2006年9月15日の記事で思い出した「ゲインズバラの家」サイトに掲載されていた「姉と弟」の復元予想図が、どういうわけか取り外されてしまっていた。しばらく前までは、確かにサイトの「教育」 Education の所に掲載されていたことは間違いないのだが。そして、この「姉」と「弟」の作品自体は、このGainsborough's House の目玉であり、現にポスターやパンフレットの表紙になっている。実際、わざわざ自分で田舎道を車を運転して見に行ったこともあるので作品の印象も鮮明に残っている。
幸い保存しておいた画像は、この通りである。弟の方はご覧の通り全身像だが、姉の方は上半身像となっている。ゲインズバラの家は、画家の生家で美術館として運営され、保存や考証もしっかりしていると思われる。弟の像に一部残る姉の衣裳の跡などからも、画家が描いた原画はあらまし、このようなものであったと推定されている。弟の側に残されている部分をみても、原画が切断されたことはほぼ間違いない。実際、ゲインズバラの作品にはよく知られた「アンドリューズ夫妻」*など類似の構図も多い。
折角、再会した「姉と弟」はどこへ行ってしまったのだろうか。「再会」の背景もミステリアスであったが、今回の突然の失踪も謎である。
* Mr and Mrs Andrews, Oil on canvas, 70 x 119 cm, National Gallery, London