に対して出資をしているものの、議決権はなく日銀には日本銀行法において金融政策や業務運営の自主性が認められていることから政府からその経営を支配している法人とは言えず会社法でいうところの子会社にあたるとは考えていない」と述べました。統合政府論の反論でよくある「独立性」という言葉を首相は使わず「自主性」のとどめ「会社法でいうところの子会社」という言い方をしていることからも、日銀は政府の子会社だと首相が認めた答弁だと認識できそうです。

【参議院本会議 同日】
 補正予算案の審議だけでは、衆議院本会議の後に参議院本会議で代表質問をしてから、衆議院予算委員会で審議することになっています。

 公明党の代表質問は、山口那津男代表が毎回登場しますが、今回は改選の、西田まこと(西田実仁)参議院議員会長兼与党税制調査会会長が登壇しました。西田さんは昨年11月の衆院選直後の金融所得課税20%の引き上げを見送るとまっさきに主張し、先送りの功労者となりました。西田さんは質問でそのことにはふれず「生きていくうえで欠かせない歳出を盛り込んだ補正予算案の今国会提出を公明党は掲げてきたい」とし「埼玉県内では、女性の中型トラック免許取得の給付で年収が2倍になった」と細かい歳出だけ取り上げ、歳入では軽減税率だけ取り上げ、インボイス・金融所得課税などの増税には一言も触れずにぬけぬけと「国民の生命と暮らしを守りたい」とのたまい、うわべだけのきれいごとで演説を締めくくりました。

 この後「5年延長規定を含んだ改正構造改革特区法」(208閣法27号)が共産党のみ反対、自公立国維などの賛成多数で可決・成立しました。
 「消費者契約法などを改正する法律」(208閣法41号)はれいわが反対、自公立国維共賛成多数で可決し、成立しました。
 「改正温対法」(208閣法25号)は全会一致で可決し成立しました。
 「改正国立国会図書館法」(208衆法38号)は全会一致で可決し成立しました。地方自治体の納付を改革するマイナンバー関連諸法を反映した改正。

【衆議院予算委員会 同日】
 「令和4年度補正予算案」の趣旨説明。次回はあす8時55分。
【参議院予算委員会 同日】
 「令和4年度補正予算案」の趣旨説明。来週月曜日、火曜日、金曜日に、参院選前のNHK国会中継がされそうです。

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細田博之衆議院議長、女性記者に「(議長就任によるポリスボックス設置で)警察が立っているから大丈夫だからうちに来て」が録音されていた「僕の部屋でプラネタリウムを見ようよ」とも

2022年05月25日 12時13分22秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]細田博之衆議院議長、おととし、宮崎信行撮影。

 細田博之衆議院議長が港区内のマンションに、警視庁の所轄署警備係がポリスボックスを設けたことから、女性記者に「警察が立っているし、大丈夫だから。うちに来て」と電話し、記者が音声を録音していたことが分かりました。

 細田議長は他の記者に「肩を揉ませてよ」「膝枕してよ」「僕の部屋でプラネタリウムを見よう」と語っっていたことも有力となりました。

 週刊文春電子版がさきほど12時に更新され、報じました。

 細田議長は女性記者に「今から来い」と言ったほか、「添い寝をしたら教えてあげよう」と言った疑惑が濃厚となっています。

 以上です。