彼女の言葉が耳に残っている。
「日本の旅館(宿)に、部屋風呂が備わっていたら、この子を連れて旅行もできるのだけれど、共同の大風呂だとチョット心配でね」と。
彼女の就学前の長女は自閉症で、他人と一緒が苦手。時には奇声も出るし、親の手を振り払って無軌道に飛び回る。
「一週間に一度とか一ヶ月に一度とか預かってくれるところがあれば、親もリフレッシュできるのに、奥さんが元気になると、旦那さんにとってもいいことだし…」
スプーンを握り締めて飛び跳ねる娘の姿をにこやかに追いながら、彼女が語った言葉が耳に残っている。
だからなのか、リゾートホテルや、観光地の宿の部屋に入って、洗面所の隣に部屋風呂があると、「あっ、Yさん、こんなのだったら喜ぶんだろうな」と、一瞬頭をよぎる癖がある。
私は大きい風呂が楽しみだから部屋風呂は使ったことがないけれど、ユニットバスであっても、それがあることがうれしい人がいるのだと、ドアをあけてみて思うのです。
あれから随分の時が過ぎて、すっかり年取ったけれど、あの時の私は20代半ば。自閉症の娘を持つ5つ6つ年上の彼女の心のうちのどれほどを理解できたか、そう思います。
二人とも運転免許のために教習所に通っていたけれど、
彼女の理由は
「夫の仕事は転勤があるから、いつも養護学校の近くに住めるとも限らない。だから車が必要なの」でした。
私?
「子供が育って、やがて仕事ややりたいことが見つかっても、足がなくて出向くことができず諦めなくてはならないということがないように」と。
それから30年近く。
ホテルの部屋風呂はあるのが普通になったけれど、
この度、ホテル東横イン経営者、身障者用設備の設置はお荷物という意識が露見。
違法なことをしないと成り立たないのでは残念です。
乳飲み子を抱えた私に語ってくれた彼女、あれから何度H子ちゃん連れて旅行したかしら。
そういえば、私たちの子供があの時の私たちよりも年上です。
「日本の旅館(宿)に、部屋風呂が備わっていたら、この子を連れて旅行もできるのだけれど、共同の大風呂だとチョット心配でね」と。
彼女の就学前の長女は自閉症で、他人と一緒が苦手。時には奇声も出るし、親の手を振り払って無軌道に飛び回る。
「一週間に一度とか一ヶ月に一度とか預かってくれるところがあれば、親もリフレッシュできるのに、奥さんが元気になると、旦那さんにとってもいいことだし…」
スプーンを握り締めて飛び跳ねる娘の姿をにこやかに追いながら、彼女が語った言葉が耳に残っている。
だからなのか、リゾートホテルや、観光地の宿の部屋に入って、洗面所の隣に部屋風呂があると、「あっ、Yさん、こんなのだったら喜ぶんだろうな」と、一瞬頭をよぎる癖がある。
私は大きい風呂が楽しみだから部屋風呂は使ったことがないけれど、ユニットバスであっても、それがあることがうれしい人がいるのだと、ドアをあけてみて思うのです。
あれから随分の時が過ぎて、すっかり年取ったけれど、あの時の私は20代半ば。自閉症の娘を持つ5つ6つ年上の彼女の心のうちのどれほどを理解できたか、そう思います。
二人とも運転免許のために教習所に通っていたけれど、
彼女の理由は
「夫の仕事は転勤があるから、いつも養護学校の近くに住めるとも限らない。だから車が必要なの」でした。
私?
「子供が育って、やがて仕事ややりたいことが見つかっても、足がなくて出向くことができず諦めなくてはならないということがないように」と。
それから30年近く。
ホテルの部屋風呂はあるのが普通になったけれど、
この度、ホテル東横イン経営者、身障者用設備の設置はお荷物という意識が露見。
違法なことをしないと成り立たないのでは残念です。
乳飲み子を抱えた私に語ってくれた彼女、あれから何度H子ちゃん連れて旅行したかしら。
そういえば、私たちの子供があの時の私たちよりも年上です。