NHK国会中継で補正予算案審議、城井崇さん「細田博之議長第三者委員会を提案」「北海道東部に潜水士つき大型巡視船を予算化前向き」

［写真］岸田文雄会長の３０年ぶり総裁就任前後から過剰な取材妨害をSPもいる場で打ち合わせる宏池会黒マスク男、きょねん９月、東京・高輪で宮崎信行撮影。

　補正予算案の審議があり、２カ月ぶりの「NHK国会中継」となりました。あすの午後５時過ぎに衆議院を通過へ。６月１５日の会期末までに決算委員会もあります。

【衆議院憲法審査会　きょう令和４年２０２２年５月２６日（木）】
　「日本国憲法及び基本法制」の「特に地方自治その他の論点について」が議題になりました。先日の参・憲法審では「合区」がタイトルに含まれました。きょうの審議で、自民党の新藤義孝筆頭幹事は「さまざまな論点を話し合ってきた。今回は合区解消。人口を基本としつつ地域事情も勘案したい」としました。地方自治ということですが、合区解消がメーンのようです。立憲民主党の奥野総一郎筆頭幹事は「次回は国民投票法の改正案に関する参考人質疑をお願いしたい」とし、さまざまな論点を歓迎しました。一方、国民民主党代表の玉木雄一郎さんは「論点が広がり過ぎている」とくぎをさしました。

【衆議院予算委員会　同日】
　「令和４年度補正予算案」の基本的質疑。
　自民党は小野寺五典さんが安全保障３文書、小倉将信さんが経済、国光文乃（国光あやの）さんがコロナを取り上げました。このうち、小野寺、国光の２人は宏池会所属で、総裁派閥はポストを遠慮する方針から予算委に登場したのでしょうか。国光さんをめぐっては、「日当５０００円」を蒸し返すツイートがあったほか、野田聖子大臣と自分を「一応女性」と発言し、自民党からセルフツッコミが入りました。またワクチン接種をめぐる自らの体験から「外国人の人は時間がかかる」とも発言しました。「安保」「経済」「コロナ」の並びは、来月公示の参院選の自民党の演説にも踏襲されそうな雰囲気は感じました。

　立憲民主党は泉健太さんが、日米・クアッドなど対面外交や経済安全保障３本柱で質問。

　城井崇さんは細田博之議長の一連の行動について質問。岸田文雄首相は「議長が適切に対応すべきだ」と語り、何らかの対応が必要であることを示唆しました。これについて城井さんはセクハラ事案でもあり、第三者委員会の設置を提案しました。１０増１０減について、首相は「政府は、区割りを画定する法案を粛々と提出する」と断言したうえで「定数増については与野党各会派が議論する問題だ」とかわしました。

　吉川貴盛・元自民党衆議院議員が農林水産省の大臣室で、アキタフーズから３回で５００万円の現金を受領した東京地検特捜部の提起を東京地裁が「賄賂だ」と認定して、懲役２年６カ月・追徴金５００万円・執行猶予４年との判決をきょう出したことについて、首相は「個別の裁判所の判断だが、政治不信につながった。襟を正して仕事に取り組む緊張感を持ちたい」と語りました。ところで、鶏卵をめぐっては、最大手のイセ食品がこのほど倒産。「価格の優等生」という名のデフレ産業が過剰な負担を強いていたとの反省を多くの日本人が共有すべきなのかもしれません。

　城井さんは予算委員会で、知床遊覧船の沈没について、「きのうサルベージ引き上げの脱落で北海道では怒りの声が上がっているそうだ」として、「５月１３日の衆議院国土交通委員会で、海難救助体制の空白域の解消の政策提案をしたが検討状況はどうか」と問いました。斉藤鉄夫国土交通大臣は「まず答弁するのはこれが初めてなので、この場を借りて哀悼する」と前置きして、「先日の委員会提案を受けて、飛行機や救急士の配置の見直しを始めた」とあかしたうえで「北海道東部に潜水士が乗る大型巡視船を整備する」と明言しました。首相は「配置の見直しならば予算はかからない」と述べました。

　江田憲司さんは原油高を受けて、元売りに一リットル２５円の補助金を出しており、今回の補正にも入っていることを念頭に「石油協会は国民政治協会に５０００万円を献金している。首相はこの場で、もういいですと言えば原油高対策になる」と挑発。岸田さんは「直接関係ない」と逃げました。

