月曜日から金曜日まで工場勤めの男性。ウィークデーは判で押したような毎日で、毎朝ジョギングで身体は鍛えてはいるけれども、息子からは尊敬の念を持たれる事はない。妻との会話もなく、ベットではお互いに背を向けて眠る。
そして火曜日の朝のごみ出しには毎回遅れる等、地味な生活故、失敗もどこか情けなく冴えない。
しかし、見えるものがすべてではないし、今がすべてではないのだ。どことなく頼りない中年男性にも、秘密もあれば人に明かせない過去がある。
不満は静かに溜まり、そして路線バスの中で爆発するのだ。静かな怒りは逆にコントロールが効かず、一度爆発してしまったものはなかなか消えることはない。名もなき一般市民として潜伏していていても、過去は消せなかったのだ。数々の名曲が大音響で流れる中、その爆発力は凄まじく留まるところを知らない。相手となるロシアマフィアの傍若無人ぶりもこれまた凄まじい。怒れる中年男性の爆発力は半端ないのだ。子猫にツナ缶をあげる一見冴えない中年男性の今後も見てみたい。
そして怒りの過去を忘れられない老人として気を吐くのは、ドクことクリストファー・ロイドだ。
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殺しの世界から足を洗い、妻の思い出だけを大事に生きていきたいのに、周りがそれを許さないジョン・ウィックや、元CIAという身分を隠し、修行僧のような生活をしながらも、助けが必要な者のためには自分の力を惜しげ無く遣う男イコライザー。過去を消せず、結局過去から逃れられない男シリーズにまた新しい1名が加わった。ボブ・オデンカークが身体をかなり鍛えて、名もないイケてる中年男性を演じている。
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