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葛飾むかし話,当地を訪ねる、 第3話

2016年08月13日 | 文学  民話&伝説&昔ばなし

      柴又・八幡様の獅子

「葛飾むかし話」が好評につき、第3話をお届けします。


 

八幡様の獅子=物語

     

  むかし柴又の名主、斉藤家には、不思議な頭の宝物がありました。
  ♂じし、♀じし、子じしの三頭の顔は、黒のうるしで塗られ、頭は黒く、つやつやの羽根がたなびいていて、古めかしい中にもそれは勇ましい姿をしたかしらでした。 

斉藤家では、代々伝わるかしらを家の宝として、蔵の中に大事にしまっておきました。

  ところが。
いつのころから蔵のコメが、何者かに食い荒らされるようになりました。戸締りをしっかりしていても食い荒らされるのですから、家の者はほとほと困り果てていました。

  そして、蔵の中に大事にしまって置いたしし頭を、きみわるく思うようになり、とうとうこのかしら(頭)を江戸川に流してしまいました。

  ところが、しし頭は、急な流れをものともせずにのぼって、上手に這い上がってきました。

 

  「おかしな、ししじゃのう。」
と、家のものもふしぎなできごとに、主人も驚いてしまいました。
「このしし頭は、ふしぎな力を持ち、尊いもののようじゃ。」
「そうです。捨ててしまって、はばちが当たります。」
  主人は近所の村人と相談して、真勝院という寺に、子の獅子このしし頭を奉納して、まつることにしました。
    

ところがこの寺が、二回三回と火事になり、みんな焼けてしまいましたが、どういうわけか,このしし頭を持ち出すことができました。
「ふしぎな力を持つししじゃのう」
「これはきっと、神ししじゃあ。」
と、ますますこのしし頭を尊いものと、あがめました。
そして、柴又駅にほど近い八幡神社に、神としてまつることにしました。

 いつのころから、村人は病気もなく、みんなが仲良く暮らせることを祈りながら、このしし頭をつけて、太鼓や笛に合わせ、ししを舞うようになりました。

そして年に一度の秋祭りには、しし頭の先導によって、祭りがはじまり、しし舞を奉納するようになりました。

     

ある時疫病が流行して、村のあちこちに疫病が出始めました。今のように、良い薬もない時代なので、むら人は、この病気の恐ろしさにおびえてしまいました。

「神ししにお願いして、病をむらから追い出していただけないものだろうかのう」
「そうだそうだ、神ししにお願いしよう」
むら人は、八幡様に集まり、一心におがみました。

 

* 以前も、この獅子に関する取材をしました。
昔話と合致しましたので、お届けします。

 http://www.digibook.net/d/0bd48353a0190c796f8bb0f5a955930b/?viewerMode=fullWindow

 

 

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