　江田さんは「総裁選で健康危機管理庁を提案していた」と問うと首相は「６月をめどにまとめたい」としている。会期中に官邸で決定する「経済財政運営と改革の基本方針いわゆる骨太２０２２」で、「日本版CDC新設」を盛り込むよう、公明党の竹内譲政調会長らがきのう提言しています。

　江田さんは、黒田東彦日本銀行総裁に対して「５３０兆円の日銀保有国債」について「金利が上がると含み損だ」と、それが確定する期日を全く明示しない批判を述べ、「自己資本が９兆円だから債務超過だ」という独自の見解を話しました。黒田総裁は「出口戦略は簡単ではないが可能だ」と答弁。江田さんは「金融政策の手足を縛ったのは安倍政権だ」とまとめたときには、拍手が上がったようです。

　岸信夫防衛大臣は「副大臣席」から着席のまま答弁。岸田さんは朝６時から、公邸で木原誠二副長官と勉強会を開き、その後に、日本・シンガポール首脳会談を開いてから、朝８時５５分からの委員会にのぞみました。シンガポール首脳の随行団員たちは早い朝となりました。

　あすは２日目。あす午後５時過ぎには衆議院本会議を通過の見通し。

【参議院　同日】
　ありません。

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【訃報】小島千鶴子さん逝去１０６歳、伝説の女性経営者で戦争時の「岡田屋」社長、岡田克也さんのおば（父の姉）「雑誌エコノミスト」を読んで「ヒトラーを生んでしまったドイツのハイパーインフレ」研究

［写真］小嶋千鶴子さんが亡くなった翌朝の、四日市のようす、宮崎信行撮影。

　太平洋戦争中に「岡田屋」の代表取締役をつとめ、ドイツ戦間期の「ヒトラーが生まれてしまったハイパーインフレ」の研究から、旧日銀券を携え一人でリヤカーを引いて名古屋に行き、すべて商品に引き換えて四日市に帰り、戦争による物資不足に陥った四日市市民が新日銀券を携えて競うように商品を「岡田屋」で調達し、呉服屋から年商８兆円（岡田屋・フタギ・シロ３社合併）の商品流通会社の礎をつくった伝説の女性経営者、小嶋千鶴子さんが１０６歳で亡くなったことが分かりました。
　
　東京新聞が報道し、直後に、おいで元副総理の衆議院議員・岡田克也さんがブログで発表しました。

　小嶋千鶴子さんは、先週２０２２年５月２０日に亡くなりました。葬儀・告別式は近親者のみで既に執り行われました。

　小嶋さんは、毎日新聞社の週刊誌「エコノミスト」を耽読し、ドイツが第１次世界大戦で負けた後に、ハイパーインフレとなり、その影響で独裁者アドルフ・ヒトラー率いるナチス国家社会主義ドイツ労働者党が政権を握ったことを、ほぼリアルタイムで把握。太平洋戦争敗戦濃厚となった日本も同様な運命をたどりそうだと察し、東京・早稲田大学から鹿島灘の海岸で塹壕堀の労役をしている弟・卓也に代わり、旧・日本銀行券をすべて名古屋で商品にかえてリヤカーで帰着。物不足の人が岡田屋呉服店で日用品を買い求めました。軒先の大繁盛を見つつ、わずか数か月で社長の座を東京・早稲田大学商学部在学中の弟に譲りました。

　この経験から、岡田卓也さん（９６歳）は「小売業の繁栄は平和の象徴だ」としています。小嶋さんは卓也さんに社長を譲った後も、イオン常務として幹部に「今どんな本を読んでいる」と指導したと伝えられています。

　岡田克也さんは今朝のブログで「経営者としての活躍は私にはわかりませんが 」「私の名前克也は、千鶴子さんが名付け親だと聞いています。人に勝つのではなく、自分に克ことが大切だ、との意味だと聞かされました。公私の混同は絶対にしない、何事も計画を立てて先の見通しをもって着実にすすめ、読書と勉強を怠らないなど、今の私の人生の基本となることは、千鶴子さんから教えられました」と振り返りました。

（当ニュースサイト内関連記事　２０１８年１１月３０日付「［書評を兼ねて］「イオンを創った女　評伝小嶋千鶴子」で岡田克也さん「叔母は勉強家ですよね、第１次世界大戦後のドイツの超インフレを分かっていて、残っていた旧円を名古屋で商品に替えてきた」）

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