時空を超えて Beyond Time and Space

人生の断片から Fragmentary Notes in My Life 
   桑原靖夫のブログ

住みにくい都市東京へなぜ

2006年07月29日 | グローバル化の断面
  東京を離れてしばらく旅をし、他の地に少し長く滞在してみると、改めて東京の生活費の高さを実感する。必要があってロンドンやオックスフォード近辺の住宅を探してみた経験では、ロンドンなど大都市では物価が高くて驚くが、東京はそれをはるかに上回ることで、改めて東京の住みにくさに気づかされる。ロンドンは、住宅費そしてホテル代が飛びぬけて高いような感じがする。

  経済誌The Economistのグループの姉妹調査機関 Economist Inteliigence Unitによると、海外からのビジネスマンにとって生活費が最も高い都市は、オスロで東京はそれに次ぐ。以下、レイキャヴィク、パリ、ロンドン、ソウル、チューリッヒ、香港、シンガポール、シドニーと続く。

  前回の調査までは、東京が長らく第一位であった。あまり名誉なことではない。東京に長く住んでいると、色々と低コストで暮らす手段も身に付いてくるが、初めて来日し生活する外国人には住みにくい都市なのだろう。しかし、ミクロの目で観察すると、東京の外国人居住者は着実に増加もしている。ここは日本なのかと思うような場所も現れている。

  他方、生活費の安い方の都市としては、マニラ、ムンバイ、ブエノスアイレス、カラカス、カイロ、バンコク、クアラルンプール、サンパウロ、ジャカルタなどがリストされている。開発途上国、そして南米諸国の都市はかなり安い。最も高い国のグループと安いグループでは4倍近い差がある。

  東京にいると、その住みにくさや生活費の高さをともすれば忘れがちだが、距離をおいて見ると、その異常さに気づかされる。同じ日本でも東京を離れると、生活費はかなり低くてすむ。それなのに、どうしてこれほど東京に集中するのだろうか。最近は首都移転論はほとんど聞かれなくなった。


Reference
"The cost of living." The Economist, July 22nd 2006.
コメント
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