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「カラバッジョ/天才画家の光と影」a>
天才です。
16世紀のローマ。カソリック教会は勃興してきたプロテスタントに対抗するためにも、教会に大掛かりなキリスト教壁画を置く風潮だった。そのため、天才カラバッジョにも注文が途切れることなく、経済的に困ったこともない暮らしだったそうだけれど、彼自身が、お金を手にすると酒場に入り浸り、暴力沙汰が絶えない性癖の持ち主だった。司教が庇護しようとしても、彼の感性、素行は枠内に治まりえなかった、のです。
「ショパン 愛と哀しみの旋律」a>
幼くして天分に恵まれた息子のさらなる開花を期待して、父はショパンをポーランドからパリに送り出す。パリに出てきた息子は、離婚したばかりのジョルジュ・サンドと出会う。15歳年上のジョルジュサンドと恋に落ち、サンドの子2人を連れて郊外での暮らしを始める。サンドはショパンの才能に敬意を持ち、愛し続けるのだけれど、流行作家サンドの息子と娘が大きくなるにつれ、微妙に。
「好きになる」はどんな条件をも飲み込んでしまうのだろうけれど、恋の相手が子連れサンドでなかったら、・・・とつい考えてしまうのは、私が凡人だからだろう。
「赤と黒」a>1954年製作
高校時代に読んだ記憶がぼんやり残っているスタンダールの小説の映画
上昇志向の強い主人公ジュリアン・ソレルの貴族の女性との恋物語。かつて読んだときは、類まれな才能の持ち主ジュリアン・ソレル、というばかりが強烈な印象だったのは、己の凡庸な頭脳であくせく勉強しなくてはならない年齢だったからだろうか。
ジュリアンは、貴族の家庭の家庭教師になるが、お金を貰う職業=召使、という歴然とした身分社会に忸怩たる思いをもつ。ナレーションがジュリアンの心中を語るという形をとっていたけれど、本の醍醐味が出し切れていないのだろう。だからといって長編を再読することはないけど。
「パルムの僧院」a>1948年製作
同じくスタンダールの小説を映画化したもの。やはり恋物語。ワーテルローの戦いが終わったあたりの時代。華麗な貴族社会に招かれた将軍(武将ではあっても貴族ではない)の娘に、「みんな親の七光りの人たちね」といわせている。自由主義を口にすると断頭台送りに、という閉塞感漂う時代でもある。牟うの番人の娘に恋をし、自分の人生を賭して、牢から脱走させてくれたその娘に、もう会えないのなら、牢獄の窓からあなたの姿を眺められる日々のほうがよかった、といわせるほどの恋話。
至福!!
今の時代、自宅にいながらにして、こんな大作を楽しめるなんて感謝です。
カラバッジョにしてもショパンにしても、ジュリアン・ソレルは物語の主人公なのだけれど、作家スタンダールの書く時代よりも、今、現代の方が幸せ。
昨日の開票時間以降、選挙の話題でこの国は沸き立っているけれど、
選挙が実施されるだけでなんと民主的!
そんな思いになります。
勿論、役得で美味しい汁に浸っている輩もあったりして、「不満もなく」という状態ではないでしょうが、かつてのヨーロッパよりは、格段にマシ、なのです。
「カラバッジョ/天才画家の光と影」a>
天才です。
16世紀のローマ。カソリック教会は勃興してきたプロテスタントに対抗するためにも、教会に大掛かりなキリスト教壁画を置く風潮だった。そのため、天才カラバッジョにも注文が途切れることなく、経済的に困ったこともない暮らしだったそうだけれど、彼自身が、お金を手にすると酒場に入り浸り、暴力沙汰が絶えない性癖の持ち主だった。司教が庇護しようとしても、彼の感性、素行は枠内に治まりえなかった、のです。
「ショパン 愛と哀しみの旋律」a>
幼くして天分に恵まれた息子のさらなる開花を期待して、父はショパンをポーランドからパリに送り出す。パリに出てきた息子は、離婚したばかりのジョルジュ・サンドと出会う。15歳年上のジョルジュサンドと恋に落ち、サンドの子2人を連れて郊外での暮らしを始める。サンドはショパンの才能に敬意を持ち、愛し続けるのだけれど、流行作家サンドの息子と娘が大きくなるにつれ、微妙に。
「好きになる」はどんな条件をも飲み込んでしまうのだろうけれど、恋の相手が子連れサンドでなかったら、・・・とつい考えてしまうのは、私が凡人だからだろう。
「赤と黒」a>1954年製作
高校時代に読んだ記憶がぼんやり残っているスタンダールの小説の映画
上昇志向の強い主人公ジュリアン・ソレルの貴族の女性との恋物語。かつて読んだときは、類まれな才能の持ち主ジュリアン・ソレル、というばかりが強烈な印象だったのは、己の凡庸な頭脳であくせく勉強しなくてはならない年齢だったからだろうか。
ジュリアンは、貴族の家庭の家庭教師になるが、お金を貰う職業=召使、という歴然とした身分社会に忸怩たる思いをもつ。ナレーションがジュリアンの心中を語るという形をとっていたけれど、本の醍醐味が出し切れていないのだろう。だからといって長編を再読することはないけど。
「パルムの僧院」a>1948年製作
同じくスタンダールの小説を映画化したもの。やはり恋物語。ワーテルローの戦いが終わったあたりの時代。華麗な貴族社会に招かれた将軍(武将ではあっても貴族ではない)の娘に、「みんな親の七光りの人たちね」といわせている。自由主義を口にすると断頭台送りに、という閉塞感漂う時代でもある。牟うの番人の娘に恋をし、自分の人生を賭して、牢から脱走させてくれたその娘に、もう会えないのなら、牢獄の窓からあなたの姿を眺められる日々のほうがよかった、といわせるほどの恋話。
至福!!
今の時代、自宅にいながらにして、こんな大作を楽しめるなんて感謝です。
カラバッジョにしてもショパンにしても、ジュリアン・ソレルは物語の主人公なのだけれど、作家スタンダールの書く時代よりも、今、現代の方が幸せ。
昨日の開票時間以降、選挙の話題でこの国は沸き立っているけれど、
選挙が実施されるだけでなんと民主的!
そんな思いになります。
勿論、役得で美味しい汁に浸っている輩もあったりして、「不満もなく」という状態ではないでしょうが、かつてのヨーロッパよりは、格段にマシ、なのです。